「99.9%除菌」のような数字は、どの菌・ウイルスを、どんな条件で減らしたかを示す数字で、製品ごとに条件が違います。ソフト99の公式ページは、99.99%の試験条件を、ウイルス1種・25℃・5分と書いています。
車用の消臭・除菌剤の売り場には、「除菌」「ウイルス除去」「99.9%」「消臭」と書かれた商品が並びます。この記事では、これらの商品の効き目やおすすめは書きません。公式ページが「どんな条件の数字か」をどう書いているか、そして国が「空間除菌」などの表示をどう扱ってきたかを、厚生労働省・経済産業省・消費者庁の資料、JIS、各社の公式ページの原文で並べました。順位・おすすめ・価格は書いていません。
📋 先に結論:この記事で分かること
✔ 厚生労働省・経済産業省・消費者庁の特設ページは、「消毒」は薬機法に基づく「医薬品・医薬部外品」の製品に記されるもの、「除菌」は「菌やウイルスの数を減らすこと」で、「医薬品・医薬部外品」以外の製品に記されることが多い、と書いています。
✔ 確認した3社の数字は、ソフト99が99.99%(試験ウイルス1種・25℃・5分間)、エステーが99.9%(2021年のニュースリリース。布製品が対象で、「空間の除菌・ウイルス除去はできません」)、カーメイトが「99%以上」(ページのグラフ画像。製品と菌液・ウイルス浮遊液を混ぜた試験液を5分後・15分後に測定)で、条件もそれぞれ違いました。
✔ 消費者庁は、空間・浮遊・車内・室内の「除菌」「ウイルス除去」の表示について、合理的な根拠を示す資料が表示の裏付けとは認められないとして、措置命令や課徴金納付命令を出した例があります。注意書きがあっても、強調表示から受ける効果の認識は打ち消されないと判断された例も、下の節の3件にあります(それぞれの事業者・表示についての判断です)。
✔ 業界の自主基準では、臭気を化学的・生物的作用等で除去・緩和するものを「消臭剤」、物理的作用で除去・緩和するものを「脱臭剤」、他の香り等で包み隠すものを「防臭剤」と、名前を分けています。消臭率の数字も、どの方法で何時間後に測ったかで別の数字になります。
✔ この記事は、製品の効果や安全性を評価するものではありません。使い方の条件(車内に入らない・換気・保管温度など)は、各社の公式ページの原文を載せました。
「消毒」「除菌」「抗菌」は別の言葉
厚生労働省・経済産業省・消費者庁の特設ページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」(2020年6月26日に、NITEの評価結果を受けて、経済産業省・厚生労働省・消費者庁が同時に発表。ページはその後も更新されています)は、次のように書いています。コロナ対策の説明で、車用の消臭剤を名指ししたものではありません。
- 「「消毒」は、菌やウイルスを無毒化することです。「薬機法」(※1)に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品に記されています。」
- 「「除菌」は、菌やウイルスの数を減らすことです。「医薬品・医薬部外品」以外の製品に記されることが多いようです。」
- 「なお、「医薬品・医薬部外品」の「消毒剤」であっても、それ以外の「除菌剤」であっても、全ての菌やウイルスに効果があるわけではなく、新型コロナウイルスに有効な製品は一部であることに注意が必要です。」
- 「なお、ウイルスを無毒化することを効能・効果として明示とする場合、医薬品・医薬部外品の承認が必要です。」
薬機法の第66条第1項(誇大広告等)は、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」と定めています(e-Gov法令検索)。車用の消臭剤の公式ページ5製品(エステー、ソフト99、カーメイトD235・D263、プロスタッフ)には、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の語はありませんでした。品名は「自動車用消臭剤」(エステー)、「自動車用加熱蒸散型除菌消臭剤」(カーメイト)です。カーメイトD263は、確認した時点で、公式ストアが注文できない旨を表示していました。これらが薬機法のどの区分にあたるかの法的な当てはめは、この記事では確認していません。また、条文・告示(薬機法第2条・第66条・第68条、医薬部外品の範囲を定める告示)の中では、「除菌」を定義した条文は見つかりませんでした(e-Govから取得した薬機法の全文でも、「除菌」の語は0件でした)。医薬部外品の範囲を定める告示には、「物品の消毒・殺菌の用に供されることが目的とされている物」という項目があります。国民生活センター(2020年5月15日)は、「除菌とは一般に化学的・物理的に微生物を取り除くことをいいますが、その対象や程度は公的には定められていません。」と書いています。
