自動運転レベル3、日本の市販車は今どうなっている?ホンダ・レジェンドのその後

「自動運転レベル3」は、システムが運転の主体となる、市販車で実現している最初の段階です。ただ、日本でのレベル3の型式指定や、海外の状況について、正確な年月・内容を把握している人は多くありません。この記事では、国土交通省・警察庁・JAF・ホンダ・メルセデス・ベンツの公式情報をもとに、レベルの定義、日本の制度、ホンダ「レジェンド」、海外の状況を整理します。

📋 この記事の要点

✔ 国土交通省は、2020年11月11日に、ホンダ「レジェンド」へ、自動運行装置を備えた車として世界初の型式指定を行った

✔ レジェンドの発売は2021年3月5日。限定100台のリース販売

✔ レベル1・2は運転支援。運転の責任はすべてドライバーにある(JAF)

✔ メルセデス・ベンツは、米国ではネバダ州(2023年1月)、カリフォルニア州(2023年6月)で認可。

✔ トヨタ・日産・ホンダの「2026〜2028年にレベル3投入」という計画は、公式に確認できなかったため削除

1. 自動運転レベル0〜5の違い

JAFの「クルマ何でも質問箱」によると、自動運転技術は、米国自動車技術者協会(SAE)や国土交通省が、レベル0〜5の6段階に区分しています。レベル1・2は運転操作の主体が自動運転システムではなくドライバーで、「自動運転車」ではなく運転支援車と呼ばれます。運転の責任は、すべてドライバーが負います。

📊 自動運転のレベル(JAF クルマ何でも質問箱)

レベル 名称(JAFの記載) 運転の主体と条件
レベル0 自動運転技術のない車 ドライバー
レベル1 運転支援(アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の一方を支援) ドライバーが主体。衝突被害軽減ブレーキ、ACC、車線維持支援など
レベル2 運転支援(アクセル・ブレーキ操作とハンドル操作の両方を支援) ドライバーが主体。常に前方を注視し、必要に応じて操作。責任はドライバー
レベル3 条件付自動運転車(限定領域) 限定された領域では、システムが自動運転を行う。システムが継続できなくなった場合は、ドライバーが要求に応え、いつでも運転に戻れる必要がある
レベル4 自動運転車(限定領域) 限定領域内では、ドライバーの介在が必要ない。移動サービスとしての導入が先行
レベル5 完全自動運転車 領域の限定がなく、すべての領域でシステムが自動運転を行う

📌 レベル3でのドライバーの役割

警察庁は、いわゆるレベル3の自動運転(令和2年4月から公道走行が可能)では、国土交通大臣が付する自動運行装置の使用条件を満たさなくなる場合等には、運転者が運転操作を直ちに確実に引き継ぐことが求められると説明しています。

2. 日本の制度と、レベル3の型式指定の流れ

日本では、法律の改正と保安基準の整備を経て、レベル3の型式指定が行われました。

📊 日本のレベル3・レベル4に関する制度の流れ

時期 できごと 出典
令和元年(2019年)5月 道路交通法の一部を改正する法律が成立(自動運行装置を使用する運転者の義務等を整備)。レベル3の自動運転車が安全に走行できるよう規定を整備 警察庁
2020年3月 国土交通省が、世界に先駆けて自動運転車の保安基準を策定 国土交通省
2020年4月1日 改正法が施行。自動運行装置が保安基準の対象装置に加わる Honda(プレスリリース)
2020年11月11日 ホンダの「レジェンド」に、自動運行装置を備えた車として世界初の型式指定(装置名: Traffic Jam Pilot) 国土交通省、Honda
2021年3月5日 Honda SENSING Elite搭載の新型「LEGEND」を発売 Honda
令和4年(2022年)4月 レベル4に相当する、運転者がいない状態での自動運転である「特定自動運行」の許可制度を創設する改正法が成立(施行は2023年4月1日) 警察庁

3. ホンダ「レジェンド」は、どんな車だったのか

国土交通省は、ホンダから申請のあった車両(通称名: レジェンド)に対し、自動運行装置を備えた車両としては世界初の型式指定を行いました。搭載された自動運行装置(名称: Traffic Jam Pilot)は、高速道路での渋滞時における運転者の運転操作の負荷を軽減することを目的としています。国土交通大臣が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で作動します。

📊 ホンダ「レジェンド」(Traffic Jam Pilot)の概要

項目 内容 出典
型式指定 2020年11月11日。自動運行装置を備えた車として世界初 国土交通省
自動運行装置 Traffic Jam Pilot(高速道路の渋滞時)。国土交通大臣が付与した特定条件の範囲内で作動 国土交通省
発売 2021年3月5日。Honda SENSING Elite搭載の新型「LEGEND」 Honda
販売方法 限定100台。リース販売(特定の販売店での取り扱い) Honda、報道
生産 レジェンドは、狭山工場の閉鎖に伴い、生産を終了(2021年内と報じられた) Honda公式サイト、報道

📌 新車で買えるレベル3は?

