年末年始の帰省やお出かけの前に、「クルマのトラブルは実際にどれくらい起きていて、何が多いのか」を数字で知っておくと、点検の優先順位が決めやすくなります。
この記事は、YouTubeショート「年末年始のJAF出動は10日で何件?バッテリーとタイヤの落とし穴3つ」で紹介したJAFのデータを、期間・件数・構成比まで確認し直し、過去の年末年始やゴールデンウィーク・お盆とも並べてまとめたものです。数字はJAFの「ロードサービス救援データ」(2025年度:シーズン別ほか)と、JAFのQ&A・ニュースリリース・ユーザーテストで確認しました(2026年10月17日確認)。
📋 この記事の要点
✔ 2025年末年始(2025年12月27日〜2026年1月5日の10日間)のJAF出動は85,707件(うち二輪2,464件)。1日あたり約8,571件で、2025年度の年間平均(約6,328件)の約1.35倍(いずれも件数からの計算)
✔ 一般道の1位は過放電バッテリー35,564件(42.48%)。3位の破損/劣化バッテリー9,263件(11.06%)と合わせると44,827件で、一般道の約53.5%
✔ 高速道路の1位は「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」611件(30.75%)。この区分は空気圧不足だけの件数ではない
✔ 過去3回の年末年始で、一般道のバッテリー関連は50.3%・53.2%・53.5%と5割前後。ゴールデンウィーク(45.3%)・お盆(38.5%)より高い
✔ JAFの2015年のテスト(モニター3名)では、空気圧を半分にしたタイヤを見た目で正しく判断できたのは偏平率65だけ。JAFは少なくとも月1回、エアゲージで測るよう案内している
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この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。
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年末年始のJAF出動は10日で85,707件
JAFが公表する「ロードサービス救援データ」(2025年度:シーズン別)によると、2025年12月27日(土)〜2026年1月5日(月)の10日間のJAF出動は85,707件(うち二輪2,464件)でした。四輪だけでは83,243件(JAFが四輪の合計として掲載している値)です。道路別の内訳は、一般道が83,720件、高速道路が1,987件(いずれも四輪・二輪の合計)です。
📊 年末年始のJAF出動件数(過去3回と年間平均)
| 期間 | 日数 | 出動件数 | 1日あたり(計算) | 頻度の表現 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年12月29日〜2024年1月9日 | 12日間 | 86,361件 | 約7,197件 | JAFのリリースでは「約12秒に1件」 |
| 2024年12月28日〜2025年1月6日 | 10日間 | 82,747件 | 約8,275件 | JAFのリリースでは「約10秒に1件」 |
| 2025年12月27日〜2026年1月5日 | 10日間 | 85,707件 | 約8,571件 | JAFの表現は確認できず(件数からの計算では約10.1秒に1件) |
| (参考)2025年度の年間(2025年4月〜2026年3月) | 365日 | 2,309,716件 | 約6,328件 | JAFの公表では約13.7秒に1件(2025年度) |
年末年始の期間は年によって日数が違う(12日間と10日間)ため、件数をそのまま比べるのではなく、1日あたりに直すと比べやすくなります。同じ10日間どうしの2024年末年始と2025年末年始では、2025年末年始のほうが約3.6%多い計算です。また、2025年末年始の1日あたり約8,571件は、2025年度の年間平均(約6,328件)の約1.35倍です。
一般道の1位は過放電バッテリー(バッテリー関連で5割超)

一般道の出動理由は、1位が過放電バッテリー(35,564件・構成比42.48%)、2位が「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」(11,722件・14.00%)、3位が破損/劣化バッテリー(9,263件・11.06%)でした。JAFのリリースでは、過放電バッテリーを「バッテリー上がり」と表記しています。
