📋 この記事でわかること
- 「あおり運転」とは何か
- 罰則はどのくらい重いのか
- 自転車の「あおり運転」も処罰対象
- もしあおり運転を受けたら、どう行動すべきか
- まとめ
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
「あおり運転」とは何か
「あおり運転」とは、後方から車間距離を詰めて威嚇したり、前方に割り込んで急ブレーキを踏んだり、幅寄せをしたりするなどの悪質かつ危険な運転行為を指します。以前は法律上の明確な規定がありませんでしたが、2020年6月30日施行の改正道路交通法およびその施行令により、あおり運転(妨害運転)の対象となる違反行為が明確化され、罰則も新設されました。
警察庁の資料によると、対象となる違反行為には、対向車線へのはみ出しなどの通行区分違反、不要な急ブレーキをかける急ブレーキ禁止違反、車間距離を極端に詰める車間距離不保持、急な進路変更、左からの追い越し、執拗なパッシングにあたる減光等義務違反、不必要なクラクションを繰り返す警音器使用制限違反、幅寄せや急な加減速といった安全運転義務違反、さらに高速道路本線での低速走行や駐停車といった行為が含まれます。
罰則はどのくらい重いのか
あおり運転(妨害運転)をした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、免許は取り消しになります(欠格期間2年、前歴や累積点数がある場合は最大5年)。さらに、高速道路などで他の車を停止させるなど著しい交通の危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科され、免許取り消し(欠格期間3年、前歴等がある場合は最大10年)というより重い処分になります。
加えて2020年7月2日には改正自動車運転死傷行為処罰法が施行され、高速道路などで他の車の通行を妨害する目的で停止・徐行させる行為などが「危険運転致死傷罪」の対象に加えられました。これにより、道路交通法よりもさらに厳しい罰則が科される可能性があります。
自転車の「あおり運転」も処罰対象
2020年の改正道路交通法は、自動車だけでなく自転車の妨害運転行為にも適用されます。逆走して進路をふさぐ、幅寄せ、不必要な急ブレーキ、ベルを執拗に鳴らす、車間距離を詰めるといった行為が対象で、14歳以上の自転車利用者が3年以内に2回摘発されると、安全講習の受講が義務付けられ、受講しないと5万円以下の罰金が科されます。ただし、減光等義務違反(パッシングの執拗な使用)や高速道路上での違反など、自転車には構造上あてはまらない一部の類型は対象外です。自動車を運転する側から見ると、自転車の急な進路変更や幅寄せに遭遇した場合も、同様に妨害運転として扱われうるという認識を持っておくと、ドライバー・自転車利用者どちらの立場でも冷静な対応につながります。
もしあおり運転を受けたら、どう行動すべきか
実際にあおり運転を受けた場合は、まず駐車場などの安全と思われる、人目の多い場所へ避難しましょう。近くの警察署や交番に助けを求めても構いません。高速道路であれば、サービスエリアやパーキングエリアなどの休憩施設へ避難するのが安全です。車線上や路側帯にそのまま停車すると、後続車に追突される危険があるため避けましょう。
駐車場ではできるだけ人目の多い場所に停め、相手が追ってくる可能性も考えてドアをロックし、ためらわずに携帯電話などで110番に通報します。同乗者がいる場合は、走行中でも通報を頼みましょう。相手から脅しや挑発を受けても取り合わず、不用意に車外へ出ないことが重要です。警察官が到着するまでは車内で待機し、身の安全を最優先に確保してください。
また、ドライブレコーダーの映像は非常に重要な証拠になります。相手がその場を立ち去ってしまった場合でも、記録された映像がその後の捜査に役立つことがあるため、日頃からドライブレコーダーを設置しておくことをおすすめします。
まとめ
あおり運転は2020年の法改正で罰則が明確化され、悪質なケースでは免許取り消しや懲役刑にまで至る重大な違反行為です。万一遭遇した場合は、その場で対抗せず、安全な場所への避難とドアロック、速やかな110番通報を徹底しましょう。ドライブレコーダーの映像も、身を守るための有力な備えになります。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」「あおり運転」をされたら、どうすればよいのでしょうか?(警察庁、内閣府「政府広報オンライン」)
コメント