ペダルの踏み間違いはなぜ起きる?原因と防止技術まとめ

📋 この記事でわかること

  • アクセルとブレーキ、なぜ踏み間違えてしまうのか
  • 踏み間違えたまま加速してしまう理由
  • 踏み間違いを防ぐ先進技術
  • 「サポートカー限定免許」という選択肢も
  • 最後はドライバー自身の確認が頼り

アクセルとブレーキ、なぜ踏み間違えてしまうのか

オートマチック車では、アクセルペダルが右側、ブレーキペダルがその左側に並んで配置されており、多くの場合は右足だけで両方のペダルを踏み替えながら操作します。どちらも「踏み込む」という同じ動作で操作するため、年齢を問わず誰にでも踏み間違える可能性があるのです。

交通事故総合分析センターの情報によると、2018年から2020年の3年間で、ペダルの踏み間違いに起因する事故は1万件に迫る勢いで発生しています。特徴として、65歳以上の高齢ドライバーが突出して多く、なかでも75歳以上の事故割合が最も高くなっています。状況別では「発進時」が多く、場所ではサービスエリアや店舗の駐車場といった道路以外での発生が目立ちます。高齢者では「後退時」の事故割合が高いことも特徴です。

踏み間違えたまま加速してしまう理由

ペダルの踏み間違い事故は、想定とは正反対に車が動いたことで気が動転し、正しい操作ができなくなることで起きるとされています。意図せずアクセルを踏み込んでしまうと車は加速し、パニックのなかで反射的にそのアクセルペダルをさらに踏み込んでしまうことがあります。「ブレーキを踏んだのに加速した」という証言の多くは、こうした事象が原因と考えられています。

後退時に踏み間違いが起きやすい高齢ドライバーの要因としては、体を後方にひねる動作、切り返しによる踏み替え回数の増加、急な後退などが指摘されています。また駐車場内や渋滞時にブレーキとアクセルを細かく踏み替えて徐行している状況でも、頻繁なペダル操作に混乱して踏み間違えることがあります。スマートフォンの着信音など些細な出来事でも注意力が削がれるきっかけになり得るため、注意していても起こりうる事故だと言えます。

踏み間違いを防ぐ先進技術

こうした事故を防ぐため、さまざまな先進安全技術が実用化されています。進行方向の障害物をセンサーやカメラで検知し、アクセルを強く踏み込んで衝突する恐れがあると判断すると、警告音でドライバーに注意を促すとともに、エンジンやブレーキを自動制御する「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を搭載した車両が増えています。また、障害物を検知した状態でバックすると、エンジン出力抑制と自動ブレーキをかけるシステムや、シフトレバーがリバースの状態でアクセルを急に踏み込むと警告音とともにエンジン出力を抑制する方式もあります。ただし道路状況や天候によっては検知範囲が制限されるなど、こうした技術も万能ではありません。

最近は自動車メーカーや部品メーカーが販売する「後付け」タイプの抑制装置も増えています。国土交通省は一定の性能を持つ装置を審査・認定する制度を実施しており、認定された装置は国土交通省のホームページなどで確認できます。

「サポートカー限定免許」という選択肢も

踏み間違い事故が特に多い高齢ドライバー向けには、車両の安全装備だけでなく、免許制度の面からのアプローチも用意されています。2022年5月に始まった「サポートカー限定免許」は、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置の両方を搭載した車両にのみ運転を限定する条件を、免許に付与できる制度です。年齢制限はなく、免許更新のタイミングで申請できます。ただし対象となるのは、メーカーが新車購入時に標準装備・メーカーオプションとして搭載した機能に限られ、今回紹介したような後付けの抑制装置は対象に含まれない点に注意が必要です。免許の返納に踏み切れないものの踏み間違い事故への不安がある方やご家族にとっては、こうした制度も選択肢の一つになります。

最後はドライバー自身の確認が頼り

標準装備であれ後付けであれ、こうした装備はドライバーのうっかりミスを補助してくれるものであり、絶対的な防止装置ではありません。前進・バックの際は特に、ペダルの位置やシフトレバーのポジションを落ち着いて確認し、十分注意しながら操作することが大切です。安全運転の最終的な責任は、あくまでドライバー自身にあるということを忘れないようにしましょう。

参考: JAF「クルマ何でも質問箱」ペダルの踏み間違いを防止するには?(出典: 国土交通省「ペダル踏み間違い急発進抑制装置性能認定結果一覧」)

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