バッテリーに関する2つの区分(過放電+破損/劣化)を足すと44,827件で、一般道の総合計83,720件の約53.5%です。四輪だけで数えても、(34,830+9,016)件÷81,305件で約53.9%と、半分を超えています。
年末年始は3回とも5割前後。GWやお盆より高い

📊 一般道のバッテリー関連の割合(四輪・二輪合計)
| 期間 | 過放電バッテリー | 破損/劣化バッテリー | 合計の割合(計算) |
|---|---|---|---|
| 年末年始 2023年12月29日〜2024年1月9日 | 34,504件(40.95%) | 7,900件(9.38%) | 50.3% |
| 年末年始 2024年12月28日〜2025年1月6日 | 34,319件(42.47%) | 8,652件(10.71%) | 53.2% |
| 年末年始 2025年12月27日〜2026年1月5日 | 35,564件(42.48%) | 9,263件(11.06%) | 53.5% |
| ゴールデンウィーク 2025年4月26日〜5月7日 | 27,497件(37.98%) | 5,290件(7.31%) | 45.3% |
| お盆 2025年8月9日〜8月18日 | 20,588件(29.27%) | 6,489件(9.22%) | 38.5% |
一般道・高速道路を合わせた全体で見ても、年末年始(2025年末年始)は過放電35,653件(41.60%)と破損/劣化9,295件(10.85%)の合計が44,948件で約52.4%、2025年度の年間では過放電792,392件(34.31%)と破損/劣化204,724件(8.86%)の合計が997,116件で約43.2%です(合計の割合は件数からの計算)。年末年始はバッテリー関連の割合が、年間の平均より高い時期だといえます。
ただし、なぜ年末年始に割合が高くなるのかについて、JAFの資料から理由を断定することはできませんでした。確認できたのは、バッテリー上がりの一般的な原因(消し忘れ・低温・劣化など)で、これは第4章で整理します。
高速道路の1位はタイヤのパンク、バースト、エアー圧不足

高速道路の出動は総合計で1,987件(全体の約2.3%)と、一般道に比べてずっと少ないものの、その中の1位は「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」の611件(30.75%)でした。2位は事故(208件)、3位は燃料切れ(184件)、4位が過放電バッテリー(89件)です。
年末年始の高速道路でタイヤ関連が1位だったのは、前の2回(2023年末年始の618件・29.32%、2024年末年始の621件・31.90%)も同じです。ゴールデンウィーク(1,031件・38.70%)とお盆(1,250件・40.57%)の高速道路でも1位は同じ区分で、構成比はそれらのほうが高くなっています。
バッテリーの落とし穴(消し忘れ・半ドア・寿命・前ぶれ)
一般道で最も多い過放電バッテリーについて、JAFのQ&A・ニュースリリースで確認できた内容を整理します。寿命の目安は資料によって書き方が違うので、資料ごとに分けて載せます。
📊 バッテリーについてJAFが説明していること
| 項目 | JAFの記載 | 出典 |
|---|---|---|
| よくある原因 | バッテリー上がりの原因で多いのは、ライト類や室内灯の消し忘れ。ドアをしっかり閉めないと、室内灯が点灯したままになる場合がある。降車するときに電装品がオフになっているか確認することが大切 | Q&A(2025年7月現在) |
| 低温の影響 | 気温が低いとバッテリーの能力が低下し、バッテリー上がりが発生しやすくなる。劣化の進み方は使用環境で大きく変わるため、お出かけ前にカーディーラー・ガソリンスタンド・カーショップなどでチェックすると安心 | ニュースリリース(2024年12月23日) |
| 季節の影響 | 夏季の厳しい使用状況(夜間の雨の渋滞でエアコン・ヘッドライト・ワイパーなどが同時に稼働など)で弱ったバッテリーが、冬季になってトラブルを起こすことも考えられる | Q&A(2025年7月現在) |
| 寿命の目安(2025年7月現在の記事) | 一般的に2〜3年といわれている。バッテリーが原因のトラブルは2年を過ぎた頃から多くなるといわれ、異常に気づかないまま、ある日突然エンジンがかからなくなるケースもある | Q&A(2025年7月現在) |
| 寿命の目安(2026年6月現在の記事) | 一般的なガソリン車は2〜5年が目安(使用状況で大きく変わる)。3年以上経過したバッテリーは内部の劣化が進行している可能性が高い。アイドリングストップ車は2〜3年が目安で、多くの場合専用バッテリーの使用が指定されている | Q&A(2026年6月現在) |
