前を走るクルマのナンバープレートの左上にある3桁の数字(分類番号)。「3は乗用車」「8は特種用途」とは聞いても、なぜアルファベットが混じるようになったのか、プレートに大・中・小の大きさがあり、どんな車にどれが付くのか、まで答えられる方は多くないかもしれません。
この記事は、YouTubeショート「ナンバーの分類番号3は乗用車、8は?使えるアルファベット10文字も」の内容を、自動車登録規則・道路運送車両法施行規則(e-Gov法令検索)と、国土交通省・JAFの公開情報で確認し直して、動画に入らなかった条文や数字も加えて詳しく解説したものです。
📋 この記事の要点
✔ ナンバーは地域名・分類番号・ひらがな・一連指定番号の4つの部分でできている(自動車登録規則 第13条)
✔ 分類番号の最初の数字(登録自動車): 1=貨物の普通自動車、2=定員11人以上の普通自動車、3=定員10人以下の普通自動車、4・6=小型の貨物、5・7=小型の人の運送、8=特種用途、9・0=大型特殊
✔ アルファベット入りの分類番号は、省令の施行が2017年1月1日。JAFによると乗用車用の初交付は2018年1月で、使うのは下2桁のA・C・F・H・K・L・M・P・X・Yの10文字
✔ プレートの大きさは、登録自動車では中型が330×165mm、大型が440×220mm。大型は普通自動車のうち車両総重量8,000kg以上、最大積載量5,000kg以上、乗車定員30人以上のいずれかに当たるもの
✔ 登録自動車のひらがなで使われていないのは「お・し・へ・ん」。ただし、その理由は公的資料で確認できなかった
🎬 動画で見る(ショート)
この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
(1) 動画の「2017年1月1日からローマ字が使える」は、省令が施行された日として正しい内容です。実際にアルファベット入りの乗用車用ナンバーが初めて交付されたのは、JAFによると2018年1月です。
(2) 動画の「1はトラック、2はバス」は国土交通省の資料の例に沿った言い方です。条文では、1は貨物の運送の用に供する普通自動車、2は人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車、3は乗車定員10人以下の普通自動車です。
(3) 動画の「10種類」は、条文ではなく運用で決まっている文字の範囲です(JAFは「当面」と説明)。詳しくは3.の節で説明します。
1. ナンバーの4つの部分と、分類番号の位置
登録自動車(普通自動車・小型自動車など)のナンバープレートは、正式には「自動車登録番号標」といいます。そこに表示される自動車登録番号は、自動車登録規則第13条で、次の4つをこの順に組み合わせて定めると決められています。

📊 自動車登録番号を構成する4つの部分(自動車登録規則 第13条第1項)
| 順 | 部分 | 内容(条文の要約) | 定める表 |
|---|---|---|---|
| 1 | 地域名 | 自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部・運輸支局(自動車検査登録事務所の管轄区域なら、その事務所)を表示する文字 | 別表第一 |
| 2 | 分類番号 | 自動車の種別及び用途による分類番号。二字以下のアラビア数字、または最初の字がアラビア数字で、その他の字がアラビア数字・ローマ字・これらの組合せである三字 | 別表第二 |
| 3 | ひらがな等 | 自動車運送事業の用に供するかどうかの別等を表示する平仮名又はローマ字 | 別表第三 |
| 4 | 一連指定番号 | 四けた以下のアラビア数字 | ― |
動画で取り上げた「左上の3桁」は、この2番目の分類番号です。国土交通省の資料も、登録自動車のナンバーを「地域名・分類番号・平仮名等・一連指定番号」の4つで説明し、分類番号を「自動車の種別及び用途による分類を表示する」ものとしています。
なお、車検証の「型式」(「6AA-」などで始まる記号)は、車の型式指定に関する別の仕組みです。詳しくは車検証の型式「6AA」の読み方の記事で解説しています。
2. 最初の数字の意味と、普通・小型の線引き

分類番号の最初の数字が何を表すかは、自動車登録規則の別表第二に書かれています。国土交通省の資料が挙げる呼び方とあわせて整理します。
📊 分類番号の最初の数字(登録自動車)
| 最初の数字 | 別表第二の区分 | 国交省資料の呼び方(例) |
|---|---|---|
| 1 | 貨物の運送の用に供する普通自動車 | トラック |