業界団体(抗菌製品技術協議会、SIAA)の資料では、「除菌(JIS Z 2811 の定義)」を「対象物から生菌数を減少させること」とし、抗菌については「製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」と書いています。SIAAのページには、抗菌は「菌を一時的に死滅・除去する殺菌・除菌とは区別されます。」ともあります。JIS Z 2811の原文は、今回は読めていません。
「99.9%」などの数字の条件を、3社の公式ページで読む
| 確認先 | 何を測ったか(原文) | 条件・注意書き(原文) |
|---|---|---|
| ソフト99「ルームピア ウォッシュミスト」(車内の衛生対策ページ) | 「『ルームピア ウォッシュミスト』を用いたエンベロープ型ウイルス※の不活化試験を以下のとおり実施し、ウイルスが99.99%減少することを確認しました。」 | 「試験ウイルス:エンベロープ型ウイルス 1種」「宿主細胞:MDCK細胞(イヌ腎臓由来細胞株)」「反応条件:25℃、5分間」「感染価測定法:プラーク法」「※すべてのウイルスに効果があるわけではありません。」「※すべての菌を除菌するわけではありません」 |
| カーメイト「ドクターデオ」(ブランドページ。結果の数字はグラフの画像で、文字としては読み取れていません) | 「ドクターデオ スプレータイプ(品番:D326)に大腸菌または黄色ブドウ球菌の菌液を混合し、試験液とした。室温で保存し、5分後の試験液を用いて生菌数の測定をした。」「ドクターデオ スプレータイプ(品番:D326)にインフルエンザウイルス浮遊液を混合し、試験液とした。室温で保存し、15分後の試験液を用いてウイルス感染価の測定をした。」 | 「※すべての菌・ウイルスに効果があるわけではありません。」 |
| エステー「クルマの消臭力 新車復活 ウイルス除去プラス」(2021年1月13日のニュースリリース) | 「シートやフロアマットなどの布製品を除菌し、99.9%のウイルスを除去する無香性タイプとなっています(※③,④)。」 | 「(※③)すべての菌・ウイルスを除去するわけではありません。」「(※④)空間の除菌・ウイルス除去はできません。」「ウイルス除去の効果は、一般財団法人 北里環境科学センターで試験済みです(「北環発2015_0009号」 「北環発2015_0091号」)。」 |
カーメイトの表示は、製品と菌液・ウイルス浮遊液を混ぜた試験液で測る方法で、車のシートや空気中に使った場合の試験とは書かれていません。ページのグラフの画像(目で読んだもので、文字列の照合はしていません)には「99%以上」とあり、試験の品番はD326で、今回取り上げたD235・D263ではありません。画像には、試験成績書の発行が2011年7月(菌)と2009年12月(ウイルス)、試験依頼先が一般財団法人日本食品分析センターと書かれています。
ソフト99の99.99%の試験は「ルームピア ウォッシュミスト」、下の「車内での使い方」のソフト99の引用は、別の製品「ルームピア ウォッシュミスト プラス」のページです。ソフト99の数字は、菌ではなくウイルスの感染力価が99.99%「減少」した、という書き方です。エステーの現行の製品ページ(2026年11月7日に確認)には、「99」の文字列はなく、「●シートやフロアマットなどの布製品の除菌、ウイルス除去※ができます。」「※空間の除菌・ウイルス除去はできません。全ての菌・ウイルスを除去するわけではありません。」「しっとりするほどスプレーして乾かす。(薬剤のかかった範囲に効果があります)」とあります。同じ「99.9%」でも、(1)対象が菌かウイルスか、(2)何の種類を、何種類で測ったか、(3)時間(5分・15分・24時間)、(4)液と混ぜた試験か、表面か、空間か、(5)分母が試験開始時の量か無処理区か、で意味が変わります。
