ボディカラーの色あせや傷の目立ちやすさは、色選びで気になるポイントです。ただし、「色ごとの色落ちランキング」のような順位は、メーカーや公的機関の公開情報では確認できませんでした。この記事では、確認できる事実(塗装の構造、色の種類、JAFの色別の温度テスト、メーカーの手入れの案内)を整理し、色選びと塗装の手入れの考え方をまとめます。
📋 この記事の要点
✔ 新車の塗装は、電着塗装・中塗り・ベース(ボディカラー)・クリアなどの層で構成され、全体の厚さは、厚くても100〜150μm(0.1〜0.15mm)程度(日本コーティング協会)
✔ メタリック・マイカ・パールなど、色の種類で塗料の成分と見え方が異なる(トヨタ)
✔ JAFのテスト(2012年)では、炎天下の車内最高温度は、黒が57℃、白が52℃だった
✔ 色ごとの「色落ちしやすさ」の順位は、公式情報では確認できない
✔ メーカーは、海岸・凍結防止剤・鳥のふんなどが付いたときは、ただちに洗車するよう案内
📑 目次
1. 塗装の構造と、色あせのしくみ
新車のボディの塗装は、複数の層が重なってできています。日本コーティング協会の解説では、電着塗装(下塗り)、シーラー塗布、サーフェイサー塗装(中塗り)、上塗りベース(ボディカラー)、クリア塗装(保護膜)の順に構成されます。Hondaの塗装工程の紹介でも、電着塗装、シーラー塗布、本塗装(中塗り・ベース・クリア)の順が示されています。
📊 新車の塗装の層と役割
| 層 | 役割 | 出典 |
|---|---|---|
| 電着塗装(下塗り) | ボディ全体を塗料に浸し、電気を流して塗る。金属部分の錆を防ぐ | Honda |
| シーラー | 鉄板のつぎ目や細かなすき間を塞ぎ、水やホコリの侵入、錆を防ぐ | Honda |
| 中塗り(サーフェイサー) | 下地の凹凸を平らにする | Honda・日本コーティング協会 |
| ベース | 実際のボディカラーを塗る層 | Honda・日本コーティング協会 |
| クリア | 保護膜の役目と、光沢を出す層 | Honda・日本コーティング協会 |
📌 補足
日本コーティング協会の解説では、最新の塗装膜は硬く高品位ながら非常に薄く、全部で厚くても100〜150μm(0.1〜0.15mm程度)とされています。薄い塗膜だからこそ、洗車や研磨での扱いに注意が必要です。
⚠️ 「紫外線で色が落ちる色ランキング」は、公式に確認できません
今回調べたメーカー・公的機関のページには、色ごとの色あせのしやすさを比べたデータや順位は見つかりませんでした。JAFの紫外線テストも、車内の紫外線を測ったもので、ボディの塗装は対象外です。特定の色を「色あせしやすい」と断定する記述は、本記事では載せていません。
2. ボディカラーの種類と特徴
トヨタの公式ページ(よくあるご質問)では、現在使われている代表的なボディカラーの塗料が、次のように説明されています。名称や区分は、メーカーによって異なります。
📊 ボディカラーの種類(トヨタ公式ページより)
| カラーの種類 | 塗料・見え方の特徴(トヨタの説明) |
|---|---|
| メタリックカラー | アルミ粉を含む塗料。太陽光が当たると、金属的な輝きを放つ |
| マイカカラー | 雲母(うんも)を混ぜた透明な塗料。色の深みと透明感がある。直射日光下では柔らかなキラキラ感があり、室内では単色に見える |
| マイカメタリックカラー | アルミ粉と雲母の両方を含む塗料。室内でも、メタリック感を保つ |
| パールマイカカラー | 天然雲母を使用。真珠のような光沢感があり、見る角度でパール色やカラーベースが強く現れる |
| クリスタルシャインカラー | 人工雲母を含む塗料。強いキラキラ感がある |
| シリカカラー | ガラス粉を含む塗料。メタリックやパールと同様にキラキラする |
💡 ポイント
色の見え方は、光の当たり方で大きく変わります。カタログや画面の色ではなく、屋外の自然光の下で、実車や展示車を見て決めるのがおすすめです。
3. 色と暑さ(JAFユーザーテスト)
JAFは、2012年8月に、埼玉県戸田市の駐車場で、気温35℃の晴天のもと、正午から4時間、ミニバン5台で車内温度を比べるテストを行っています。対策なしの黒と白の車も含まれます。
📊 JAFユーザーテスト「真夏の車内温度」(2012年8月・気温35℃)の結果
| 条件 | 車内の最高温度 | ダッシュボードの最高温度 |
|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 記載なし |
