愛犬を膝の上に乗せてドライブ、窓から顔を出させて風にあたらせる——かわいい光景に見えますが、実はどちらも道路交通法違反になり得ることをご存知でしょうか。ペットとのドライブを安全に、そして違反にならずに楽しむためのルールとマナーを整理します。
📋 この記事でわかること
- ペットの乗せ方にも法律上のルールがある
- 法律違反だけでなく、事故のリスクも
- 安全な乗せ方のポイント
- ペットも車酔いをする
- ペット同伴で楽しめる施設も増加中
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
ペットの乗せ方にも法律上のルールがある
ペットは法律上「乗員」ではなく「物」として扱われるため、人のようにシートベルト着用や座席位置の指定義務はありません。しかし、道路交通法第55条第2項(乗車又は積載の方法)には次のように定められています。
「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。」
この規定に基づき、次のような乗せ方は取り締まりの対象になります。
- 運転者の膝の上に乗せて運転操作の妨げになっている
- 窓から身を乗り出させ、サイドミラーの視界を妨げている
違反した場合の反則金は普通車6,000円、大型車・中型車7,000円、違反点数1点です。実際に、運転席側から顔を出した犬や、運転者の膝に乗せられた犬を警察官が確認し、飼い主が摘発された事例もあります。
法律違反だけでなく、事故のリスクも
Honda公式の飼い主向けコンテンツ「Honda Dog」によると、車内でペットを自由に動ける状態にしておくと、次のようなリスクが生じます。
- ハンドル操作の妨げやバックミラーの視界を遮る
- 急ブレーキや追突事故の際、固定されていない体がフロントガラスまで飛んでしまう
- 窓を開けた拍子に外へ飛び出したり、誤ってロックを解除したりする
助手席に乗せる場合も注意が必要です。過去には、事故でエアバッグが展開した際、飼い主とエアバッグの間にペットが挟まれてケガをした事例も報告されています。
安全な乗せ方のポイント
- クレート(キャリー)に入れる:もっとも一般的な安全対策です。シートベルトで固定できるタイプを選べば、事故の際にペットだけが車内で投げ出されるのを防げます。
- ペット用シートベルト・ハーネスを使う:クレートが車内に収まらない大型犬などには、座席に固定できるペットシートやペット用シートベルトが有効です。胴体を固定するハーネスタイプは、首輪よりも衝撃が分散されケガのリスクを抑えられます。
- 後部座席に乗せる:助手席のエアバッグ展開によるリスクを避けるため、できるだけ後部座席に乗せることが推奨されています。
- ドアロック・ウインドウロックをかける:ペットの前足がウインドウボタンに触れて誤って窓が開いてしまうことを防げます。
- 車内にペットだけを残さない:短時間でも、暑い時期は数分で車内が高温になり熱中症の危険があります。春・秋でも日当たりのよい場所では要注意です。
ペットも車酔いをする
人間と同じように、犬や猫も車に慣れていないと車酔いを起こすことがあります。よだれを多く垂らす、落ち着きなくソワソワする、震える、嘔吐するといった様子が見られたら車酔いのサインです。対策としては、長時間食事を与えてから乗せない、こまめに休憩をとって外の空気を吸わせる、換気をして車内のにおいをこもらせないといった工夫が有効とされています。初めて長距離ドライブに連れて行く前には、短時間の乗車から少しずつ慣らしていくと、当日のストレスを減らせます。
ペット同伴で楽しめる施設も増加中
近年は、ペットと一緒に立ち寄れる高速道路のサービスエリア・パーキングエリアや、ペット同伴可のカフェ・宿泊施設が全国的に増えており、ペットとの旅行そのものを楽しみやすい環境が整いつつあります。長距離ドライブの休憩ポイントとして、こうしたペット同伴対応のスポットを事前に調べておくと、飼い主・ペット双方にとって負担の少ない移動計画を立てやすくなります。
まとめ
ペットを膝の上に乗せたり窓から顔を出させたりする乗せ方は、かわいらしく見えても道路交通法違反(反則金6,000円〜7,000円、違反点数1点)に該当する可能性があり、事故のリスクも高めます。クレートやペット用シートベルトを活用し、できるだけ後部座席に固定して乗せることが、法律を守りながらペットの安全も確保する乗せ方です。安全な準備をしたうえで、愛犬・愛猫との楽しいドライブを楽しみましょう。
出典・免責
本記事の内容は、以下の情報源に基づいています。
反則金・違反点数等の詳細は変更される場合があります。最新の規定は警察庁・都道府県警察の公式情報でご確認ください。
アイキャッチ画像: Dog wearing seat belt by ReggieandFriends, CC BY-SA 4.0
コメント