パンクは、JAFの出動理由の第2位(2025年度)にあがる、身近なトラブルです。スペアタイヤを積んでいる車なら、手順を知っておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。ただし、場所によっては、自分で作業しないことが安全です。この記事では、自分で交換してよい場面と、ロードサービスに任せる場面、JAFが案内する手順、締め付けのポイント、交換後の確認を、JAFなどの公的な情報で整理しました。
📋 この記事の要点
✔ JAFは、高速道路上でのパンクは、二次事故の危険が高いため、自分でタイヤ交換を行うことを絶対に避けるよう案内している
✔ JAFの手順は、①安全な場所に停止、②パンクしたタイヤの対角線上のタイヤに輪止め、③ナットを少し緩めてジャッキアップ、④ナットを外して交換、⑤ナットを2〜3回に分けて仮締め、⑥ジャッキを外して本締め(規定トルク)
✔ テンパータイヤ(応急用タイヤ)は、あくまで応急用。取扱説明書の速度・距離の制限を守り、一般的には時速80km以下が目安(JAF)
✔ JAFの非会員の料金は、夜間・一般道でのスペアタイヤ交換作業で25,630円。会員は無料(JAFのページ・2026年9月25日確認)
✔ スペアタイヤや工具が積まれていない車も増えている。応急修理キットは、トレッド面の小さな穴にしか使えない(JAF)
📑 目次
1. 自分で交換するか、ロードサービスを呼ぶか
パンクに気づいたら、最初に、周囲の安全を確認し、ほかのクルマの邪魔にならない場所に停止します。そのうえで、その場でタイヤ交換をしてよいかを判断します。JAFは、特に危険な場所では、自分で作業しないよう案内しています。
📊 パンクしたときの判断(JAFの案内・2026年9月25日確認)
| 状況 | JAFの案内・判断の考え方 |
|---|---|
| 高速道路上 | 自らタイヤ交換の作業をすることは、絶対に避ける。路肩に停車した車両へ後続車が追突する事故が発生している。安全な場所へ避難し、ロードサービスへ依頼する |
| 路肩(走行車線のすぐ脇) | 通過車両に作業者が巻き込まれる危険性が極めて高い。路肩でのタイヤ交換は行わない。やむを得ず停車する場合は、ハザードランプを点灯し、発炎筒や停止表示器材を設置し、ガードレールの外側など安全な場所へ避難する |
| 平らで硬く、交通の邪魔にならない場所(駐車場など) | スペアタイヤ、ジャッキ、工具が搭載されていれば、手順に沿って交換できる |
| スペアタイヤ・ジャッキ・レンチがない | 最近は、ジャッキやレンチ、テンパータイヤが標準装備されていない車も増えている。工具・応急用タイヤがない場合や、自信がない場合は、無理をせずJAFなどに依頼する |
| 応急修理キット搭載車 | 補修材をタイヤ内部に注入して、穴を一時的にふさぐ。対応できるのはトレッド面の小さな穴に限られ、サイドウォールの損傷や、広範囲の亀裂・大きな貫通穴には使えない |
⚖️ 根拠となる制度
JAFの解説によると、高速道路で故障などにより停止したときは、道路交通法第75条の11で、停止していることを表示することが定められています。具体的には、停止表示板などの停止表示器材を、車の後方に置くことが、道路交通法施行令第27条の6で定められています。発炎筒(非常信号用具)は、停止表示板の手前で後続車に注意を促すときに使いますが、法令では用途についての規定はありません。停止表示器材は、車両に備え付けられていない場合があります。
⚠️ 釘などが刺さっているのを見つけたら
JAFは、釘やネジなどが刺さっているのを発見しても、その場で引き抜いてはいけないと案内しています。引き抜くと、空気が一気に抜けて、自走不能になるおそれがあります。パンクしたまま走り続けることも避けましょう。ホイールが損傷したり、タイヤが発熱して、バーストにつながったりするおそれがあります。
2. 用意するものと、事前の確認
スペアタイヤの交換に必要な道具は、多くの場合、車に搭載されています。ただし、車によって、搭載されている工具やスペアタイヤの種類が異なるため、普段から、取扱説明書で、場所と使い方を確認しておくと安心です。
