チャイルドシートの国の衝突試験は何を測っている?2015〜2025年度の64件で分かること【2026年11月】

チャイルドシート(イメージ写真)

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国のチャイルドシートアセスメントは、時速55kmの前面衝突でダミーの頭と胸にかかる力を測る試験です。「推奨せず」は使用不可ではなく、固定方式で等級が変わった製品もありました。

国土交通省とNASVA(自動車事故対策機構)は、毎年、市販のチャイルドシートの衝突試験を行って結果を公表しています。メーカーの宣伝ではなく、国の試験です。ただし、見方を知らないと「優」「良」の違いも「推奨せず」の意味も読み取れません。NASVAが公表している全結果の一覧表(Excel)と、評価方法のページ、2026年3月31日の2025年度の公表資料を読み(2026年11月2日確認)、2015〜2025年度の64件を集計し直しました。順位や「おすすめ」は付けず、公式の結果をそのまま整理しています。

  • 等級は4つの項目の「◎」の数で決まり、点数は付きません。1つでも「×」があると「推奨せず」で、公式は「使用不可という意味ではありません」と書いています。
  • 2015〜2025年度の64件のうち、幼児用の評価で「推奨せず」は10件。9件がベルト固定で、ISO-FIX固定は1件でした。同じ製品を両方の方式で試験した幼児用の4組では、等級はいずれもISO-FIX固定がベルト固定以上でした(乳児用の3組は同じ等級)。
  • 幼児用の「良」24件のうち16件は、頭部の加速度が◎の基準(637m/s²)を超えた「〇」(642〜797m/s²)が1つ入っているためです。頭部加速度には×の段階がなく、〇は上限のない範囲です。
  • この試験は前面衝突と使い勝手の評価で、側面衝突はまだ行われていません(2026年度から導入すると公式に書かれています)。ジュニアシート(学童用)は対象外です。

試験の中身:何を、どの基準で測るのか

試験は、台車に取り付けた試験用シートに、ダミー(子どもの人形)を乗せたチャイルドシートを固定し、台車を速度変化が時速55km(国の安全基準の速度の1割増)になるように打ち出して、自動車が前面衝突したのと同じ衝撃を作ります。NASVAは「試験では一般の量販店で普通に購入してきたチャイルドシートを使用しています」と書いています。使うダミーは、乳児用と幼児用でそれぞれ専用のもので、幼児用は2018年度からQ3ダミー(それ以前は3歳児のダミー)です。

測るのは、ダミーの頭と胸にかかる力(合成加速度)、頭が前へ動いた量、チャイルドシートの取付部などの破損です。結果は、項目ごとに「◎・〇・×」で判定されます。幼児用と乳児用(後ろ向き)の判定基準は、次のとおりです(NASVAの評価方法のページ)。

区分 項目 ◎ 〇 ×
全区分 取付部等の破損 破損なし 軽微な破損(亀裂等)があるが、拘束は保持 強度を保持している部分が破損し、本来の構造をとどめていない
乳児用(後ろ向き) 胸部の合成加速度 490m/s²(50G)以下 490m/s²超 (この段階なし)
乳児用(後ろ向き) シートバックの傾き 55°以下 55°超〜63° 63°超
乳児用(後ろ向き) 頭部のはみ出し なし 73mm以内 73mm超
幼児用 頭部の移動量 525mm以下 525mm超〜600mm 600mm超
幼児用 頭部の合成加速度 637m/s²(65G)以下 637m/s²超 (この段階なし)
幼児用 胸部の合成加速度 588m/s²(60G)以下 588m/s²超 (この段階なし)

このほか、「バックルが外れた」「本体が座席ベルトから放出した」「ハーネスが腹部を強く圧迫するおそれ(腹部圧力115kPa超、2018年度から)」といった「その他の事象」があれば×になります。乳児用ベッド型は、底面の傾きと頭部移動量などで判定されます。

等級(優・良・普通・推奨せず)のルール(NASVA原文の要点)

  • 優:◎が4つ(×が1つでもある場合は除く)
  • 良:◎が3つ、〇が1つ(×が1つでもある場合は除く)
  • 普通:「優」「良」「推奨せず」に該当しない場合
  • 推奨せず:評価項目の中で1つでも×があった場合

公式の注記:「『推奨せず』は、より高い安全性能を評価する本試験の観点からは、推奨するに至らないことを表しており、使用不可という意味ではありません。試験対象とした製品は、全て安全基準に適合しており一定レベルの安全性は確保されています」。

