最近の新車に乗ると、ヘッドライトを手動で消せない場面があります。故障ではなく、保安基準で定められたオートライトの義務化によるものです。ただし国の基準には停車中などの例外があり、消せる条件は車によって異なります。この記事では、国土交通省の資料をもとに、対象と時期、作動の基準、消せない理由と例外、既存車の扱いを整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 保安基準の改正は、平成28年(2016年)10月7日に公布・施行。薄暮時の交通事故の実態を踏まえたもの
✔ 適用時期は、新型車が2020年4月、継続生産車が2021年10月(乗用車など)。バス・大型トラックは新型車2021年4月、継続生産車2023年10月
✔ 周囲が1,000ルクス未満で、2秒以内に点灯。走行中は原則、自動点灯機能を手動で解除できない仕組み(義務の対象の車)
✔ ただし国の基準には例外がある。変速装置が「駐車」の位置、駐車ブレーキの作動中、始動後に動かすまでの停車中、前部霧灯の点灯中などは、消灯したままでもよい。2回以上の意図的な操作で解除できる設計の車もあり、車によって異なる(細目告示 別添52)
✔ 既存車・中古車は対象外。オートライトなしでも車検は通る(JAF)
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
義務化の内容と適用時期
国土交通省は、平成28年10月7日に、道路運送車両の保安基準等を改正し、すれ違い用前照灯(ロービーム)の自動点灯(オートライト)機能を義務付けました。特に薄暮時の交通事故の実態を踏まえたものと説明されています。
📊 適用時期(国土交通省の資料より)
| 対象の自動車 | 新型車の適用 | 継続生産車の適用 |
|---|---|---|
| 専ら乗用で乗車定員11人以上、貨物で車両総重量3.5t超 | 2021年4月 | 2023年10月 |
| 上記以外の自動車(一般的な乗用車・軽自動車・小型トラックなど) | 2020年4月 | 2021年10月 |
📌 補足
国土交通省の資料では、適用範囲から、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、被牽引自動車は除かれています。
オートライトの作動基準
📊 点灯・消灯の要件(国土交通省の資料より)
| 周囲の照度 | すれ違い用前照灯 | 応答時間 |
|---|---|---|
| 1,000ルクス未満 | 点灯する | 2秒以内 |
| 1,000ルクス以上7,000ルクス以下 | 自動車製作者の定めるところによる | 自動車製作者の定めるところによる |
| 7,000ルクス超 | 消灯する | 5秒超300秒以内 |
この点灯・消灯の要件は、国連の「灯火器の取付けに係る協定規則(第48号)」における、すれ違い用前照灯の自動点灯・消灯機能と同等の要件と説明されています。
💡 ポイント
1,000ルクスから7,000ルクスの間は、メーカーが決めます。そのため、同じ明るさでも、車種によって点灯・消灯のタイミングが少し違うことがあります。
なぜ走行中は手動で消せないのか、例外はあるか
2016年の国土交通省の発表は、オートライトのうち、自動点灯に係る機能は、手動による解除ができないものでなければならないとしています。JAFも、走行中は手動で消灯できない仕様と説明しています。ただし、現行の細目告示(別添52)の4.2.7.5には例外があり、次の場合は「消灯したままの状態であってもよい」(自動点灯を解除している状態、または手動で消灯させたとき)とされています。どの例外に当たるか、どう操作すれば解除できるかは車によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
📊 場面ごとの扱い
| 場面 | 扱い | 出典 |
|---|---|---|
| 走行中に暗くなった | 自動で点灯する。走行中は原則、手動で解除できない仕組み(義務の対象の車) | 国土交通省・JAF |
| 変速装置が「駐車」の位置にある/駐車ブレーキが作動している/始動後、車両を動かすまでの停車中 | 自動点灯を解除した状態や、手動で消灯したままの状態でもよい | 細目告示 別添52 4.2.7.5.1〜4.2.7.5.3、JAF |
| 前部霧灯を点灯している(走行用前照灯=ハイビームの点灯中も、2016年発表の注記では除外) | 同様に、消灯したままの状態でもよい場合に含まれる | 細目告示 別添52 4.2.7.5.5、国土交通省の2016年の発表の注記 |
| 自動点灯を、2回未満の意図的な動作では手動で解除できない設計になっていて、車幅灯・尾灯などが点灯している | 消灯したままの状態でもよい場合に含まれる。速度15km/h以下では、車幅灯・尾灯などが消えていてもよいが、その間は光と、音または触覚で運転者に警告する | 細目告示 別添52 4.2.7.5.4 |
| 明るくなったときの自動消灯 | 手動で解除できる構造とすることができる | 細目告示 別添52 4.2.7.5(なお書き) |
これらの状態でなくなると、自動で点灯・消灯する機能は再開します(4.2.7.6)。また、周囲が1,000ルクス以上のときは、時刻・自動車の位置・雨・霧など、照度以外の条件で自動的に点灯・消灯してもよいとされています(4.2.7.7)。出典: 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 別添52(国土交通省、2025.9.26版)
⚠️ 注意
信号待ちなど、停車中の消灯の可否は、車種の仕様によります。「駐停車状態にある場合等」の扱いは、取扱説明書で確認してください。
📌 補足
国土交通省の資料では、点灯・消灯の照度などの要件は、国連の協定規則と同等とされています。走行中にライトを手動で消せない点は、この基準の特徴ですが、これを「日本だけの独自基準」と断定する根拠は、今回は確認できませんでした。
既存車・中古車、後付けについて
📊 既存車・中古車の扱い
| ケース | 扱い | 出典 |
|---|---|---|
| すでに販売されている車・中古車 | オートライト搭載の義務は課されていない | JAF |
| オートライト非搭載の車の車検 | 従来の車両は、オートライトなしでも車検を通せる | JAF |
| 非搭載車への後付けキット | 公的資料では確認できなかった(製品の仕様・保安基準への適合は、販売店に要確認) | 要確認 |
⚠️ 注意
ライトの操作方法や、スイッチの位置・表示は車種によって異なります。取扱説明書で確認し、無灯火にならないように注意しましょう。
新車で戸惑わないためのチェックリスト
🧭 新車のオートライトで確認したい手順
取扱説明書で、ライトの操作を確認する
スイッチの位置(AUTOなど)と、手動で消せる条件を確認します。
納車直後に、作動を確かめる
販売店の説明を受け、夕暮れ時の作動の様子も確認します。
警告や表示があれば、確認する
ライトの故障や異常を示す表示が出たときは、販売店に確認します。
📝 オートライトのチェックリスト
☑️ 取扱説明書のライト操作の項目を確認した
☑️ ライトスイッチの位置を確認した
☑️ 暗くなったとき、自動で点灯するか確認した
☑️ 停車中に消灯できる条件を確認した
☑️ 天候が悪いときは、自分でも点灯を意識している
よくある質問
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まとめ
オートライトは、薄暮時の事故を減らすため、2020年4月の新型車から順次義務化されました。周囲が1,000ルクス未満で点灯し、走行中は原則、自動点灯を手動で解除できません(停車中などの例外があり、車によって異なります)。既存車や中古車には搭載の義務がなく、車検にも影響しません。新車では、取扱説明書でライトの操作を確認しておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法律・制度に関する個別の判断は、警察・運輸支局・検査協会などの公的窓口や専門家にご相談ください。基準・手数料・期間は変更されることがあるため、最新の内容は各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。


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