運転中のスマホ利用のルールと車内での使い方|罰則・取付位置・充電の注意

スマートフォンは、ナビ、音楽、連絡など、運転の前後に欠かせない道具です。一方で、運転中に手で持って使ったり、画面を注視したりすることは、道路交通法で禁止されています。この記事では、警察庁、国土交通省、NITE(製品評価技術基盤機構)、トヨタ自動車の取扱説明書で確認できた内容から、運転中のスマホ使用のルールと罰則、用途別の考え方、取付位置の注意、車内での充電の注意点を整理しました。アプリや機器の製品名ごとの比較は行っていません。

📋 この記事の要点

✔ 自動車の運転中は、停止しているときを除き、スマートフォン等を通話のために手で保持して使うこと、画面(カーナビ等を含む)の画像を注視することが禁止されている(道路交通法第71条第5号の5)

✔ 「保持」の違反は、6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金、反則金は普通車で18,000円、基礎点数3点。交通の危険を生じさせた場合は1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、基礎点数6点で反則金は適用されない

✔ 令和7年中の携帯電話等使用による死亡・重傷事故は148件。使用なしと比べて死亡事故率は約3.4倍(警察庁)

✔ 警察庁は、どうしても使うときは、必ず安全な場所に停車してから使用するよう案内。運転前にドライブモードに設定するなどの対策も案内

✔ ホルダーやドライブレコーダーの取付位置には、国土交通省の告示や、トヨタ取扱説明書のエアバッグ関連の注意がある。取付位置は取扱説明書などで確認

✔ 車内の充電は、車種ごとの電源の仕様を確認。高温になる車内へのスマホやモバイルバッテリーの放置は避ける(トヨタ取扱説明書、NITE)

1. 運転中のスマホ使用のルールと罰則

警察庁の「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」のページには、道路交通法第71条第5号の5(運転者の遵守事項)の条文が掲載されています。要点は、自動車等を運転する場合、その車が停止しているときを除き、①無線通話装置(手で保持しなければ送受信できないもの)を通話のために使わないこと、②車に取り付けられた、または持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないことです。カーナビゲーション装置の画面の注視も対象になります。

📊 運転中の携帯電話使用等の罰則(警察庁、2026年9月25日確認)

違反の種類 内容 罰則 反則金 基礎点数
携帯電話使用等(保持) 通話(保持)、画像注視(保持)をした 6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金 大型車25,000円、普通車18,000円、二輪車15,000円、原付車12,000円 3点
携帯電話使用等(交通の危険) 通話(保持)、画像注視(保持・非保持)によって、交通の危険を生じさせた 1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 適用なし(反則金の制度の対象外) 6点(大阪府警の案内では免許停止)

※表は横にスクロールできます

📌 補足

罰則の「懲役」は、令和7年6月1日から「拘禁刑」に改められています(大阪府警察の案内)。自動運転車で自動運行装置を適切に使っている場合を除き、走行中は、スマートフォンなどを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりしてはいけないと、警察庁は交通の方法に関する教則を引用して案内しています。

📊 運転中のスマホ使用に関する警察庁の数値(2026年9月25日確認)

項目 警察庁のページで確認できた数値
携帯電話等使用による死亡・重傷事故(令和7年中) 148件。令和3年以降は増加傾向
死亡事故率(使用なしとの比較) 携帯電話等使用の場合、使用なしと比べて約3.4倍(死亡事故率は、交通事故のうち死亡事故の占める割合)
人的要因 携帯電話等使用による死亡・重傷事故の人的要因は、前方不注意が約9割
取締り(令和7年中) 全体で年間約403万件の取締りのうち、運転中の携帯電話使用等は年間約18万件(全体の約4.5%)
自動車が2秒間に進む距離 時速60キロで走行した場合、2秒間で約33.3メートル

⚠️ 「停止しているとき」の扱いを、自己判断しない

条文は「停止しているときを除き」としていますが、警察庁は、運転中にどうしてもスマートフォンなどを使用しなければならないときは、必ず安全な場所に停車してから使用するよう案内しています。信号待ちなどでの扱いは、個別の状況によります。断定せず、画面を見たり操作したりするのは、安全な場所に停車してからにしましょう。

2. 用途別の考え方(ナビ・通話・音楽・動画)

スマホの用途ごとに、警察庁のページで確認できる考え方を整理します。共通するのは、出発前に準備を済ませ、走行中に手や視線を奪われない状態にしておくことです。

📊 用途別の考え方(警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」、2026年9月25日確認)