比べるための物差しとして、抗菌のJIS Z 2801を、転載サイト(kikakurui.com。ページの題名は2012年版、本文の見出しは「Z 2801:2010」)で読みました(日本規格協会の公式の本文は、メンテナンス中で読めていません)。同規格は「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態。」を抗菌とし、「この規格の試験方法によって得られる抗菌活性値が2.0以上のとき,抗菌加工製品は抗菌効果があるものと判断する。」と書き、試験は「温度35±1 ℃,相対湿度90 %以上で24±1時間培養する」条件で、対象は「繊維製品及び光触媒抗菌加工製品を除く,プラスチック製品,金属製品,セラミックス製品など抗菌加工を施した製品(中間製品を含む。)の表面における細菌」です。「なお,防かび,防臭,生物劣化などの抗菌効果の副次的効果は,この規格に含めない。」ともあります。適用範囲は表面における細菌とあり、ウイルスや空気中の菌には触れていません。
布製品などに付着したものと、空間に浮遊するものを分けて書いた表示
エステーは、上のとおり「空間の除菌・ウイルス除去はできません」と書いています。消費者庁の措置命令が問題にした表示は、「空間除菌」「室内空間に浮遊するウイルス又は菌」に関するものです。付着したものへの表示が、法令の上でどう扱われるかは、この記事の原文の範囲では分かりません。
- 消費者庁(2024年1月31日、興和など4社の措置命令)の事実の記載:「室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果が得られるかのように示す表示をしていた。」商品パッケージの表示の例:「空間除菌 ウイルス除去 除菌」
- 消費者庁(2021年12月17日)の措置命令の対象のパッケージの表示の例:「室内空間の菌・ウイルス・悪臭を除去!」
- 厚生労働省の特設ページ:「なお、人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません。」
車内・車用に関わる、消費者庁の処分(原文)
景品表示法の第5条第1号は、「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、」の表示を禁じています(優良誤認。引用は条文の一部で、この後も条文は続きます。条文には、これに「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」という要件が付いています)。第7条第2項は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができるとし、資料が提出されないときは優良誤認とみなす、と定めています(措置命令の関係。課徴金納付命令の関係は、第8条第3項に同趣旨の定め(「推定する」)があります。消費者庁の参考資料の図による)。消費者庁が公表した処分のうち、「車内」「車室内」の文言があるものは次の2件です(確認した範囲)。このほか、使用場所の例に「車の中」を挙げた表示が、2023年4月11日の大幸薬品の課徴金納付命令の対象商品(クレベリン ミニスプレーの商品パッケージ)にあり、2021年12月17日の措置命令の対象の一つ(オキサイダー 携帯用の商品パッケージ)には、「運転時」の表示と車に乗る2人のイラストがあります。
| 公表日・対象 | 表示の例(原文) | 判断(原文) |
|---|---|---|
| 2021年6月15日 株式会社サプリメント・ワールド「エクステアライズゲル」ほか(容器に「車内・室内用」の表示) | 容器:「「車内・室内用」及び「新型ウイルス対応・空間除菌」、「アルコールの10万倍の除菌力」、「用 途」及び「ウイルス除去、空間除菌」並びに「成 分」及び「ClO₂(二酸化塩素)」と表示することにより、」…「新型ウイルスを除去する効果及び空間に浮遊する菌を除菌する効果が得られるかのように示す表示をしていた。」(同じ命令のリーフレットの表示については、「…あらゆる細菌又はウイルスを除菌又は除去する効果及び臭いを完全に消臭する効果が得られるかのように示す表示をしていた。」とも書かれています) | 「しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。」 |
