道路を走っていると、赤色の回転灯だけでなく、黄色や青色、緑色、紫色の灯火を点けた車を見かけることがあります。JAFは、車に設置される灯火の色として、赤・黄・青・緑・紫の5色があり、いずれも用途が決まっていると解説しています。この記事では、JAF・国土交通省などの公表情報をもとに、色ごとの意味、根拠となる法令、一般の車が無断で取り付けてはいけない理由、緊急自動車に出会ったときの対応を整理しました。確認できなかった点は、その旨を明記しています。
📋 この記事の要点
✔ 赤色の警光灯は、緊急自動車(消防車・救急車・パトカーなど)に装備が義務づけられている。基準は「前方300mから点灯を確認できる赤色」(保安基準の細目を定める告示)
✔ サイレンの音の大きさは、車の前方20mの位置で90dB以上120dB以下と定められている(同告示)
✔ 黄色は道路維持作業用自動車、青色は青色防犯パトロール(青パト)、緑色は特殊な大型けん引車両など、紫色は故障などの停車表示に使われる(JAF)
✔ 紫色の停止表示灯を除き、一般の車が回転灯を取り付けることはできない。不正改造は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象(国土交通省等の啓発資料)
✔ 緊急自動車が近づいたときは、道路交通法に基づき、道を譲る必要がある
📑 目次
1. 緊急自動車と、赤色の警光灯
JAFの解説によると、道路交通法第39条は、消防用自動車や救急用自動車などを「緊急自動車」と定義しています。道路交通法施行令第13条には、消防車・救急車・警察車両のほか、輸血用血液製剤の応急運搬車や、ガス・電力などの公益事業の応急作業用自動車なども、緊急自動車として記載されています。JAFのロードサービスカーも含まれます。
📊 緊急自動車の警光灯とサイレン
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 装備の義務 | 緊急自動車には、警光灯とサイレンの装備が義務づけられている | 道路運送車両の保安基準第49条 |
| 警光灯の基準 | 前方300mの距離から点灯を確認できる赤色であること | 保安基準の細目を定める告示第231条 |
| サイレンの音の大きさ | その自動車の前方20mの位置で、90dB以上120dB以下 | 同告示 |
| 緊急走行時 | 緊急の用務を行うときは、赤色の警光灯を点灯し、サイレンを鳴らして走行する | 道路交通法施行令第14条 |
| 例外 | 警察車両が最高速度違反の取締りのために走行する場合など、特に必要があると認められるときは、サイレンを鳴らさなくてもよい | 同上(JAFの解説) |
📌 赤色が使われる理由について
日本では、緊急走行の要件として、赤色の警光灯が定められていることが確認できます。
2. 5色の灯火の意味(早見表)
JAFの解説は、法律上「警光灯」という言葉が使われているのは赤色だけであるため、赤以外は「灯火」と呼ぶとしています。それぞれの色と用途・根拠を、表にまとめました。
📊 灯火の色と用途
| 色 | 主な用途 | 主な根拠(JAFの解説) | 使用の条件 |
|---|---|---|---|
| 赤 | 緊急自動車(消防車・救急車・パトカーなど) | 道路交通法施行令第14条、保安基準第49条 | 緊急の用務を行うときに点灯。サイレンを併用するのが原則 |
| 黄 | 道路維持作業用自動車(国土交通省・高速道路会社などが、道路の維持・修繕、道路標示の設置に使う) | 道路交通法第41条の2 | 点滅する灯火。ハイウェイパトロールカーは、状況によって赤色の警光灯とサイレンを使うこともある |
| 青 | 青色防犯パトロール(青パト) | 保安基準第49条の3(自主防犯活動用自動車) | 一定の条件を満たす団体が、警察の証明を受けて使用する |
| 緑 | 幅3m以上、または連結全長16.5mを超えるトレーラーをけん引するトラクタや、その誘導車 | 保安基準第55条(基準の緩和) | 緩和の申請により使用。点滅する灯火 |
| 紫 | 故障などで停車していることを、後続車に知らせる | 道路交通法施行規則第9条の17(停止表示灯) | 申請などは不要。点灯できるのは、停車時のみ |
※表は横にスクロールできます
⚠️ 紫色の停止表示灯は、走行中には使えません
JAFは、紫色の灯火について、点灯できるのは停車時に限られると解説しています。夜間の故障時などには、停止表示板とあわせて、停止表示器材として使います。
3. 黄色・青色・緑色・紫色の詳細
📊 色ごとの詳細
| 色 | 詳しい説明 | 補足 |
|---|---|---|
| 黄色(道路維持作業用自動車) | 国土交通省や高速道路会社などが、道路の維持・修繕や、道路標示の設置に使う車の灯火。ハイウェイパトロールカーは、交通事故の現場へ迅速に向かう必要があるため、状況によって赤色の警光灯を点灯し、サイレンを鳴らして緊急走行することもある(JAF) | 国土交通省等の啓発資料は「道路維持作業用自動車以外には、黄色の回転灯は取付け不可」と案内(保安基準第42条) |