| 窓を3cm開ける | 45℃ | 記載なし |
| エアコン作動 | 27℃ | 記載なし |
⚠️ このテストで分かることの範囲
このテストは、車内温度の比較です。色あせや塗装の劣化(紫外線の影響)は、測定されていません。また、実施から年数が経っており、現在の車の遮熱性能とは異なる可能性があります。「黒は塗装が傷みやすい」という判断には使えません。
4. 塗装を長持ちさせる手入れ
📊 塗装を守る手入れ(メーカー取扱説明書)
| 手入れ | 取扱説明書・公式情報の案内 | 出典 |
|---|---|---|
| ただちに洗車する場面 | 海岸地帯を走行したあと、凍結防止剤を散布した道路を走行したあと、コールタール・花粉・樹液・鳥のふん・虫の死がいなどが付着したとき | トヨタ |
| 月1回の洗車 | 「月に一度は洗車をするようにしてください」 | Honda |
| 傷への対応 | 塗装に傷が付いた場合は、早めに補修する | トヨタ |
| ワックス | 水のはじきが悪くなったとき。車体が冷えているときにかける(およそ体温以下が目安) | トヨタ |
| 避けたいもの | コンパウンド(みがき粉)が入ったガラスクリーナーやワックスは使用しない。ホイールには、酸性・アルカリ性・研磨剤の入った洗剤を使わない | トヨタ |
| 飛び石の傷 | 飛び石による傷は錆の原因になるため、早期に補修する | Honda |
📊 特殊な塗装の注意点
| 特殊な塗装 | 注意点 | 出典 |
|---|---|---|
| マットクリア塗装 | トヨタの取扱説明書(GRカローラ)では、直射日光・雨風・地面からの湿気を遮ることができる舗装された車庫への駐車をおすすめ。カーカバーは、内側が起毛・不織布など、塗装を傷つけにくい素材を選ぶ。この案内は、マットクリア塗装車に関するもの | トヨタ |
| マット塗装のホイール | 基本は水洗い。汚れが多いときは、薄めた中性洗剤で、スポンジや柔らかい布で手洗い。乾いた布やブラシでこすらない。コーティング剤や研磨剤入りの洗剤は使わない | トヨタ |
| ボデーコート・ガラスコートなどの施工車 | お手入れが異なる。取扱説明書や販売店で確認 | トヨタ |
5. 色を選ぶときの確認ポイント
🧭 色選びの進め方
屋外の自然光で、実車を見る
展示車やデモカーで、日なた・日陰の見え方を確認します。
塗装の種類を確認する
ソリッド・メタリック・マイカ・パールなど、塗装の種類と、手入れの案内(取扱説明書)を、販売店で確認します。
駐車環境を考える
屋根付きか、屋外か。海岸に近い、凍結防止剤を使う地域か、など、洗車の頻度に関わる条件を整理します。
手入れにかけられる時間と費用を考える
洗車の頻度、コーティングの有無など、無理なく続けられる手入れを想定します。
補修塗装・特殊塗装の扱いを確認する
傷や飛び石の補修をどう依頼するか、特殊な塗装は、費用や対応が異なるかを、販売店で確認します。
📝 色選びのチェックリスト
☑️ 実車を屋外の自然光で見た
☑️ 塗装の種類(ソリッド・メタリック・マイカ・パールなど)を確認した
☑️ 取扱説明書に、特殊な塗装の手入れの記載があるか確認した
☑️ 駐車環境(屋根の有無・海岸・凍結防止剤)を整理した
☑️ 洗車・手入れにかけられる頻度を考えた
☑️ 暑さ(車内温度)は、色だけでなく、サンシェードなど対策も合わせて考えた
📌 補足
汚れや傷の目立ちやすさについて、メーカーの取扱説明書には、色ごとの記載はありません。実際の見え方は、車の形や光の当たり方でも変わるため、実車で確認しましょう。
6. よくある質問
まとめ
ボディカラーの色あせしやすさを、色ごとに比べた公式のデータは確認できませんでした。確認できるのは、塗装が複数の薄い層でできていること、色の種類ごとの特徴、そしてメーカーが案内する手入れ(汚れをすぐ洗う、傷を早めに補修する、コンパウンドや酸性洗剤を避ける)です。色選びは実車を自然光で見て、手入れを無理なく続けられるかを基準に考えましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。
2021 Toyota Corolla Altis 1.8 red front view in Brunei by AIMHO’S REBELLION 8490s, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


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