等級に総合点数はありません。公式のパンフレットの「総合評価」欄は、前面衝突の等級と、使い勝手の点数(25点満点)を並べているだけです。使い勝手の評価(使用性評価試験)は、取扱説明書、本体表示、本体の構造、車への装着性、着座のさせやすさの5項目を、各5点で採点します(2015年度に方法が変わったため、2014年度までとは単純に比べられません)。

2025年度の5機種(2026年3月31日公表)

国土交通省とNASVAは、2026年3月31日に、2025年度の5機種の結果を公表しました。NASVAの一覧表の数値を、そのまま表にします。前面衝突の等級と内訳は、「乳児用 / 幼児用」の順です。

機種(メーカー、適合基準) 固定方式・区分 前面衝突の等級 内訳(実測値) 使い勝手(25点満点)
クルリラ エックス プラス AB(アップリカ、R129) ISO-FIX・乳児用/幼児用兼用 優 / 良 乳児:胸部424.6。幼児:頭部移動量489mm、頭部加速度666.4(〇)、胸部393 24 / 23
クルリラ ビッテ エックス プラス AB(アップリカ、R129) ISO-FIX・兼用 優 / 良 乳児:胸部401.5。幼児:頭部移動量494mm、頭部加速度682.3(〇)、胸部385 24 / 23
クルムーヴ ロング(コンビ、R129) ISO-FIX・兼用 良 / 良 乳児:胸部509.3(〇)。幼児:頭部移動量489mm、頭部加速度797.1(〇)、胸部435 18 / 17
Joie ステディ R129(カトージ、R129) ベルト固定・兼用 良 / 推奨せず 乳児:シートバックの傾き61°(〇)。幼児:頭部移動量616mm(×)、取付部等の破損は軽微(〇)、頭部加速度532.8、胸部396.3 20 / 19
パラス G2(サイベックス、R129) ISO-FIX・幼児専用 ― / 良 幼児:頭部移動量559mm(〇)、頭部加速度633.8、胸部322.4 ― / 18
  • 「優」は5機種のうち、乳児用で2機種(クルリラ2機種)だけでした。幼児用は「良」が4機種、「推奨せず」が1機種で、幼児用の「優」はありません。
  • 幼児用の「良」の理由は、機種ごとに違います。クルリラの2機種とクルムーヴ ロングは頭部の加速度が637m/s²を超えた〇、パラス G2は頭部の移動量が525mmを超えた〇です。
  • ステディ R129の「推奨せず」は、頭部移動量が616mmで、600mmの境目を超えたためです(取付部等の破損は軽微な〇、頭部・胸部の加速度は◎)。
  • 使い勝手の点数は、24点のクルリラと17〜18点のクルムーヴ ロング・パラス G2で差が出ています。衝突試験の等級とは別の評価です。

2015〜2025年度の64件を集計する

NASVAの一覧表から、使い勝手の評価方法が同じ2015年度以降(2025年度まで、11年分)の結果を数えました。同じ製品でも、ISO-FIX固定とベルト固定を別々に試験した場合は、別の1件として数えています。乳児用の評価がある製品は41件、幼児用の評価がある製品は58件(兼用は両方)です。

前面衝突の等級 乳児用(件) 幼児用(件)
優 24 7
良 13 24
普通 3 17
推奨せず 1 10
合計 41 58

乳児用は「優」が半分以上(24/41)ですが、幼児用は「優」が7/58にとどまります。乳児用(後ろ向き)も幼児用も、4項目がすべて◎でないと「優」になりません。幼児用で「優」が少ない理由は、次の「良」の内訳から読み取れます。

「良」の中身:◎が1つ足りない内訳

幼児用の「良」24件のうち、◎でなかった1項目は、次のとおりでした。

◎でなかった項目(〇) 件数
頭部の合成加速度(637m/s²超) 16
頭部の移動量(525mm超〜600mm) 6
取付部等の破損(軽微) 2

つまり「良」は、4項目のうち3つが◎で、1つが〇だったという意味です。〇の中身は一様ではありません。頭部加速度の16件は642.3〜797.1m/s²と幅があり(◎の上限は637m/s²)、2025年度は、クルリラ2機種が666.4と682.3、クルムーヴ ロングが797.1でした。