用途 確認できること(警察庁) 運転前にできること
ナビ(地図・経路案内) 走行中に、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視してはいけない。操作や注視は、安全な場所に停車してから 目的地とルートを、停車中に設定しておく。音声案内を使う場合も、画面の注視はしない
通話 手で保持して通話することは、停止しているときを除き禁止。警察庁は、運転しながらのスマホ等の注視・通話を、画面に意識が集中して周囲の危険を発見できなくなる極めて危険な行為としている 運転前に電源を切る、またはドライブモードに設定して呼出音が鳴らないようにする(教則)。条文の通話の禁止は、手で保持しなければ送受信できない装置に限られている。手で保持しない通話(ハンズフリー)についても、警察庁のページは、運転しながらの通話の危険性を指摘している
音楽・ラジオ 走行中の操作・画面の注視は禁止の対象。画面の注視の禁止は、車載装置か持ち込みかを問わない 曲や番組は、出発前に選んでおく。操作は停車してから
動画 運転者は、走行中に画像表示用装置に表示された画像を注視してはいけない 運転中に運転者が視聴することはできない(同乗者向けの使い方は、この記事では取り扱わない)
メッセージ・SNS 画面の注視・保持での使用は禁止の対象 出発前に返信を済ませる。急ぎの連絡は、安全な場所に停車してから

📌 補足

条文には、「傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うもの」を、通話の禁止から除く記載があります。ただし、この例外に該当するかどうかは、個別の状況によって異なります。

3. ホルダー・ドライブレコーダー代用の取付位置

スマートフォンをホルダーで固定したり、ドライブレコーダーの代わりに使ったりする場合は、取付位置に注意が必要です。確認できた公的な情報と、メーカーの取扱説明書の記載を整理します。

📊 取付位置に関する確認事項(2026年9月25日確認)

取付場所 確認できたこと 出典
フロントガラス(窓ガラス)への貼り付け・装着 国土交通省の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第39条は、窓ガラスへの装着・貼り付けの例外を定めている。その中で、ドライブレコーダーの前方用カメラなどは、前面ガラスの上縁(ガラス開口部の実長の20%以内)、または下縁から150mm以内の範囲に貼り付けた場合を、別に扱っている 国土交通省 告示第39条(2025年6月17日版)
フロントガラス・ドアガラスなど トヨタ ハリアーの取扱説明書は、SRSエアバッグの警告として、「ドア・フロントウインドウガラス・ドアガラス・フロントピラー・リヤピラー・ルーフサイドレール・アシストグリップなどには何も取り付けない」と記載(速度制限ラベルを除く) トヨタ ハリアー取扱説明書(SRSエアバッグ)
ダッシュボード・ハンドルのパッド・インストルメントパネル下部 同じ取扱説明書は、「ダッシュボード・ハンドルのパッド部分・インストルメントパネル下部などには何も取り付けたり、置いたりしない」と記載。エアバッグ関連の注意として、重大な傷害におよぶおそれがあると警告 トヨタ ハリアー取扱説明書(SRSエアバッグ)
手で持つ 走行中に手で保持しての通話・画像注視は禁止 警察庁
エアコン吹出口・コンソールなど 公的な資料では、可否を確認できなかった –

⚠️ 取付位置は、車種の取扱説明書で確認

トヨタのハリアーの取扱説明書は、ダッシュボード上などに物を取り付けたり置いたりしないよう警告しています。メーカーや車種によって記載は異なる可能性があるため、お持ちの車の取扱説明書のエアバッグの項目と、販売店・整備工場の案内を確認してください。ガラスへの取付位置の適否は、告示の条文が複雑なため、運輸支局や整備工場への相談をおすすめします。

📌 補足

スマートフォンのアプリをドライブレコーダーの代わりに使うことの可否・性能については、公的な資料では確認できませんでした。専用のドライブレコーダーを取り付ける場合の位置も、上の告示や車種ごとの取扱説明書を確認しましょう。

4. 車内での充電・電源と、高温への注意

長時間の運転では、スマホの充電も必要になります。ここでは、トヨタ自動車の取扱説明書(アクア)とNITE(製品評価技術基盤機構)で確認できた内容を紹介します。車種によって仕様は異なるため、お持ちの車の取扱説明書をご確認ください。

📊 車内での充電・電源に関する注意(2026年9月25日確認)

項目 取扱説明書・NITEの記載 出典
アクセサリーソケット DC12V/10A(消費電力120W)未満の電気製品を使用するときの電源として使う。120W以上の電気製品を使用しない(ヒューズが切れるのを防ぐため)。使用しないときは、異物や飲料がかからないようフタを閉める トヨタ アクア取扱書
充電用USB端子 DC5V/3.0A(消費電力15W)の電源として使う。充電専用でデータ転送はできない。使用する機器によっては、正常に充電できない場合がある。炎天下に駐車したあとなど、車室内の温度が高いときは、正常に働かないおそれがある トヨタ アクア取扱書
ハイブリッドシステム停止時 モバイルバッテリーなど、充電機能を備えた電気製品は、ハイブリッドシステムを停止するときにはずす。接続したままだと、システムが正常に停止しなくなる場合がある。停止した状態で、ソケットやUSB端子を長時間使用しない(補機バッテリーあがりを防ぐため) トヨタ アクア取扱書
機器の放置 機器を車室内に放置しない。車室内が高温となり、故障の原因となる トヨタ アクア取扱書
リチウムイオン電池搭載製品 高温となる場所では使用・保管しない。強い衝撃や圧力を加えない。異常を感じた場合は使用を中止する NITE(2026年7月15日発表)