| 前ぶれ | 近年のバッテリーは限界直前まで使用できる傾向があり、前兆なくエンジンが始動しなくなるケースも少なくない | Q&A(2026年6月現在) |
| 交換のサイン | エンジンのかかりが悪い(セルモーターの回転が弱々しい)、アイドリングストップの作動頻度が減った、本体の膨らみなど外観の異常、前回の交換から2〜3年以上経過している | Q&A(2026年6月現在) |
| 点検 | カー用品店やガソリンスタンドには、無料のバッテリー点検を実施している店舗もある。定期的に電圧を測定してもらい、劣化の兆候があれば交換する | Q&A(2026年6月現在) |
| 始動できたあと | エンジンがかかってもバッテリーの劣化は改善しない。始動後は30分程度走行して充電を回復させたうえで、早めに点検を受ける | Q&A(2026年6月現在) |
アイドリングストップ車のバッテリーが普通のバッテリーと何が違うのか、型式の見分け方については、アイドリングストップ車のバッテリーの記事で整理しています。
降りるときの確認と、短距離・放置のクルマ
JAFは、降車時にライト類が消えているか、ドアが完全に閉まっているかを習慣的に確認するよう案内しています。また、短距離走行ではオルタネーター(発電機)による充電が十分に追いつかないことがあり、長期間乗らない場合も電装品の待機電力で少しずつ放電が進むため、週に1回は30分程度走行して充電を補うことが望ましいとしています(Q&A、2026年6月現在)。
タイヤの落とし穴(空気圧は見た目で分からない)
JAFは、2015年8月31日に千葉県柏市の教習所で、見た目や運転でタイヤの空気圧の低下に気づけるかを検証しています。偏平率の異なる3タイプの車(スポーツタイプは前輪50・後輪45、セダンタイプは65、バンタイプは80)を使い、3名のモニターが2つのテストを行いました。

| テスト | 内容 | 結果 |
|---|---|---|
| テスト1 | 各車の左側の前後2輪は適正空気圧、右側の前後2輪は適正の1/2に設定。適正の空気圧のタイヤを見たあとで、1/2のタイヤを見た目でどう判断するか | 偏平率65は全員が空気圧の低下を正しく判断。45・50・80は全員が誤った判断(50は3名全員が適正の1/4と回答、80は1名が3/4・2名が適正と回答) |
| テスト2 | 同じ車種で45と65のタイヤを装着し、1輪だけ適正の1/2にして運転。空気圧の減ったタイヤの位置が分かるか | 左前輪が1/2の場合、65は3名全員が気づいたのに対し、45は3名中1名だけが気づいた |
JAFは、タイヤの空気圧は目視ではどれくらい減っているか正確に判断できないため、エアゲージで測定するよう案内しています。タイヤの空気は何もしなくても自然に抜けていくので、少なくとも1か月に1回くらいは点検する、というのがJAFの案内です(Q&A、2025年7月現在)。
測るときのポイント(JAFのQ&Aより)
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 適正な空気圧の調べ方 | 車ごと・装着タイヤのサイズごとに決まっており、取扱説明書や、一般的には運転席ドアの開口部に表示。前後輪で数値が違う場合がある。純正以外のサイズに替えている場合は推奨空気圧が異なる |
| 測るタイミング | 高速道路での長距離走行の直後など、タイヤが温まった状態では、空気圧が高めに表示される場合がある |
| 応急用タイヤ | トランクなどにあるスペアタイヤ(応急用)も点検する。テンパータイヤの指定空気圧は普通のタイヤの約2倍で、見た目や触っただけでは分からない |
すでにパンクしてしまったときの応急修理キットの使い方と落とし穴は、パンク応急修理キットの記事にまとめています。
出発前のチェックと雪道の備え
JAFは、日常点検の15項目(出典は日本自動車整備振興会連合会)のうち、バッテリーやタイヤに関わるものを、目安として1か月に一度、長距離走行前や洗車時などに点検するよう案内しています。
📊 日常点検15項目のうち、今回のデータに関係する項目(JAFのページより)
| 項目 | JAFが挙げるトラブル例・注意 |
|---|---|
| (3)バッテリー液の量 | バッテリーあがり(エンジン始動不能)、バッテリーの破裂。メンテナンスフリーバッテリー(液の補充・点検ができないタイプ)にも寿命がある |
| (6)タイヤの空気圧 | 空気圧不足による燃費悪化、走行安定性の悪化、ハンドル操作が重くなる。スペアタイヤの空気圧も点検する |