「推奨せず」の中身:幼児用10件の内訳

幼児用で「推奨せず」になった10件の×の項目は、次のとおりです(1件に複数の×がある場合があります)。

×になった項目 件数
頭部の移動量(600mm超) 7
取付部等の破損(本来の構造をとどめない破損) 3(うち1件は頭部移動量も×)
その他の事象 1

10件のうち、ISO-FIX固定は1件(2023年度のターンレジェネクストST。取付部の破損が×)、残る9件がベルト固定でした。乳児用の「推奨せず」は、2016年度のベルト固定の1件です。「使用不可ではない」とされていても、×の項目には意味があります。幼児用の×の項目について、NASVAは、頭部の移動量は、衝突のときに頭部が前方に移動しすぎると前席に衝突して傷害を受ける危険があるため、取付部等の破損は、「強度を保持している部分の破損であって、本来の構造をとどめていない場合」が×、「その他の事象」は、バックルが解離した、本体が座席ベルトから放出した、ハーネスが腹部を圧迫して傷害を与えるおそれがあった、といった場合が×と説明しています(乳児用の「頭部のはみ出し」は、頚部に負担がかかるおそれがあるという別の項目です)。

同じ製品でも、固定方式で等級が変わった

NASVAの結果一覧には、ISO-FIXでもシートベルトでも固定できる製品が、固定方式ごとの別の行で載っているものがあります。同じ製品を両方の方式で試験した6組の結果は、次のとおりです。

年度・製品 区分 ISO-FIX固定 ベルト固定 公式の内訳(ベルト固定側)
2015年度 クルリラ(アップリカ) 乳児用 / 幼児用 良 / 良 良 / 普通 (幼児用の「普通」)
2020年度 ハーネスジュニアFIX-BR(シーエー産商) 幼児用 普通 推奨せず ダミーの胸部が大きく変形、腹部を圧迫するおそれ(NASVAの注記)
2020年度 ジェム(カトージ) 乳児用 優 優 ―
2021年度 J1 Duo(アルツァーナジャパン) 幼児用 良 推奨せず 頭部移動量617mm(×)
2021年度 ハーネスジュニアISOFIX(シーエー産商) 幼児用 良 推奨せず 取付部等の破損(×)
2024年度 アイ・スナグ2(カトージ) 乳児用 優 優 ―

幼児用で両方の方式を試験した4組(クルリラ、ハーネスジュニアFIX-BR、J1 Duo、ハーネスジュニアISOFIX)では、いずれも、ISO-FIX固定がベルト固定以上の等級でした(3組は「推奨せず」との差)。乳児用で両方の方式を試験した3組(クルリラ、ジェム、アイ・スナグ2)は、同じ等級でした(優2、良1)。これは試験された組の結果で、固定方式の優劣を一般論として言い切るものではありません。ただ、同じ製品、同じ年度の同じ試験で、固定方式だけが違うのに等級が変わった例があることは、製品の等級は、固定方式まで含めて読む必要があることを示しています。NASVAのパンフレットは、「より安全なISO-FIX固定方式のチャイルドシートを使用しましょう」と見出しに掲げ、ISO-FIX固定は取付けが簡単でミスユースが少ないとされる、と説明しています(パンフレットp.18)。この記事の集計は、その理由を検証するものではありません。

全体でも、同じ傾向が出ています。2015〜2025年度の幼児用の評価を、固定方式の表記で分けると、次のとおりです(製品も年度も違うため、固定方式だけが原因とは言えません)。

幼児用の評価 優 良 普通 推奨せず 合計
ISO-FIX固定 7 21 4 1 33
ベルト固定 0 3 13 9 25

なお、この集計は、NASVAの一覧表の等級に従っています。2020年度のハーネスジュニアFIX-BR[ISO-FIX固定]は、一覧表で「その他の事象」が×と記載されているのに等級が「普通」で(ルール上は「推奨せず」)、個別ページで確認できていません。仮に「推奨せず」なら、ISO-FIX固定の幼児用の「推奨せず」は1件でなく2件になります。

ベルト固定で試験された幼児用25件には、「優」が1件もありません。ただし、試験の時期と適合基準が違います。ベルト固定の25件のうち23件は旧基準のR44(2015〜2017年度が13件、2021年度が5件)で、ISO-FIX固定の33件は、R129が21件、R44が12件です。ベルト固定には、ハーネス式のほか、幼児・学童兼用のブースター型も混ざっており、製品の種類も同じではありません。参考に、R44どうしで比べると、ISO-FIX固定12件は優3・良5・普通4・推奨せず0、ベルト固定23件は良3・普通13・推奨せず7でした(当サイトの集計)。この表だけで、固定方式の優劣を言い切ることはできません。