| 2024年3月19日 「車両用クレベリン」の役務を提供した事業者10社(車室内に専用の機器を設置して二酸化塩素ガスを届ける役務) | 「車室内において約3か月有効な除菌効果等が得られるかのように示す表示をしていた。」(表示の例:「二酸化塩素のチカラでウイルスや菌を99%除去!!」) | 「当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。」 |
📌 この記事の読み方
この記事は、掲載した製品の表示が景品表示法・薬機法に適合するかどうかを判断するものではありません。処分は、その事業者のその表示についての判断です。確認した原文では、消臭の効果は、除菌・ウイルス除去の効果と並べて示された表示(2021年6月15日のリーフレットなど)の中で扱われています。「消臭」だけの表示について個別に判断した命令かどうかは、確認した範囲では分かりません。ほかにも、空間除菌の表示の措置命令・課徴金納付命令(大幸薬品の「クレベリン」置き型、レックの「ノロウィルバルサン」など)がありますが、車の表示ではないので、この記事では詳しくは載せません。
注意書きがあっても、打ち消せないと判断された例
- レック(2023年11月22日、課徴金納付命令):表示「クロラス酸で空間除菌 目に見えないウイルス・菌を99.9%除去」と、注意書き「※すべてのウイルス・菌を除去できるわけではありません」。判断は「当該表示は、一般消費者が前記ウの表示から受ける本件商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。」で、「レックは、令和6年6月24日までに、669万円を支払わなければならない。」
- 大幸薬品(2022年4月15日、措置命令):注意書き「◎ウイルス・菌・カビ・ニオイのすべてを除去できるものではありません。」と「※当社試験 閉鎖空間で二酸化塩素により特定の『浮遊ウイルス・浮遊菌』の除去を確認。」。判断は「当該表示は、一般消費者が前記アの表示から受ける本件2商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。」
- サプリメント・ワールド(2021年6月15日、本件商品③「エクステアライズプラス」のリーフレットの表示):注意書き「※閉鎖試験による試験結果です。全てのウイルスや菌、カビや害虫に効果があるわけではありません。ご使用環境や季節により成分の広がりや使用期間は異なります。」。判断は「当該表示は、一般消費者が前記ア(ウ)c(b)の表示から受ける本件商品③の効果に関する認識を打ち消すものではない。」
消費者庁の打消し表示に関する留意点(実態調査報告書のまとめ、2018年6月7日)は、考え方をこう書いています:「強調表示と打消し表示との関係は、強調表示の訴求している内容が商品・サービスの実際を反映していることが原則であり、打消し表示は、強調表示だけでは一般消費者が認識できない例外条件、制約条件等がある場合に例外的に使用されるべきものである。」「成分について試験を行った結果に基づく表示を行う際は、試験の内容や条件等を分かりやすく表示し、当該成分の効果、性能等ではなく実際の商品の効果、性能等を一般消費者が正しく理解できるようにする必要がある。」
上の3件は、いずれも「空間」「浮遊」「車内・室内」の効果を示す表示が対象で、それぞれの事業者・表示についての判断です。ソフト99・カーメイト・エステーの表示が、同じ判断を受けるかは、この記事の原文の範囲では分かりません(この記事は、それらの表示が法令に適合するかを判断するものではありません)。
「消臭」の名前の分け方と、測り方
大阪府のページは、関係団体の自主基準を次のように紹介しています:「空間に芳香を付与するものを芳香剤、臭気を化学的、生物的作用等で除去又は緩和するものを消臭剤、臭気を物理的作用で除去又は緩和するものを脱臭剤、臭気を他の香り等でマスキング(包み隠す)するものを防臭剤と関係団体の自主基準で定義付けをしています。」