📊 リチウムイオン電池搭載製品の事故(NITE、2026年9月25日確認)

NITEの発表(令和8年7月15日) 内容
事故件数 2021年から2025年までの5年間にNITEに通知された「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は2,140件。製品別では、モバイルバッテリーの事故が最も多い
発生時期 事故発生件数は、春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向があり、8月にピーク
防止の考え方 「3つのC」:賢く選ぶ(Cool Choice)、丁寧に使う(Careful use)、正しく捨てる・資源循環(Correct disposal with better recycling)

💡 ポイント

NITEのページには「車内に放置してはいけない」という直接の表現は確認できませんでしたが、「高温となる場所では使用・保管しない」と案内されています。夏場の車内は高温になりやすいため、スマホやモバイルバッテリーを車内に置いたままにしないことを、習慣にしましょう。

5. 出発前の設定手順と、チェックリスト

🧭 運転前の準備の手順

1

停車中に、目的地とルートを設定する

走行中に画面を注視したり操作したりしないよう、出発前に済ませます。

2

通知・呼出音を止める、またはドライブモードにする

警察庁の教則は、運転前に電源を切る、またはドライブモードに設定するなどして、呼出音が鳴らないようにすることを案内しています。

3

音楽・通話の設定を済ませる

曲・番組、通話の接続を、出発前に済ませます。

4

固定位置を、取扱説明書で確認して決める

ダッシュボードやガラスへの取付は、車種ごとの取扱説明書(エアバッグの項目)と、告示の範囲を確認します。

5

充電ケーブルの取り回しを確認する

ソケットの容量(車種ごと)を確認し、操作の邪魔にならないようにします。

6

急な連絡は、安全な場所に停車してから対応する

警察庁は、どうしても使うときは、必ず安全な場所に停車してから使用するよう案内しています。

📝 運転前のチェックリスト

☑️ 目的地・ルートを、停車中に設定した

☑️ 呼出音・通知をオフ、またはドライブモードにした

☑️ 運転中に、スマホを手で持たないことを、同乗者にも共有した

☑️ 取付位置を、取扱説明書のエアバッグの項目などで確認した

☑️ 充電用のソケット・USB端子の仕様(消費電力など)を確認した

☑️ スマホやモバイルバッテリーを、高温になる車内に置いたままにしていない

☑️ ハイブリッド車・EVの場合、システム停止時に充電機器をはずす

6. よくある質問

Q. 運転中の信号待ちなら、スマホを見てもよいですか?

A. 条文は「停止しているときを除き」としていますが、警察庁は、運転中にどうしても使わなければならないときは、必ず安全な場所に停車してから使用するよう案内しています。信号待ちでの扱いを、この記事では断定できません。画面の操作や注視は、安全な場所に停車してから行いましょう。

Q. ハンズフリー通話なら、問題ありませんか?

A. 条文の通話の禁止は、「手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができない」無線通話装置を対象としています。ただし、警察庁は、運転しながらのスマホ等の注視・通話を、周囲の危険を発見できなくなる極めて危険な行為としています。運転前に電源を切る、またはドライブモードに設定するなどの対策が案内されています。

Q. ダッシュボードにスマホホルダーをつけてもよいですか?

A. トヨタ ハリアーの取扱説明書は、ダッシュボードなどに何も取り付けたり置いたりしないよう、エアバッグの警告として記載しています。メーカー・車種で異なる可能性があるため、お持ちの車の取扱説明書のエアバッグの項目と、販売店・整備工場の案内を確認してください。

Q. 車内にスマホを置いたままにしても大丈夫ですか?

A. NITEは、リチウムイオン電池搭載製品を高温となる場所で使用・保管しないよう案内しています。トヨタの取扱説明書も、機器を車室内に放置しないよう記載しています(車室内が高温となり、故障の原因となるため)。夏場は特に、車内に置いたままにしないようにしましょう。

まとめ

運転中は、停止しているときを除き、スマートフォンを手で保持しての通話や、画面(カーナビを含む)の注視が、道路交通法で禁止されています。保持の違反は、普通車で反則金18,000円・3点、交通の危険を生じさせた場合は6点で反則金の対象外です。ナビの設定や連絡は出発前に済ませ、どうしても使うときは安全な場所に停車してからにしましょう。取付位置は、告示や取扱説明書のエアバッグの項目を確認し、車内の高温にはスマホやモバイルバッテリーを放置しないよう注意してください。

※本記事は、警察庁・国土交通省・NITE(製品評価技術基盤機構)・トヨタ自動車の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。法令の適用や取付位置の適否は、個別の状況によって異なります。判断に迷う場合は、警察・整備工場・販売店などの窓口にご確認ください(2026年9月25日時点の公式ページによる)。

アイキャッチ画像: Smartphone mounted on car dashboard by Nenad Stojković, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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