自動車税・軽自動車税の「グリーン化特例」は、車の購入・維持で意外と見落とされがちな制度です。この記事では、令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)にもとづく2026年度時点の最新情報を整理しました。(2026年9月時点の情報)
※2026年10月24日に、延長の対象と「2028年度以降の見直し」の記述を、財務省の大綱本文・地方税法の条文・与党大綱で確認し直して修正しました。
📋 この記事でわかること
- グリーン化特例(軽課・重課)の2026年度時点の内容
- 【重要】環境性能割が2026年3月末で廃止された経緯
- エコカー減税(自動車重量税)との違い
- 2028年度以降の見直しの方向(与党大綱の記載)
⚠️ 自動車関係の税制は改正が多く、古い情報のまま判断すると誤解が生じやすい分野です。この記事は令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日閣議決定)にもとづいています。最新情報は国土交通省・総務省の公式サイトでご確認ください。
グリーン化特例(軽課・重課)の適用期限は2年延長
グリーン化特例は、環境性能の良い車の税負担を軽くし(軽課)、新規登録から一定年数が経過した車の税負担を重くする(重課)制度です。令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日閣議決定)は、自動車税の軽課・重課の適用期限を2年延長し、軽自動車税は軽課(電気軽自動車・天然ガス軽自動車)の適用期限を2年延長するとしています。軽自動車税の重課(13年超)は、大綱の延長の対象としては出てきません(地方税法附則第30条第1項は期限の日付がなく「当分の間」)。自動車税の重課は、条文では「重課の対象になる最初の登録日の上限」が2年分後ろにのびています(ガソリン・LPG車は平成25年3月31日まで→平成27年3月31日まで、ディーゼル車等は平成27年→平成29年。地方税法附則第12条の3第1項)。制度の内容自体(軽減率・重課率)は2024年時点から変更ありません。
軽課(環境性能の良い車)
- 対象:電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車(一定の排出ガス基準適合)、プラグインハイブリッド自動車
- 内容:自動車税・軽自動車税とも概ね75%軽減(新車新規登録の翌年度分のみ、1回限り)
単純なガソリンハイブリッド車(HV)は軽課の対象に含まれません。一部報道で「総務省がHVを重課対象に含める方針」と伝えられたこともありますが、令和8年度税制改正の大綱には反映されておらず、2026年9月時点でHVは重課対象外のままです。
重課(新規登録から一定年数経過した車)
- ガソリン車・LPG車:新車新規登録から13年超で概ね15%重課
- ディーゼル車:新車新規登録から11年超で概ね15%重課
- 軽自動車税:初回車両番号指定を受けた月から14年を経過した月の属する年度以後、概ね20%重課(地方税法附則第30条第1項)
- 適用除外:電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・メタノール自動車・ガソリンハイブリッド自動車(単純HVも重課対象外)・一般乗合バス・被けん引車
【最重要】環境性能割は2026年3月末で廃止
2024年時点の記事でよく説明されていた「環境性能割」(取得時に燃費性能に応じて0〜3%課税される制度)は、令和8年3月31日(2026年3月31日)をもって廃止されました。これに伴い、呼称も「自動車税種別割」→「自動車税」、「軽自動車税種別割」→「軽自動車税」に変更されています。廃止前に取得した分については経過措置として従前どおり課税されます。
廃止の背景には、米国関税措置による自動車産業への影響緩和や、取得時負担の軽減・簡素化を図る目的があるとされています。廃止による地方税の減収分は、安定財源が確保されるまでの間、国が責任を持って手当てする方針が法案に規定されました。
エコカー減税(自動車重量税)との違い
グリーン化特例(自動車税・軽自動車税、地方税)と混同されやすいのが、エコカー減税(自動車重量税、国税)です。
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| 制度 | 税目 | 課税タイミング | 2026年度の扱い |
|---|---|---|---|
| エコカー減税 | 自動車重量税(国税) | 新車新規検査・車検時 | 適用期限を2年延長(2026年5月1日〜2028年4月30日)、燃費基準要件は段階的に引き上げ |
| グリーン化特例 | 自動車税・軽自動車税(地方税、保有課税) | 毎年度(4月1日時点の所有者) | 自動車税の軽課・重課と軽自動車税の軽課の適用期限を2年延長(軽自動車税の重課は延長の対象としては出てこない) |
| 環境性能割 | 自動車税・軽自動車税(地方税、取得課税) | 取得時(1回のみ) | 2026年3月31日で廃止 |
2028年度以降の見直しの方向(与党大綱の記載)
与党の大綱(令和7年12月19日)は、令和10年度以後の自動車税・軽自動車税のあり方を令和9年度税制改正で結論を得る、としています。そのなかで、令和10年度以後に新車新規登録を受けた電気自動車の乗用車(燃料電池自動車を含む)には、現行の最低税率を一律に適用する方式を見直し、車両重量に応じた課税方式を導入する、とされています。また、EV・PHEVの自家用の乗用車の車検時の自動車重量税には、令和10年5月1日から車両重量に応じた特例加算を行う方針で、法制化は令和9年度税制改正で行い、税率は検討して結論を得る、とされています。これらは与党大綱の記載で、閣議決定の大綱本文(財務省版)には出てきません。
チェックリスト
- 購入予定の車がグリーン化特例(軽課75%)の対象になるか確認したか
- 環境性能割が2026年3月末で廃止されている点を理解しているか
- 13年・11年経過した車の重課について把握しているか(ガソリンHVは対象外)
- 2028年度以降のEV課税見直しの動向を今後もチェックする予定か
まとめ
グリーン化特例そのものの内容(軽課75%・重課15〜20%)は2024年から大きな変更はなく、大綱で適用期限が2年延長されました(対象は自動車税の軽課・重課と軽自動車税の軽課)。一方で、同じ自動車関係諸税の中でも「環境性能割」は2026年3月末で完全に廃止されるという大きな制度変更があった点は見落とされがちです。古い情報のまま判断しないよう、最新の制度を確認した上で検討することをおすすめします。
アイキャッチ画像: Car dashboard on highway (Unsplash) by Arkady Lifshits / overdriv3, CC0


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