消臭の評価方法は、大阪産業技術研究所(ORIST)の技術シート(No.14001、2014年5月7日発行)が整理しています。「サンプリングバッグを用いる静置法が広く用いられています」とあり、「このサンプリングバッグを20℃で静置し、所定時間後、サンプリングバッグ内のニオイ物質のガス濃度をガス検知管やガスクロマトグラフにより測定します」。同シートの表1の整理では、A法は繊維評価技術協議会のSEKマーク繊維製品認証基準(5Lバッグ・布状試料・ニオイ物質10種類・測定は2時間後)、B法は芳香・消臭・脱臭剤協議会の自主基準(原則10Lバッグ・使用状態の製品1個・ニオイ物質38種類・電動ファンあり・最長24時間まで測定)です。A法は「2 時間後のニオイ物質濃度の減少率」を求め、B法の判定は「実使用でも消臭・脱臭性能が期待できる判定基準として、10 時間以内の値を示すことが規定されています。」(初発濃度が1/10になるまでの時間τ0.1)と書かれています。同じ標準綿布・アンモニアの条件でA法の条件をB法に適用して比べた事例では、「B 法の方がより高い消臭率となることがわかりました」とあり、その原因は「これは、B 法では、電動ファンによる空気撹拌のために、単位面積あたりの試料とニオイ物質との衝突頻度が、A 法よりもB 法の方が高かったことが原因であると推測されます。」と書かれています。つまり、「消臭率◯%」は、どの規格の、どのニオイ物質を、何時間後に測ったかで、別の数字になります。
車用の公式ページの書き方の例として、プロスタッフは「香りでごまかさないから香り付き消臭剤が苦手な方でも」、カーメイトは「香りでごまかさない分解消臭」と書いています(カーメイトは「※成分の広がりや効果・持続性は使用環境によって異なります。」とも書いています)。
車内での使い方:各社の公式ページの条件
- カーメイト「ドクターデオプレミアム スチームタイプ 循環 大型 無香」(D235。名称「自動車用加熱蒸散型除菌消臭剤」、成分「除菌消臭剤(安定化二酸化塩素)、生石灰、蒸留水」):「ペット、飲食物、ティッシュペーパ-等を車外に出し、窓が全て閉まっていることを確認する。」「エンジンとエアコンを回したままドアを閉めて、約10分間放置する。(使用中の車内には立ち入らない。)」「エンジンとエアコンを回したまま窓やドアを開け3分間以上換気する。」「消臭スチームを大量に吸うと害があるので、使用中は車内に立ち入らない。」「原材料の性質上、高温(40℃以上)・低温(凍結)・高湿度になる場所を避けて保管する。本来の性能が発揮できなくなる可能性があります。」
- エステー(スプレー):「●保管の際は、直射日光の当たる場所、高温になる所に置かない。」「●故障や変色の恐れがあるので、布製品以外の内装(電気製品、革、人工皮革、プラスチック等)にかけないように注意する。」「●走行中は使用しない。」「●吸入飲用不可:人体に害があるので絶対に飲まない。」「●人体に向かってスプレーしない。」
- ソフト99「ルームピア ウォッシュミスト プラス」:「●直射日光の当たる所や温度が40℃以上になる所、凍結する所を避けて、正立で保管する。」「●換気の良い状態で使用する。」「●皮フの弱い人はかぶれる恐れがあるので保護手袋を着用する。」「※チャイルドシートへの使用後は水拭きしてください。」
JAFのユーザーテストは、真夏の車内の温度を測っています(2012年8月22・23日、埼玉県戸田市、晴れ、気温35度、ミニバン5台)。「対策なし(黒)」の車は車内最高57℃、ダッシュボード最高79℃でした。年・車種・条件が違えば数字は変わります。次の文は、車内に置いた物(スプレー缶やライターなど)の結果についての記述で、消臭剤の試験ではありません。JAFは「スプレー缶やライターは、今回破裂したり、引火することはなかったが」と書いています(各社の消臭剤が可燃性かどうかは、この記事では確認していません)。
読み違えやすい点:資料の文面との対応
| 見るところ | 資料が書いていること |
|---|---|
| 99.9%などの数字の条件 | ソフト99は試験ウイルス1種・25℃・5分間(99.99%)、カーメイトは菌液・ウイルス浮遊液と混ぜた試験液(5分後・15分後、「99%以上」)、エステーは布製品(2021年のニュースで99.9%)。3社とも、すべての菌・ウイルスに効果があるわけではない、という趣旨の注意書きがページにある |
| 「除菌」と「消毒」の違い | 厚生労働省などの特設ページは、「消毒」は医薬品・医薬部外品の製品に記され、「除菌」は菌やウイルスの数を減らすこと、と分けている |
| 注意書きと強調表示 | 消費者庁は、レック・大幸薬品・サプリメント・ワールドの例で、その注意書きは、強調表示から受ける効果の認識を打ち消すものではないと判断した(それぞれの事業者・表示についての判断で、対象は空間・浮遊・車内・室内の表示) |
