日本の道路は、全部つなぐと何kmになるのでしょうか。YouTubeのショート動画「日本の道路は全部で何km?約128万kmは地球約32周分」では、国土交通省の統計をもとに「約128万km」「高速自動車国道は約9,300km」「トンネルは約1万600か所」と紹介しました。
この記事では、国土交通省「道路統計年報2025」(令和6年3月31日時点)のExcel表と凡例を直接開いて数字を確認し直し、動画では触れなかった「総延長」と「実延長」の違い、道路の種類ごとの内訳、トンネルの長さ別の数を、表の数字といっしょに整理しました(確認日:2026年10月18日)。
📋 この記事の要点
✔ 道路法の道路(高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道)の総延長は1,285,614.0km(約128.6万km)。動画の「約128万km」はこの総延長で、林道・農道は含まない
✔ 重なっている区間などを除いた実延長は1,231,332.8km(約123.1万km)。地球(赤道約40,075km)に対して、総延長なら約32.1周、実延長なら約30.7周
✔ 総延長の種類別の割合は、市町村道83.0%・都道府県道11.1%・一般国道5.2%・高速自動車国道0.7%
✔ 高速自動車国道の総延長は9,317.3km。このうち供用中の実延長は9,201.2kmで、差の116.1kmは年報の凡例でいう未供用延長(路線の認定の告示がなされているが、まだ供用開始の告示がなされていない区間)
✔ 道路トンネルは10,597か所。100m〜500m未満が5,312か所(50.1%)で、1km以上は1,315か所
🎬 動画で見る(ショート)
この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
(1)「約128万km」は「総延長」(1,285,614.0km)です。端数を切り捨てた言い方で、四捨五入なら約129万kmになります。重なりや未供用などを除いた「実延長」は1,231,332.8km(約123万km)で、地球に対しては約30.7周です。
(2)「高速自動車国道は約9,300km」も総延長(9,317.3km)です。供用中の実延長は9,201.2km(約9,200km)で、差の116.1kmは、年報の凡例でいう未供用延長(路線の認定の告示がなされているが、まだ供用開始の告示がなされていない区間)です。なお、動画の「高速道路の数字」は高速自動車国道のことで、一般国道の自動車専用道路(首都圏中央連絡自動車道など)は含まれていません。
1. 「全部」の範囲は道路法の道路4種類
道路統計年報の凡例は、調査の対象を「道路法が適用される高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道」と定めています。国土交通省の「道の相談室」も、林道や農道など他の法律で所管する道路は含まれないと説明しています。つまり「日本の道路は全部で約何km」という数字は、道路法上の4種類の道路だけを足したものです。
📜 道路法 第3条(条文の引用)
道路の種類は、左に掲げるものとする。 一 高速自動車国道 二 一般国道 三 都道府県道 四 市町村道
道路法第2条第1項は、道路にはトンネル、橋、渡船施設なども「道路と一体となつてその効用を全うする施設又は工作物」として含まれると定めています。トンネルも橋も、道路の長さの一部として数えられています。
📊 道路法の4種類と、管理する人(条文で確認)
| 種類 | 意味(要旨) | 管理する人 |
|---|---|---|
| 高速自動車国道 | 自動車の高速交通の用に供する道路で、全国的な自動車交通網の枢要部分を構成するもの。政令で路線を指定(高速自動車国道法第4条) | 国土交通大臣(同法第6条) |
| 一般国道 | 高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成する道路で、政令で路線を指定(道路法第5条) | 指定区間は国土交通大臣、指定区間外は都道府県(第13条第1項)。指定区間外のうち指定市の区域内は指定市(第17条第1項) |
| 都道府県道 | 地方的な幹線道路網を構成する道路で、都道府県知事が路線を認定(第7条) | 都道府県(第15条)。指定市の区域内は指定市(第17条第1項) |
| 市町村道 | 市町村の区域内の道路で、市町村長が路線を認定(第8条) | 市町村(第16条) |
年報は道路法の種類で数えるため、いわゆる「高速道路」でも一般国道の自動車専用道路は「一般国道」側に入ります。京都府の解説(2020年11月19日更新)は、高規格幹線道路を「高速自動車国道」と「一般国道の自動車専用道路」からなるとし、後者の例として首都圏中央連絡自動車道、東海環状自動車道などを挙げています。首都高速などの都市高速道路がどの区分で数えられているかは、今回確認できた資料ではわかりませんでした。
2. 総延長と実延長はなにが違う?