📊 準備するもの
| 用意するもの | 内容・確認すること | 出典 |
|---|---|---|
| スペアタイヤ | 「テンパータイヤ(応急用タイヤ)」と、通常タイヤと同サイズのスペアタイヤの2種類がある。空気圧の指定値は、側面などに記載。テンパータイヤは、普通のタイヤの約2倍の指定圧(見た目では分からない) | JAF |
| ジャッキ・ホイールナットレンチ | 車載のものを使う。ジャッキアップポイントは、取扱説明書で確認する | JAF |
| 輪止め(タイヤ止め) | パンクしたタイヤの対角線上にあるタイヤにかける | JAF |
| 停止表示器材・ハザードランプ | 三角表示板などを、車の後方に置く。ハザードランプを点灯する | JAF |
| トルクレンチ(あれば) | ホイールナットを、規定のトルク(締め付ける力)で締められる専用工具。JAFは、万が一に備え、車載しておくと便利としている | JAF |
| 取扱説明書 | 規定トルク、ジャッキアップポイント、テンパータイヤの速度・距離の制限が記載されている | JAF |
📝 普段から確認しておくチェックリスト
☑️ スペアタイヤ(または応急修理キット)、ジャッキ、レンチの場所を確認した
☑️ スペアタイヤの空気圧を点検した(テンパータイヤは、側面などの指定圧を確認)
☑️ 取扱説明書で、ジャッキアップポイントと、ホイールナットの規定トルクを確認した
☑️ 停止表示器材(三角表示板など)が、車内にある
☑️ ロードサービス(JAF、自動車保険、クレジットカード付帯など)の連絡先を、スマートフォンなどに控えた
3. スペアタイヤへの交換の手順
JAFが案内している、パンク時のスペアタイヤ(応急用タイヤ)への交換手順を、順に整理します。「ナットを少し緩めてからジャッキアップ」「仮締めをしてから本締め」の2点が、大切なポイントです。
🧭 スペアタイヤ交換の流れ(JAFの解説をもとに整理)
安全な場所に停止する
パンクに気づいたら、周囲の安全を確認し、ほかのクルマの邪魔にならない場所に停止します。ハザードランプを点灯し、三角表示板を設置します。平らで固い地面が望ましい場所です。
輪止めをかける
パンクしたタイヤの対角線上にあるタイヤに、輪止めをかけます。駐車ブレーキをかけ、AT車はパーキングに入れます(車種により異なるため、取扱説明書を確認)。
ホイールナットを少しだけ緩める
ホイールキャップが付いているものは外します。地面にタイヤがついているうちに、ホイールナットを少しだけ緩めます。この段階では、ナットは外しません。
ジャッキアップする
ジャッキアップポイントを確認し、ジャッキをかけて、タイヤが路面から少し離れるまで持ち上げます。
ナットを外して、タイヤを交換する
ホイールナットを取り外し、パンクしたタイヤを、応急用(テンパー)タイヤと交換します。外したナットは、なくさないように保管します。
ナットを仮締めする
ホイールナットを取り付け、タイヤががたつかなくなるまで、2回から3回に分けて仮締めします。締める順番は、対角線の順に行います。
ジャッキを下ろし、本締めする
車体を下ろし、ジャッキを外してから、仮締めしたときと同じように、ホイールナットの本締めをします。
規定のトルクで締め付ける
無理に締め付けると、ボルトが破損する場合があります。取扱説明書に記載の規定トルクで、トルクレンチを使って増し締めするのが望ましい方法です。トルクレンチがない場合は、本締め後、できるだけ早く、ガソリンスタンドや修理工場などで、規定トルクで本締めをしてもらいます。
⚠️ 注意
ジャッキは、タイヤ交換のためにタイヤを持ち上げる道具です。ジャッキで持ち上げた車体の下には、体を入れないでください。ジャッキが傾いていないかを確認しながら、慎重に作業します。
4. 交換後の確認と、テンパータイヤの使い方
スペアタイヤに交換できても、それで終わりではありません。テンパータイヤは、あくまで応急用です。JAFは、パンクしたタイヤは、速やかに修理して、元どおりにするよう案内しています(修理不能な場合は交換)。
📊 交換後の確認