| 「空間」の表示と、付着したものの表示 | エステーは「空間の除菌・ウイルス除去はできません」と書いている。厚生労働省の特設ページ(コロナ対策)は、人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧することは推奨されていないと書いている |
| 「消臭」の定義と測り方 | 業界の自主基準の定義では、消臭剤は臭気を化学的・生物的作用等で除去・緩和するもの、防臭剤は他の香り等で覆うもの。消臭率は、測り方(バッグの大きさ、ニオイ物質、時間)で別の数字になる |
| 使用後の消毒臭の説明と、使用中の注意 | カーメイトD235のページには、「製品使用後に消毒臭が多少残っている場合がありますが、人体に影響はありません。」(使用後に残る消毒臭について)と、「消臭スチームを大量に吸うと害があるので、使用中は車内に立ち入らない。」(使用中について)が、別の項目として書かれている(ページの記載であり、この記事は安全性を評価していません)。使い方の工程(車外へ出す・約10分放置・3分以上換気)も書かれている |
今回、確認できなかったこと
- 消費者庁の「携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導について」の本文。首掛け型の処分の原文も取っていません(車用から遠いため)。
- JIS Z 2801・JIS Z 2811の日本規格協会の公式の本文。Z 2801は転載サイトのZ 2801:2010で読み、現行版との差は確認していません。Z 2811は読めていません。
- 消臭の自主基準(芳香・消臭・脱臭剤協議会)、SEKマークの基準の原文。ORISTの技術シートと大阪府のページ経由です。
- 各社の試験成績書の数値と詳しい条件(カーメイトは結果がグラフの画像、エステーの「北環発」の報告書本文、ソフト99のKISTEC試験の条件)。
- ソフト99のQ&A(本革・チャイルドシートなどへの使用可否)。ページが開閉式で、答えを読めていません。
- P&Gの車用ファブリーズの製品ページ(ニュースリリースのみ)、大幸薬品の現行の公式ページ、シュアラスター・エーモンの公式ページ。
- 消費者庁・NITEの事故情報データベースで、車内での二酸化塩素のガス製品の事故を直接検索していません。「事故がない」とは書けません。
- 車用の消臭・除菌剤が、薬機法のどの区分にあたるかの法的な当てはめ。厚生労働省の医薬品等適正広告基準が、これらの製品に直接及ぶかも確認していません。
- エステーの成分欄が、2021年のニュース(除菌剤)と現行ページ(抗菌剤)で違う理由。
出典(確認日: 2026年11月7日)
- 厚生労働省・経済産業省・消費者庁「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」、薬機法(e-Gov法令検索)、国民生活センター(2020年5月15日)
- NITE(2020年6月26日の取りまとめ)、医薬部外品の範囲を定める告示、抗菌製品技術協議会(SIAA)の規定、SIAA「抗菌とは」、JIS Z 2801(転載)
- 消費者庁の公表資料: 2021年6月15日、2021年12月17日、2022年4月15日、2023年4月11日、2023年11月22日、2024年1月31日、2024年1月31日(参考資料)、2024年3月19日、打消し表示に関する留意点(2018年6月7日)
- ソフト99 ルームピア ウォッシュミスト、ウォッシュミスト プラス、カーメイト ドクターデオ、D235、D263、エステー 新車復活(現行ページ)、同(2021年のニュース)、プロスタッフ C-60
- 大阪府(芳香・消臭・脱臭・防臭剤)、大阪産業技術研究所 技術シートNo.14001、JAFユーザーテスト(夏の車内温度)
この記事は、公的な資料と公式の表示の整理で、製品の効果や安全性を評価するものではなく、表示が景品表示法・薬機法に適合するかも判断していません。広告・アフィリエイトのリンクは含まれません。
アイキャッチ画像: “ZAZ-1103 Slavuta front seats and dashboard interior view.jpg” by Natalka Ukraine (Wikimedia Commons, CC BY 4.0。今回取り上げた製品とは関係のない、旧型の乗用車の車内のイメージ写真です)


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