| 2 | 人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車 | バス |
| 3 | 人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車 | 乗用車 |
| 4・6 | 貨物の運送の用に供する小型自動車 | 小型トラック |
| 5・7 | 人の運送の用に供する小型自動車 | 小型乗用車 |
| 8 | 散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車その他特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車 | 特種自動車(動画では「特種用途自動車」) |
| 9 | 大型特殊自動車(次の0に該当するものを除く) | 大型特殊自動車 |
| 0 | 自動車抵当法第2条ただし書に規定する大型特殊自動車 | 大型特殊自動車(建設機械) |
数字の後ろの2字には、数字またはローマ字が入ります。たとえば3の場合、別表第二は「3、30から39まで、300から399まで、30Aから39Zまで、3A0から3Z9まで、3AAから3ZZまで」と書いています。8も同じ並びで、キャンピングカーや救急車などの特種用途自動車の分類番号です(キャンピングカーの「8ナンバー」登録の記事)。
3と5を分ける「普通自動車」と「小型自動車」の線引き
人の運送用の車が3か5・7かは、普通自動車か小型自動車かで決まります。この区分は、道路運送車両法施行規則の別表第一に定められています(第2条)。
📊 自動車の種別と大きさ(施行規則 別表第一・四輪以上の自動車)
| 種別 | 長さ | 幅 | 高さ | 総排気量(内燃機関) |
|---|---|---|---|---|
| 小型自動車 | 4.70m以下 | 1.70m以下 | 2.00m以下 | 2.00L以下(軽油を燃料とする自動車と天然ガスのみを燃料とする自動車を除く) |
| 軽自動車 | 3.40m以下 | 1.48m以下 | 2.00m以下 | 0.660L以下 |
| 普通自動車 | 小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車以外の自動車 |
つまり、5ナンバー(小型)の条件は「幅1.70m以下」だけではありません。長さ・幅・高さがすべて小型の範囲に収まり、そのうえで排気量が2.00L以下(軽油を燃料とする自動車などは排気量の条件の対象外)であることが条件です。どれか1つでも超えると、普通自動車として扱われ、人の運送用なら乗車定員10人以下で分類番号は3、11人以上なら2になります。
3. 2桁・3桁、そしてアルファベット入りへ
分類番号の桁数は、時代とともに変わってきました。国土交通省の資料(「ナンバープレートの現状について」)から、登録自動車(普通・小型自動車)の動きを整理します。
📊 分類番号の桁数の移り変わり(登録自動車)
| 時期 | できごと | 出典 |
|---|---|---|
| 1951年(昭和26年) | 道路運送車両法による自動車の登録制度が確立。「分類番号」などを表示するようになる | 国土交通省資料 |
| 1967年(昭和42年) | 普通・小型自動車の分類番号が2桁になる | 国土交通省資料 |
| 1999年(平成11年) | 分類番号が3桁になり、希望番号制が全国で始まる(1998年に先行した地域もあった) | 国土交通省資料 |
| 2017年1月1日 | 分類番号にローマ字を導入する省令が施行 | 国土交通省 報道発表(2016年12月28日) |
| 2018年1月 | 乗用車用のアルファベット入りナンバーが初交付。東京都・神奈川県・愛知県などから | JAF Q&A |
3桁になった1999年に、希望ナンバー制度も始まりました。国土交通省の資料は、この制度を「分類番号の3桁化に伴い導入された制度」と説明しています。
なぜアルファベットが入ったのか
国土交通省の報道発表(2016年12月28日)は、導入の理由を「希望番号の普及に伴いナンバープレートの番号が枯渇しつつあることから、自動車の種別及び用途による分類を表示する分類番号にローマ字を追加することとします」と説明しています。JAFも、手数料を払えば4桁の番号を好きな数字にできる希望ナンバー制度で、人気が集中している番号を使い果たしたため、と解説しています。

使えるアルファベットは10文字。ただし条文には書かれていない
📜 自動車登録規則 第13条第1項第2号(条文の引用)