| 青色(青色防犯パトロール) | 地域の防犯活動のために、警察の証明を受けた団体が、自主防犯活動用自動車として使う灯火(JAF) | 愛知県警察などは、団体には、都道府県や市区町村、委嘱を受けた団体、地域安全活動を目的とする法人、地縁団体などがあり、パトロール実施中以外は点灯しないこと、灯火の直射光・反射光が運転を妨げないことが必要と案内 |
| 緑色(大型けん引車両) | 基準緩和を申請して認められた、大型のトレーラーけん引トラクタや、その誘導車の灯火 | 幅3m以上、または連結全長16.5m超のけん引車に対して(JAF) |
| 紫色(停止表示) | 故障などで停車したときに、後続車に停止を知らせる。停止表示板と、停止表示灯が、夜間用停止表示器材として定められている | 使用に申請は不要(JAF) |
📌 確認できなかった点
青色防犯パトロールの、活動の頻度(週何回以上など)や、運輸支局への届出期限は、都道府県警察のページによって記載が異なり、警察庁などの統一された公式資料では確認できませんでした。申請する場合は、管轄の警察署(生活安全課など)にお問い合わせください。
4. 一般の車が、回転灯を無断で取り付けるとどうなるか
JAFは、紫色の灯火を除き、一般の車が勝手に回転灯を使用・設置することはできないと解説しています。灯火の種類に応じた許認可などを受ける必要があり、独断で取り付けると、不正改造とみなされるおそれがあります。
📊 回転灯と不正改造
| ルール | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 赤色の回転灯 | 緊急自動車等以外には、取り付けられない | 国土交通省等の啓発資料(保安基準第42条) |
| 黄色の回転灯 | 道路維持作業用自動車以外には、取り付けられない | 同上 |
| 不正改造をした者 | 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金 | 同上 |
| 不正改造車の使用者 | 整備命令の対象となる | 同上 |
⚠️ 回転灯の取付けは、不正改造の例です
国土交通省等の啓発資料は、回転灯等の取付けを、不正改造の代表的な例のひとつとして挙げています。取付を考えている場合は、運輸支局・警察・整備工場などに、事前に確認しましょう。
5. 緊急自動車に出会ったときの対応
赤色の灯火とサイレンの車が近づいたときは、道路交通法第40条に基づき、道を譲る必要があります。JAF Mate Onlineの解説によると、交差点やその付近では、交差点を避けて、道路の左側に寄って停止します。交差点の中で停止することは、違反になります(一方通行の道路で、左側に寄ると緊急自動車の通行を妨げる場合は、右側に寄ります)。
🧭 緊急自動車が近づいたときの行動
サイレンと赤色灯を確認する
音と灯火の方向を確認し、どの方向から来るかを把握します。慌てて急ブレーキをかけず、後続車にも注意しながら行動します。
交差点やその付近では、交差点を避けて、道の左側に寄り、一時停止する
交差点の中には、停止しないようにします。
交差点以外では、道の左側に寄って、進路を譲る
道路の状況に応じて、譲れる場所へ移動します。
緊急自動車が通り過ぎたら、周囲を確認してから発進する
後続の緊急自動車がいないかも、確認してから動き出します。
📌 確認できなかった点
緊急自動車への進路妨害の反則金・違反点数などは、警察庁の公式資料で確認できていないため、この記事には数値を載せていません。最新の反則金・点数は、警察庁や都道府県警察の案内をご確認ください。
6. よくある質問
まとめ
車の灯火の色には、赤(緊急自動車)・黄(道路維持作業用自動車)・青(青色防犯パトロール)・緑(大型けん引車両など)・紫(停止表示)という、それぞれ決まった用途と根拠があります。紫色の停止表示灯を除き、一般の車が無断で取り付けることはできません。緊急自動車が近づいたときは、交差点を避けて左側に寄るなどして、道を譲りましょう。
※本記事は一般的な情報提供です。車両への灯火の取付・使用には、道路交通法・道路運送車両法などの規定と、行政手続が必要な場合があります。個別のご相談は、警察や運輸支局などの窓口にお願いします(JAF、国土交通省関係資料、都道府県警察の公式ページの確認日:2026年9月25日)。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」クルマに設置された警光灯の色にはどんな意味があるのですか?(出典: 道路交通法施行令、長野県警察)
アイキャッチ画像: Tokyo Police Lightbar by Matsujima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(東京都で撮影)


コメント