中央分離帯がない高速道路(暫定2車線)を走るときの注意点

📋 この記事でわかること

  • 「暫定2車線」という高速道路がある
  • 対向車線への飛び出し事故のリスク
  • 4車線化はすでに一部で進んでいる
  • 速度超過に注意、制限速度は原則60km/h以下
  • 渋滞とヘッドライトにも要注意

「暫定2車線」という高速道路がある

高速道路や自動車専用道路の多くは、中央分離帯で上下線が区切られ、片側2車線以上で構成されています。しかし交通量が少ないなどの理由から、暫定的に片側1車線ずつの計2車線で運用されている区間も存在します。中央分離帯を設けていないことから「非分離区間」、上下線が隣り合うことから「対面通行区間」とも呼ばれます。

国土交通省の2023年発表によると、高速道路・自動車専用道路の総延長1万2200kmのうち、暫定2車線区間は約3400kmにのぼります。2016年発表のデータでは、その9割以上が樹脂製ポールで簡易的に車線を区切っただけの対面通行になっています。

対向車線への飛び出し事故のリスク

こうした区間では、対向車線への飛び出し事故が起きています。2015年には334件発生し、うち人身事故は73件、12人が死亡、149人が負傷しました。特に相手側が反対車線に飛び出して正面衝突する、いわゆる「もらい事故」による死亡は5人と、死者数の半分近くを占めています。この結果を受け、国土交通省は暫定2車線区間の4車線化を推進しており、2019年には課題の大きい約880kmを優先整備区間として選定しています。

また国土交通省の2016年発表では、暫定2車線区間での飛び出し事故の約4割が冬期(12・1・2月)に発生しているというデータもあります。すべての高速道路で交通事故が多い月は5・8・12月とされているため、暫定2車線区間には冬に事故が集中するという際立った特徴があるといえます。

4車線化はすでに一部で進んでいる

暫定2車線区間の危険性を受け、国土交通省は優先整備区間を選定して4車線化を進めており、区間によっては実際に対面通行が解消されたところもあります。ただし全国の暫定2車線区間は総延長で約3400kmにのぼるため、4車線化がすべて完了するにはまだ長い年月がかかる見通しです。地方の高速道路を利用する機会が多い方は、自分がよく使う区間がすでに4車線化済みなのか、それとも今も暫定2車線のままなのかを一度確認しておくと、走行中の心構えが変わってくるはずです。国土交通省やNEXCO各社の公式サイトでは、整備状況や優先区間の情報が公開されています。

速度超過に注意、制限速度は原則60km/h以下

飛び出し事故の主な原因として考えられているのが、スピードの出し過ぎです。通常の高速道路の制限速度が80km/hや100km/hに設定されているのに対し、暫定2車線区間は原則として60km/h以下です。片側2車線以上の高速道路と同じ感覚で走っていると、知らないうちに制限速度を超えてしまうかもしれません。速度超過はハンドル操作のミスやスリップを引き起こす要因にもなるため、見通しの良い道路であっても制限速度の順守を心がけましょう。

渋滞とヘッドライトにも要注意

暫定2車線道路は、事故や故障車の影響で渋滞が起こりやすいことも特徴です。前方を走る車に注意を払い、速度に応じた適切な車間距離を保つことが事故防止につながります。また夜間走行では、ヘッドライトの照射方向にも配慮が必要です。中央分離帯がない対面通行区間では光を遮る物がないため、ハイビームのままだと対向車のドライバーがまぶしく感じてしまいます。対向車の走行を妨げないよう、状況に応じてヘッドライトを下向き(ロービーム)に切り替えましょう。

まとめ

中央分離帯のない暫定2車線の高速道路は、対向車線への飛び出し事故のリスクが高く、特に冬場に事故が集中する傾向があります。制限速度(原則60km/h以下)を守り、車間距離を保ち、夜間はヘッドライトを適宜下向きに切り替える。この3点を意識するだけでも、リスクを大きく減らすことができます。

参考: JAF「クルマ何でも質問箱」中央分離帯がない高速道路を走るときの注意点は?(出典: 国土交通省「高速道路の暫定2車線区間の4車線化について」「暫定二車線区間の現状と課題」)

アイキャッチ画像: 上北自動車道天間林道路(七戸IC – 七戸北IC) by 国土交通省東北地方整備局青森河川国道事務所, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

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