運転免許を自主返納すると、「運転経歴証明書」の提示でさまざまな企業・団体から割引や優待が受けられることをご存知でしょうか。銀行の定期預金金利優遇からホテル・飲食店の割引まで、内容は多岐にわたります。東京都の例をもとに、免許返納支援制度の中身と、2025年から始まった新しい仕組みを紹介します。
📋 この記事でわかること
- 「運転経歴証明書」があれば、免許がなくても身分証明になる
- 2025年3月開始、「マイナ経歴証明書」との一体化
- 東京都の特典の例
- 「返納」だけが選択肢ではない
- お住まいの地域の制度も確認を
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
「運転経歴証明書」があれば、免許がなくても身分証明になる
運転免許を自主返納すると、希望者は「運転経歴証明書」の交付を受けられます。これは運転免許証と同様に本人確認書類として使え、加えて「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」に加盟する企業・団体の特典を受けられるカードとしての役割も持ちます。原則として65歳以上の方が対象で、令和元年12月1日からは、運転免許を失効した高齢者(失効から5年以内)も運転経歴証明書を申請できるようになっています。
2025年3月開始、「マイナ経歴証明書」との一体化
警視庁によると、2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転経歴証明書を一体化した「マイナ経歴証明書」を申請できるようになりました。これにより、マイナンバーカード1枚で運転経歴証明書としての機能も持たせられるようになっています。あわせて、それまで行われていた「運転経歴証明書交付済シール」のマイナンバーカードへの新規貼付は中止されましたが、すでに貼付済みのシールは引き続き利用できます。高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業には、マイナ経歴証明書の提示者にも従来同様の特典を提供するよう協力が要請されています。
東京都の特典の例
警視庁が公開している「高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧」(2026年7月29日更新)には、物流・銀行・ホテル・デパート・美容・自動車学校など幅広い業種の加盟企業が掲載されています。一例を挙げると次のような特典があります(特典は予告なく変更・中止される場合があるため、利用の際は各店舗・事業所に事前確認が必要です)。
- 銀行・信用金庫:多くの信用金庫が、運転経歴証明書所有者向けの専用定期預金を用意しており、店頭金利に+0.03〜0.05%程度を上乗せする金利優遇を行っています(1年もの、10万円以上500万円以内などの条件付き)。
- ホテル・飲食:帝国ホテル東京の直営レストラン・バーラウンジで10%割引、渋谷エクセルホテル東急の日本料理・レストラン・ラウンジでも飲食代10%引きなど、飲食店での割引特典が多数用意されています。
- 送迎サービス:ホテルカデンツァ東京では、運転経歴証明書の提示で最寄り駅からの送迎バスを無料利用できます。
このほか物流・引越し(日本通運の引越し料金10%割引など)、デパート、美容・理容、自動車学校、車買取など、業種は多岐にわたります。
「返納」だけが選択肢ではない
高齢になっても運転を続けたいという方に向けては、完全な返納以外の選択肢も用意されています。たとえば「サポートカー限定免許」は、自動ブレーキなどの安全運転支援機能を備えた「サポカー」に限定して運転できる免許で、運転の機会を完全に手放すのではなく、より安全性の高い車に絞って運転を続けたいという方に向いた制度です。また、家族が同乗する機会が多い方であれば、長距離や夜間の運転は控えて日中の近距離移動に限定するなど、返納前に運転範囲を段階的に狭めていくという考え方もあります。返納は一度きりの決断であるため、本人の生活圏や利用できる公共交通機関の状況を踏まえ、家族とよく話し合ったうえで判断することが大切です。
お住まいの地域の制度も確認を
免許返納支援制度は都道府県・市区町村ごとに内容が異なります。例えば、自治体によってはタクシー利用券の交付や、路線バス・敬老パスの優待といった移動手段の支援策を実施しているところもあります。お住まいの都道府県警察や市区町村の公式サイトで、地域の支援制度の内容を確認してみることをおすすめします。
まとめ
運転免許を自主返納しても、運転経歴証明書(またはマイナ経歴証明書)があれば身分証明として使えるだけでなく、金融機関の金利優遇やホテル・飲食店の割引など、多くの特典を受けられます。ご自身やご家族の免許返納を検討する際は、こうした支援制度もあわせて調べておくと、返納後の生活のイメージがつかみやすくなります。
出典・免責
本記事の内容は、以下の情報源(2026年9月2日確認時点)に基づいています。
紹介した特典は東京都の例であり、予告なく変更・中止される場合があります。利用の際は各店舗・事業所に事前にご確認ください。お住まいの地域の制度は、各都道府県警察・市区町村の公式サイトでご確認ください。
アイキャッチ画像: Sendai City bus by MaedaAkihiko(パブリックドメイン)
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