年報2025の表2(道路現況総括表)には、長さを表す数字が2種類あります。凡例の定義と、合計欄の数字を並べます。
📊 総延長から実延長まで(令和6年3月31日時点・全国合計)
| 項目 | 長さ | 凡例の定義 |
|---|---|---|
| 総延長 | 1,285,614.0 km | 道路法の規定に基づき指定又は認定された路線の全延長 |
| − 重用延長 | 35,680.8 km | 上級の路線に重複している区間の延長 |
| − 未供用延長 | 18,555.3 km(うち海上区間 2,027.3km) | 路線の認定の告示がなされているが、まだ供用開始の告示がなされていない区間の延長 |
| − 渡船延長 | 45.1 km | 海上、河川、湖沼部分で渡船施設があり、道路法の規定に基づき供用開始されている区間の延長 |
| = 実延長 | 1,231,332.8 km | 総延長から重用延長、未供用延長及び渡船延長を除いた延長 |
計算すると、1,285,614.0 − 35,680.8 − 18,555.3 − 45.1 = 1,231,332.8 kmで、表の実延長と一致します(凡例のとおり、数値は四捨五入のため合計が合わない場合があります)。差し引かれる分は総延長の約4.2%で、大きな差ではありませんが、「どちらの数字か」で地球の周回数は約1.4周変わります。

📊 地球の周回数の計算
| 長さ(km) | ÷ 赤道一周(約40,075km) | |
|---|---|---|
| 総延長 | 1,285,614.0 | 約32.1周 |
| 実延長 | 1,231,332.8 | 約30.7周 |
赤道一周は、国土地理院の資料に載っているGRS80楕円体の赤道半径6,378.137kmから、2π×半径で求めた約40,075kmです(赤道一周の値を直接書いた公的ページは確認できなかったため、計算で示しています)。動画では約4万kmとして「約32周」と紹介しており、総延長で数えた場合は一致します。
資料によって数字が少し違う理由
同じ「総延長」でも、年版や資料によって数字が少し違います。それぞれ別の資料の数字なので、混ぜずに並べます。
| 資料 | 時点 | 総延長(km) | 実延長(km) |
|---|---|---|---|
| 道路統計年報2025 表2(本記事) | 令和6年3月31日 | 1,285,614.0 | 1,231,332.8 |
| 道路統計年報2024 表2(現在の公開ファイル) | 令和5年3月31日 | 1,285,342.7 | 1,231,023.6 |
| 国土交通省「道の相談室」(出典を年報2024と表示。訂正前の値と一致) | 令和5年3月31日 | 1,285,403.6 | 1,231,084.7 |
国土交通省の「道路統計年報」ページには、年報2023・2024について2026年3月31日付の訂正(表2などを含む)が掲載されています。年報2025は訂正の対象に載っていません。年報2024の公開ファイルと「道の相談室」の数字が違う理由は、この正誤表で確認できます。正誤表(令和8年3月31日付)の表2では、年報2024の総延長が1,285,403.6kmから1,285,342.7kmに、実延長が1,231,084.7kmから1,231,023.6kmに訂正されており、「道の相談室」の数字は訂正前の値と一致します。数字を引用するときは、総延長か実延長か、どの年版・時点かをそろえて書くのが安全です。
3. 種類別の長さ:市町村道が8割超

📊 道路の種類別の長さ(年報2025 表2、令和6年3月31日時点)
| 種類 | 総延長(km) | 総延長の割合 | 実延長(km) |
|---|---|---|---|
| 高速自動車国道 | 9,317.3 | 0.7% | 9,201.2 |
| 一般国道 | 66,556.6 | 5.2% | 56,193.4 |
| 都道府県道 | 142,958.3 | 11.1% | 129,836.4 |
| 市町村道 | 1,066,781.8 | 83.0% | 1,036,101.8 |
| 合計 | 1,285,614.0 | 100.0% | 1,231,332.8 |
市町村道は総延長の83.0%(実延長で数えると84.1%)で、動画の「8割以上」と一致します。高速自動車国道は総延長の0.7%(実延長でも0.7%台)で、「1%にも満たない」という紹介も表のとおりです。
高速自動車国道の総延長9,317.3kmと実延長9,201.2kmの差(116.1km)は、すべて未供用延長です。重用延長は0kmで、他の道路と重なって数えられている区間はありません。一方、重用延長35,680.8kmの内訳は、一般国道8,044.6km、都道府県道11,562.9km、市町村道16,073.3kmです。