| 確認すること | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| テンパータイヤの走行 | 取扱説明書に記載された、速度・距離の制限を守る。一般的には時速80km以下が目安。長距離走行を避け、できるだけ早く、タイヤ専門店で、通常のタイヤに交換する | JAF |
| ナットの締め付け | 規定トルクで本締めしたか(トルクレンチがない場合は、できるだけ早く、ガソリンスタンドや修理工場で規定トルクで本締め)。ジャッキを下ろした後は、必ずナットの本締めと走行確認を行う | JAF |
| ナットの増し締め | 自動車工業会は、大型車向けのリーフレットで、ホイールの取付け後、初期なじみで締付け力が低下するため、50〜100km走行後を目安に増し締めするよう案内している。乗用車の場合は、取扱説明書や、タイヤ販売店の案内を確認する | 自動車工業会(大型車向け) |
| スペアタイヤの空気圧 | テンパータイヤの指定空気圧は、側面などに記載がある。普通のタイヤの約2倍。使用後も、空気圧を点検する | JAF |
| パンクしたタイヤ | 速やかに修理する。修理できない場合(サイドウォールの損傷など)は、交換になる。応急修理キットの補修液を入れたタイヤは、状態によっては修理ができず、交換が必要になる場合がある | JAF |
💡 ポイント
近年は、パンクしても所定の速度で、一定の距離を走行できる「ランフラットタイヤ」も市販されている、とJAFは紹介しています。装着している車では、取扱説明書で、走行できる速度と距離を確認しておきましょう。
5. 料金と、日ごろの備え
パンクは、日ごろの点検で、リスクを減らすことができます。JAFは、月1回を目安にした空気圧の点検、乗車前にタイヤの状態を目視で確認する習慣、適切なタイミングでの交換を勧めています。また、万が一に備えて、ロードサービスの連絡先を確認しておきましょう。
📊 料金と予防(料金は変更されることがあります)
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| JAFの作業料金(非会員) | パンクのスペアタイヤ交換作業は、夜間・一般道の場合、非会員は25,630円(現場の状況により異なる場合がある)。会員は24時間いつでも無料 | JAF(2026年9月25日確認) |
| タイヤ交換の工賃の目安(JAFが紹介) | タイヤ4本で、4,000〜30,000円程度。内訳の目安は、タイヤの脱着が1本あたり1,100円〜、ホイールバランス調整が1本あたり1,100円〜。依頼先や車種によって金額は大きく異なる | JAF「タイヤ交換の目安はいつ?」 |
| 日ごろの予防 | 月1回を目安に空気圧を点検する。乗車前に、タイヤのひび割れ・亀裂・コブ状の膨らみ、異物、スリップサインを目視で確認する | JAF |
⚠️ 注意
料金・サービス内容は、変更されることがあります。ご利用の前に、JAFなどの公式サイトで、最新の内容をご確認ください。
- JAF「パンクしたときのタイヤの交換方法は?(応急用タイヤへの交換)」
- JAF「タイヤがパンクしたらどうすればよい?」
- JAF「高速道路で事故や故障が発生したらどうすればいいのですか?」
- JAF「よくあるロードサービス出動理由」
- JAF「タイヤ交換の目安はいつ?」
6. よくある質問
まとめ
パンクしたときは、まず安全な場所に停車し、自分で交換してよい場所かどうかを判断しましょう。高速道路や路肩では、自分で作業せず、ロードサービスに依頼することが、JAFの案内です。スペアタイヤへの交換は、輪止め、ナットを少し緩めてからのジャッキアップ、2〜3回に分けた仮締め、ジャッキを下ろしてからの本締め(規定トルク)が基本です。テンパータイヤは応急用のため、取扱説明書の速度・距離の制限を守り、パンクしたタイヤは速やかに修理しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。


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