JAFは、自家用車ではレベル3の「条件付自動運転車(限定領域)」まで実用化されていると説明しています。ただし、2026年10月時点で、日本国内で新車として購入できるレベル3の車があるかは、この記事の調査で公式に確認できませんでした。各メーカーの公式サイトで、最新の販売状況をご確認ください。

4. 海外の状況(メルセデス・ベンツの例)

メルセデス・ベンツは、レベル3のシステム「DRIVE PILOT」を、ドイツ・米国で展開しています。

📊 メルセデス・ベンツ DRIVE PILOTの認可の流れ

地域・時期 内容(メルセデス・ベンツの公式発表・報道)
ドイツ 2022年5月 DRIVE PILOTを導入。UN R157の厳しい法的要件を満たす、世界初のSAEレベル3システムとして、ドイツ連邦自動車庁(KBA)が承認
米国ネバダ州 2023年1月 ネバダ州が、システムが州の規制に適合することを確認
米国カリフォルニア州 2023年6月 カリフォルニア州の当局から認証を取得。米国で、適した高速道路で時速40マイル(約64km/h)までの条件で作動
ドイツ 2024年12月 KBAが、改良版DRIVE PILOTを承認。一定の条件下で、最高95km/hでのレベル3走行が可能

⚠️ 確認できなかった記述を削除しました

95km/h版の提供開始時期も、要確認です。

5. レベル4と、購入・検討時のチェックポイント

レベル4は、限定された領域で、ドライバーの介在が必要ない段階です。警察庁によると、令和4年4月に、レベル4に相当する特定自動運行の許可制度の創設を含む道路交通法の一部改正が成立しました。JAFは、レベル4以上の自動運転は、自家用車より、タクシーやバスなどの移動サービスとしての導入が主流になりそうだと説明しています。

📊 「自動運転機能付き」の車を選ぶときのポイント

確認すること 理由
「自動運転」「運転支援」の表記が、どのレベルか レベル1・2は運転支援で、責任はすべてドライバー(JAF)
作動する条件(道路・速度・渋滞時など) レベル3は「限定領域」「条件付」。国土交通大臣が付する使用条件の範囲内で作動(国土交通省・警察庁)
システムからの引き継ぎ要求への対応 条件を満たさなくなる場合は、運転者が直ちに確実に引き継ぐ必要がある(警察庁)
型式指定・取扱説明書の記載 公式の表示・説明書で、レベルと作動条件を確認する

📝 自動運転機能を確認するチェックリスト

☑️ 車の取扱説明書・公式カタログで、機能がレベル何に当たるか確認した

☑️ 作動できる道路・速度・条件を確認した

☑️ システムからの要求時に、運転を引き継ぐ操作を確認した

☑️ レベル2の機能を、自動運転と誤解していない

☑️ 最新の販売状況を、メーカー公式サイトで確認した

6. よくある質問

Q. レベル2と、レベル3の違いは何ですか?

A. レベル2は運転支援で、ドライバーが常に前方を注視し、責任を負います(JAF)。レベル3は、限定領域で、システムが自動運転を行います。ただし、システムから要求されたら、ドライバーが運転に戻る必要があります。

Q. 世界初のレベル3の型式指定は、いつですか?

A. 国土交通省が、2020年11月11日に、ホンダ「レジェンド」に対して行いました。発売は、2021年3月5日です。

Q. メルセデス・ベンツの米国での認可は、いつですか?

A. 公式発表では、ネバダ州が2023年1月、カリフォルニア州が2023年6月です。

Q. 日本で、新車のレベル3は買えますか?

A. JAFは、自家用車ではレベル3まで実用化されていると説明しています。ただし、現在の国内の販売状況は、この記事では公式に確認できませんでした。各メーカーの公式サイトで、最新の情報を確認してください。

まとめ

自動運転レベル3は、限定領域でシステムが運転を担い、必要なときにドライバーが引き継ぐ段階です。国土交通省は2020年11月11日に世界初の型式指定を行い、ホンダ「レジェンド」は2021年3月5日に限定100台で発売されました。メルセデス・ベンツは、ネバダ州が2023年1月、カリフォルニア州が2023年6月に認可されています。「自動運転機能付き」の表記は、レベル・作動条件・引き継ぎの要件を公式の表示で確認して、レベル2を自動運転と誤解しないようにしましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Ten and Two by Eric, CC BY 2.0

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