自動車の種別及び用途による分類番号を表示する二字以下のアラビア数字又は最初の字がアラビア数字であつて、その他の字がアラビア数字若しくはローマ字若しくはこれらの組合せである三字(別表第二)
条文が定めているのは「最初の字はアラビア数字」「その他の字は数字かローマ字」という点です。最初の字は必ず数字のままなので、アルファベットが入るのは下2桁です。一方、別表第二は「30Aから39Zまで」のように範囲で書いており、使う文字の一覧は条文や別表には載っていません。
使う文字は、JAFによると「数字との間違いを防ぐために、当面A、C、F、H、K、L、M、P、X、Yの10文字」です。表記の例として、JAFは「30A」「3C7」「5FH」を挙げています。和歌山県自動車整備振興会が掲載した国土交通省の通知(2017年10月の資料)にも、普通車の分類番号の下2字にA・C・F・H・K・L・M・P・X・Yを使うとあります。
JAFによれば、新制度の導入後も、番号が払底していなければ、3桁とも数字の分類番号のまま交付されます。和歌山県自動車整備振興会の資料も、数字の分類番号が払底し次第、順次ローマ字を導入すると記しています。
4. ひらがなの区分と、使われない4文字
分類番号の下、プレート左下の小さなひらがなは、事業用か自家用か、レンタカーかなどを表します(別表第三)。登録自動車では、次のとおりです。
📊 ひらがな・ローマ字の区分(自動車登録規則 別表第三・登録自動車)
| 自動車の区分 | 使う文字 | 文字数 |
|---|---|---|
| 自動車運送事業の用に供する自動車(事業用。緑地に白文字) | あ・い・う・え・か・き・く・け・こ・を | 10 |
| 自家用自動車(白地に緑文字。下の2区分を除く) | さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・ら・り・る・ろ | 29 |
| 道路運送法施行規則第52条の許可に係る自家用自動車(レンタカー) | れ・わ | 2 |
| 日本国籍を有しない者が所有する自家用自動車で、関税・消費税が免除されているもの等(国交省の表記は「駐留軍人軍属私有車両等」) | E・H・K・M・T・Y・よ | 7(うちひらがな1) |
塗色は、施行規則の第一号様式の備考で、事業用は緑地に白文字、自家用は白地に緑文字と定められています。
使われていないのは「お・し・へ・ん」
別表第三のひらがなを数えると、使われているのは42文字です。五十音の46文字(あ〜ん)のうち、使われていないのは「お」「し」「へ」「ん」の4文字です。
この理由について、今回確認した公的資料には記載がありませんでした。報道(くるまのニュース、2023年10月9日)は、国土交通省の担当者の「その理由は諸説があるため、一概に理由を説明することは難しい」というコメントを紹介しています。理由は公式には示されていないと考えるのが正確です。
5. プレートの大きさ(大型・中型・小型)と表示のルール
ナンバープレートの大きさは、国土交通省の自動車登録検査業務ポータルでも、大型・中型・小型の3種類と案内されています。登録自動車の寸法は、道路運送車両法施行規則の第一号様式(自動車登録番号標)の図で確認できます。

📊 ナンバープレートの大きさ
| 種類 | 大きさ(横×縦) | 主な対象 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 大型 | 440×220mm(横44cm×縦22cm) | 普通自動車のうち、車両総重量8,000kg以上、最大積載量5,000kg以上、乗車定員30人以上のいずれかに当たるもの | 施行規則 第一号様式(備考(4)ただし書・(7)) |
| 中型 | 330×165mm(横33cm×縦16.5cm) | 上の大型以外の登録自動車、検査対象の軽自動車(軽は第十二号様式で同じ330×165mm) | 施行規則 第一号様式・第十二号様式 |
| 小型 | 230×125mm(横23cm×縦12.5cm) | 二輪の自動車用。二輪の小型自動車は第十三号様式、検査対象外軽自動車(二輪の軽自動車など)は第十四号様式(どちらも図は230×125mm)。国土交通省ポータルは小型番号標の対象を「二輪の軽自動車、軽二輪車、バイク、原付バイク」と案内しています(原付の扱いは今回確認していません) | 施行規則 第45条・第十三号様式、第63条の2第4項・第十四号様式 |
📜 道路運送車両法施行規則 第一号様式 備考(条文の引用)