都道府県別では北海道が最長
年報の概況の表では、都道府県別の実延長(政令市を含み、高速自動車国道を除く)の上位は、北海道89,955.7km(この合計1,222,131.6kmの7.4%)、茨城県55,453.5km、愛知県50,487.6km、長野県47,764.3km、埼玉県47,355.0kmの順です。
4. トンネルは10,597か所

トンネルの現況(表74)では、全国の道路トンネルは10,597か所、延長の合計は5,111.1kmです。長さ別には、100m〜500m未満が5,312か所で全体の50.1%と最も多く、500m未満のトンネルで見ると、100m未満の2,334か所を合わせて7,646か所(72.2%)になります。1km以上のトンネルは1,177+119+16+3=1,315か所で、このうち10km以上は全国で3か所(高速自動車国道2、一般都道府県道1)です。
📊 道路の種類別のトンネル箇所数(表74)
| 種類 | 箇所数 | 合計に占める割合 |
|---|---|---|
| 高速自動車国道 | 1,188 | 11.2% |
| 一般国道 | 4,323 | 40.8% |
| 都道府県道 | 2,738 | 25.8% |
| 市町村道 | 2,348 | 22.2% |
| 合計 | 10,597 | 100.0% |
年報の凡例では、「トンネル」を、山腹・台地・地下・水底など自然の障害物を通過するために設けられ、人や車が通れる内空断面をもつ道路構造物と定義しています。地下横断歩道、ボックスカルバート、ロックシェッド、スノーシェッドなどは含まれません。県をまたぐトンネルは、管理する都道府県(指定市)に計上されます(両方で管理する場合は協議で一方に、管理区域が複数にわたる場合は延長の長い方に計上)。上り線と下り線を別々に数えるかどうかなどの「箇所」の数え方は、凡例からは確認できませんでした。
なお、国土交通省の「道の相談室」は、令和5年3月31日現在(出典を年報2024と表示)のトンネルを10,571か所と案内しています。年報2025の10,597か所とは別の時点の資料です。
補足:表74-1(長さ別)の注記には「令和4年3月31日」と書かれていますが、年報2025の凡例と表74-2の注記は令和6年3月31日で、合計も10,597か所で一致します。本記事は凡例にしたがい令和6年3月31日時点として扱いました(注記の記載は古い表記が残ったものと考えられます)。
5. よくある質問
まとめ
日本の道路(道路法の道路)の長さは、総延長が1,285,614.0km(約128.6万km、地球約32.1周)、実延長が1,231,332.8km(約123.1万km、約30.7周)です。動画の「約128万km」は総延長でした。種類別では市町村道が83.0%を占め、高速自動車国道は0.7%(総延長9,317.3km、供用中の実延長は9,201.2km)です。道路トンネルは10,597か所で、100m〜500m未満が約半分、1km以上は1,315か所でした。
「全部で何km」と聞かれたら、総延長か実延長か、どの年版かを添えて答えると正確です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。統計の数値は毎年更新・訂正されることがあるため、最新の内容は国土交通省「道路統計年報」の公式ページでご確認ください(確認日:2026年10月18日)。割合・周回数・合計・上位順位は、公表された表の数字から筆者が計算したものです。
参考(一次情報・公的機関): 国土交通省 道路統計年報(年報2025:概況・正誤情報)/道路統計年報2025 道路の現況(表2・表3、令和6年3月31日時点)/同 道路の現況 凡例/同 橋梁の現況(表63)/同 トンネルの現況(表74)/同 トンネルの現況 凡例/同 正誤情報/国土交通省 道の相談室「日本の道路の総延長はどのくらいですか?」(令和5年3月31日現在)/同「日本の道路に橋やトンネルはいくつありますか?」/同「区分の基準を教えてください」/e-Gov法令検索 道路法(第2条・第3条・第5条・第7条・第8条・第13条・第15条〜第17条)/同 高速自動車国道法(第4条・第6条)/国土地理院「地球の形と経度・緯度」(GRS80楕円体の赤道半径)/京都府 高速道路の種類(2020年11月19日更新)
図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。


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