この試験が示さないこと

  • 側面衝突は、現行の試験に含まれていません。国の安全基準R129は側面衝突の試験を含みますが、アセスメントは前面衝突のみです。NASVAのパンフレット(2026年3月版)には、「2026年度に実施するチャイルドシートの評価試験から、Jncapでも側面衝突試験を導入します」と書かれています。国土交通省の令和8年度のチャイルドシートの試験方法・評価方法に関する検討資料の案では、前面と側面の総合評価で、◎が9つで「優」、6〜8つで「良」、3〜5つで「普通」、2つ以下で「推奨せず」とし、×がある場合は、◎の数から×1つにつき2つを減らす方向です(案であり、確定した内容ではありません)。
  • ジュニアシート(学童用)は、現行の試験では評価の対象外です。公式は、車両のシートベルトの性能が大きく影響するためとしています。兼用タイプは、幼児用の機能だけが評価されます。「対象外」は「評価していない」という意味で、使わなくてよいという意味ではありません。国土交通省の令和8年度の検討資料には、幼児・学童兼用の使用性評価を始める案があります。
  • 対象は毎年4〜7機種だけです(2020〜2025年度は7・7・4・6・7・5機種。同じ製品の固定方式違いを別に数えた件数です)。公式は「毎年、出荷台数の多い機種を中心に」評価するとしていますが、選び方の具体的な基準は公表されていません。評価されていない製品が、安全でないという意味ではありません(公式も、そうは書いていません)。
  • 評価された製品は、試験時点のものです。NASVAの検索ページは「2025年3月末時点で出荷中の機種のうち試験を実施した機種を掲載」としており、現行品と仕様が変わっている可能性は、売り場の製品で確認が必要です。
  • 結果は「正しく使った状態」の試験です。公式のパンフレットに、「各項目の評価結果は、チャイルドシートを正しい使用状態で試験を行った結果であり、正しい状態でない場合は本来の機能が発揮されません」とあります。

実際の使い方については、警察庁とJAFの2025年の合同調査(全国99か所、13,104人・9,731台)があります。6歳未満の使用率は82.4%(1歳未満93.2%、1〜4歳84.8%、5歳66.7%)で、不使用の内訳は、車両のシートにそのまま着座7.2%、チャイルドシートにそのまま着座4.1%、大人用シートベルト4.2%、抱っこ2.1%でした。取付け状況の調査(乳児用・幼児用445シート)では、しっかり取付けられていたのは74.8%で、ミスユースが25.2%(最多は腰ベルトの締付け不足)。着座の調査(651人。乳児用・幼児用・学童用を含む)では、ミスユースが44.4%(乳児用41.4%、幼児用57.8%、学童用33.0%)で、乳児用・幼児用の最多はハーネスの締付けの不適正でした。国の試験で「良」でも、取付けや着座が正しくなければ、試験どおりの結果にはなりません。

R44とR129、そして義務の条文

チャイルドシートの国際的な基準は、R44に加えて、側面衝突の試験も含むR129(i-Size)が導入されました。NASVAのパンフレットは、「2023年9月1日以降に作成されたチャイルドシートについてはR129が適用されています」と書き、「安全基準R129に適合したチャイルドシートを選びましょう」と呼びかけています。国土交通省の検討資料には、UN R44の認可機種は2023年9月1日以降は製造できなくなった、とあります。2020〜2025年度の36件のうち、R129は25件、R44は11件です。警察庁とJAFの2025年調査では、調査した651人が使っていたチャイルドシート(学童用を含む)の56.4%がR44、43.6%がR129でした。購入時や、中古品・譲り受けた製品を使うときは、適合基準の表示を確認する必要があります。

6歳未満の子どもにチャイルドシートを使用する義務(道路交通法第71条の3)と、免除される8つの場合は、チャイルドシートの義務を条文で確認した記事で整理しています。

今回、確認できなかったこと

  • 評価機種の選定基準の詳細(出荷台数の数値など)。公式文書に見つかりませんでした。
  • 国土交通省・NASVA自身の使用率・誤使用の調査。上の数字は警察庁とJAFの調査です。
  • 2025年度のパンフレットの個別ページ(p.4〜11)の目視。数値はNASVAのExcelと公表資料で確認しました。
  • R44適合の製品を今後も使用できるかについての、国の一次資料。今回は確認できませんでした。
  • 2020年度のハーネスジュニアFIX-BR[ISO-FIX固定]は、NASVAの一覧表で「その他の事象」が×なのに等級が「普通」と記載されています(ルール上は推奨せず)。個別ページでは確認できておらず、記事は一覧表の等級に従っています。
  • 各製品の現在の販売状況・価格。この記事では扱っていません。