(4)ただし書…普通自動車であつて、車両総重量が8,000キログラム以上のもの、最大積載量が5,000キログラム以上のもの又は乗車定員が30人以上のものに取り付ける自動車登録番号標については、この限りでない。/(7)寸法の単位は、「ミリメートル」とする。この場合において、括弧内に示す寸法は、(4)ただし書に規定する自動車に取り付ける自動車登録番号標における寸法とする。
第一号様式の図は、括弧の外が330×165mm、括弧の中が440×220mmです。備考(7)により、括弧の中の寸法が(4)ただし書の自動車(大型)の寸法になります。国土交通省の古い資料(平成23年頃)は、中型を「最も多く普及しているサイズ」と説明しており、動画の「いちばん多い中型」はこの内容に沿っています。
なお、同じ資料の歴史欄には、1962年(昭和37年)に「大型トラックやバス用の大型ナンバープレートが登場する」とあります。大・中・小に分けた理由そのものは、今回確認した資料には書かれていませんでした。
ナンバーの表示のルール(道路運送車両法第19条)
📜 道路運送車両法 第19条(条文の要約)
自動車は、交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他、自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。
省令(施行規則第8条の2)では、位置は自動車の前面及び後面(三輪自動車・被けん引自動車などは前面を省略できる場合があります)、方法は告示で定める角度の基準に適合し、識別に支障が生じないものとして告示で定める物品以外が取り付けられておらず、汚れがないこととされています。動画の最後の「見やすく表示するのが決まり」は、この規定にあたります。
6. よくある質問
まとめ
ナンバーは、地域名・分類番号・ひらがな・一連指定番号の4つでできています。(1)登録自動車の分類番号の最初の数字は、1=貨物の普通自動車、2=定員11人以上の普通自動車、3=定員10人以下の普通自動車、4・6=小型の貨物、5・7=小型の人の運送、8=特種用途です。普通か小型かは、長さ・幅・高さ・排気量で決まります。(2)アルファベットは、希望番号の普及で番号が足りなくなったため、2017年1月1日に施行された省令で導入され、乗用車用の初交付は2018年1月です。使うのは下2桁で、JAFによると当面A・C・F・H・K・L・M・P・X・Yの10文字です。(3)大きさは、登録自動車で中型330×165mm、大型440×220mm。大型は普通自動車のうち車両総重量8,000kg以上、最大積載量5,000kg以上、乗車定員30人以上のいずれかに当たるものです。
自分のクルマのナンバーを見て、最初の数字が何を表すのか、プレートがどのサイズなのかを確かめてみてください。ナンバーは、見やすく表示することが法律で求められています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令・制度・ナンバーの運用は改正・変更されることがあるため、最新の内容や個別の判断は、国土交通省・運輸支局・軽自動車検査協会などの公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。ナンバープレートの字体・寸法は図の模式図とは異なります。
参考(一次情報・公的機関・JAF): e-Gov法令検索 自動車登録規則(第13条・別表第一〜第三)/同 道路運送車両法施行規則(第2条・第8条の2・第11条・第45条・第63条の2・第一号様式・第十二号様式・第十三号様式・第十四号様式・別表第一・別表第二の四・別表第二の五)/同 道路運送車両法(第19条)/国土交通省 自動車登録検査業務ポータル「自動車登録番号標(ナンバープレート)」/国土交通省「自動車登録番号標(ナンバープレート)について」/国土交通省 報道発表(2016年12月28日)/国土交通省「ナンバープレートの現状について」(平成23年頃の資料。歴史・大きさの記述に使用)/JAF「自動車のアルファベット入りナンバープレートとは?」/和歌山県自動車整備振興会「ナンバープレートの分類番号へのローマ字導入について」(2017年10月)/くるまのニュース(2023年10月9日。国交省担当者のコメントの引用元)
図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。ナンバープレートの図は模式図で、実際の字体・寸法とは異なります。


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