| (7)タイヤの亀裂、損傷および異状な摩耗 | パンク、バースト(破裂)、スリップ、制動距離が長くなる。亀裂・損傷・異状摩耗したタイヤでの走行はとても危険で、早急な交換が必要 |
| (8)タイヤの溝の深さ | パンク、バースト、スリップ、制動距離が長くなる。スタッドレスタイヤは溝が50%まで摩耗すると雪道・凍結路での性能が低下する |
| (14)エンジンのかかり具合および異音 | エンジンがかからない、エンジンの力不足、エンジン内部の不具合 |
雪道に出かけるなら:ノーマルタイヤは止まれない
JAFは2024年と2025年の年末のリリースで、雪道でのノーマルタイヤの危険性も呼びかけています。根拠は、2017年2月13日に北海道士別市で行ったJAFユーザーテスト(時速40kmから急ブレーキ、6種類の新品タイヤ、ABS作動、制動距離は3回の平均)です。
| 路面 | JAFのテスト結果 |
|---|---|
| 圧雪路(雪が踏み固められた状態) | スタッドレスタイヤが最も短い距離で停止。ノーマルタイヤは約1.7倍の制動距離(2024年12月のリリースでは、ノーマル29.9m・スタッドレス17.3m) |
| 氷盤路(凍結した路面) | チェーン装着が最も短い距離で停止。ノーマルタイヤはチェーン装着時の約1.8倍。スタッドレスでも氷盤路の制動距離は長くなるので過信は禁物 |
JAFは、雪道をノーマルタイヤで走ることは極めて危険で、スタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着するよう呼びかけています。また、2025年12月のリリースでは、出かける前に最新の天気予報を確認し、大雪が予想される場合は不要不急の外出を控えるなど、事前の点検や準備と慎重な判断を心がけるよう求めています。
よくある質問
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まとめ
JAFのデータで確認できたポイントは3つです。(1)2025年末年始(2025年12月27日〜2026年1月5日)のJAF出動は10日で85,707件で、1日あたりは年間平均の約1.35倍(計算)。(2)一般道の1位は過放電バッテリー(35,564件)で、破損/劣化バッテリーと合わせると約53.5%。過去3回の年末年始でも5割前後でした。寿命の目安は資料により2〜3年、2〜5年と書き方が違うため、年数だけで安心せず、無料点検などで状態を確かめることが勧められています。(3)高速道路の1位はタイヤのパンク、バースト、エアー圧不足(611件)で、JAFの2015年のテストでは偏平率45・50・80のタイヤは半分の空気圧でも見た目で正しく判断できませんでした。エアゲージで、少なくとも月に1回の点検が案内されています。
降りるときにライトとドアを確認する、出発前にバッテリーとタイヤを点検する、雪が予想されるときはスタッドレスやチェーンを備える、といった基本が、年末年始のトラブルを減らす第一歩です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。JAFの出動件数・構成比は、JAFが公表したロードサービス救援データ(四輪・二輪合計)の値で、期間や集計の区分は年によって異なります。バッテリーの寿命や劣化の進み方は使い方で変わります。点検や交換は、ディーラー・整備工場・カー用品店など専門の事業者にご相談ください。料金や条件は改定されることがあるため、最新の内容はJAFの公式ページでご確認ください(2026年10月時点)。
参考(JAF公表資料・2026年10月17日確認): ロードサービス救援データ(2025年度:シーズン別)/同(2024年度)/同(2023年度)/同(2025年度:年間)/よくあるロードサービス出動理由(2025年度の約13.7秒に1件)/ニュースリリース「昨年末年始、JAF出動は約10秒に1件!」(2025年12月18日)/ニュースリリース「前回の年末年始、出動は約12秒に1件。」(2024年12月23日)/Q&A バッテリー上がりの原因と症状、点検方法とは?/Q&A クルマのバッテリー交換の時期はいつ?/Q&A タイヤの空気圧点検と充填方法/JAFユーザーテスト 見た目や運転でわかる? タイヤの空気圧低下の検証/JAFユーザーテスト 走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ/日常点検15項目(私にもできるマイカー点検)
図はすべて自作のイラスト・グラフです(AI生成なし)。


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