出典(確認日: 2026年11月2日)

  • 国土交通省・NASVA「チャイルドシートアセスメント 2025年度評価結果の公表」(令和8年3月31日)、「チャイルドシート安全比較BOOK」(2026年3月版)
  • NASVA「チャイルドシートアセスメント 2025年度までの試験結果一覧表」(Excel)、「前面衝突試験の試験方法及び評価方法」「使用性評価試験の試験方法及び評価方法」のページ
  • 国土交通省「自動車アセスメント(令和8年度)に関する検討資料」(案の記述は検討段階のもの)
  • 警察庁・JAF「チャイルドシート使用状況全国調査 2025年」
  • 道路交通法第71条の3、同施行令第26条の3の2(e-Gov法令検索)

追記: 警察庁・JAFの2026年調査(最新版)と、法律との関係

この記事の警察庁・JAF調査の数字は2025年の調査です。確認日(2026年11月2日)にJAFのページ「チャイルドシート使用状況調査(2026年調査結果)」(警察庁・JAF合同調査。調査期間2026年5月9日〜5月31日)が公開されていたため、2026年の数字を追記します。

項目 2025年調査(本文の数字) 2026年調査
6歳未満の使用率 82.4%(13,104人) 84.0%(12,914人)
5歳の使用率 66.7% 65.7%
取付けのミスユース(乳児用・幼児用) 25.2%(445シート) 22.4%(434シート)
着座のミスユース(乳児用・幼児用・学童用) 44.4%(651人) 41.3%(651人)
着座調査で使われていた安全基準 R44 56.4%・R129 43.6% R44 40.1%・R129 59.9%

取付けで最も多いミスユースは、2026年調査でも「腰ベルトの締付け不足」です(ミスユースの内訳で、幼児用シート57.5%・乳児用シート47.4%。1台に複数計上される場合があります。調査の「ワンポイントアドバイス」に、乳児用・幼児用ともに一番多いミスユース、とあります)。

道路交通法との関係

道路交通法第71条の3第3項は、自動車の運転者に、幼児(第14条第3項で「六歳未満の者」)を乗せるときは幼児用補助装置を使うことを求めています(疾病などの例外、政令で定めるやむを得ない理由の場合を除く)。ただし第71条の3第2項の括弧書きで、幼児から「適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するもの」が除かれています(「以下この条において同じ」)。幼児用補助装置は、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ幼児の発育の程度に応じた形状を有するものと定義されています。e-Gov法令検索(2026年7月21日施行版)で第71条の3の本文を確認した範囲では、アセスメントの「優」「良」「普通」「推奨せず」にあたる語は見当たりませんでした。

評価される機種の選び方について

評価機種の選び方の細かい基準は、国土交通省の報道資料・ナスバの評価方法ページ・パンフレットに見当たりませんでした(「出荷台数の多い機種を中心に」とのみ)。一方、ナスバの「2025年度までの試験結果一覧表」のシート「2009年度以降の試験結果一覧」には、凡例として「自動車製作者等の申し出による委託試験機種」(黄色塗り)があり、該当するのは2015〜2025年度の64件のうち2023年度の1行(幼児用「推奨せず」の1件)です。「国が選んだ機種だけが評価されている」とは言えない点に注意してください。

集計の数え方の補足

本文の「乳児用の評価がある製品41件」は、乳児用(ベッド以外)の評価がある行の数です(同じ製品の固定方式違いを別の行に数えるため、製品の数は38です)。乳児用(ベッド型)は、2015〜2025年度のうち5製品が別に評価されており(底面の傾きや頭部の移動量などで判定)、この5製品の通常の乳児用の評価は41件に含まれています。

出典(確認日: 2026年11月2日): 警察庁/JAF「2026年チャイルドシート使用状況全国調査」、警察庁/JAF「2025年チャイルドシート使用状況全国調査」、e-Gov法令検索 道路交通法(335AC0000000105)、ナスバ「2025年度までの試験結果一覧表」

この記事は、公的な試験結果の整理です。広告・アフィリエイトのリンクは含まれません。
アイキャッチ画像: “Car seats – Arlington, MA.jpg” (Wikimedia Commons, CC0。今回の試験結果とは関係のない、チャイルドシートのイメージ写真です)

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