📋 この記事でわかること
- 車庫入れで「ブレーキがかかったような」違和感が出ることがある
- 「タイトコーナーブレーキング現象」とは
- 車庫入れ以外でも起こりうる
- 4WDシステムの種類によって起きやすさが変わる
- 対処法は「舗装路では2WDに戻す」
車庫入れで「ブレーキがかかったような」違和感が出ることがある
パートタイム式4WD車を「4WD」に切り替えたまま、ハンドルを大きく切って車庫入れしようとすると、聞き慣れない異音や振動とともに、ブレーキがかかったような重い操舵感になることがあります。初めて経験すると故障を疑って不安になるかもしれませんが、これは車両の異常ではなく、4WD車の構造上どうしても起きる現象です。
「タイトコーナーブレーキング現象」とは
この現象は「タイトコーナーブレーキング現象」と呼ばれています。原因は、旋回時に生じる前後タイヤの回転差にあります。車がカーブを曲がるとき、内側のタイヤと外側のタイヤ、そして前輪と後輪では実際に描く軌跡の半径が異なるため、本来はそれぞれ少しずつ異なる速度で回転する必要があります。
2WD(FFやFRなど)であれば前後輪が機械的に連動していないため、この回転差は自然に吸収されます。しかし前後輪を直結に近い形で駆動するパートタイム式4WD車の場合、この回転差を十分に吸収できず、駆動系統に無理な力がかかります。その結果、異音や振動が発生し、あたかもブレーキがかかったかのような重い操舵感になるのです。舗装路のように路面とタイヤのグリップが強い状況ほど、この現象は顕著に現れます。
車庫入れ以外でも起こりうる
タイトコーナーブレーキング現象は、車庫入れのようなゆっくりとした据え切りに近い場面だけでなく、交差点を4WDのまま急旋回するような状況でも発生することがあります。舗装された一般道を走行する際に4WDのままハンドルを大きく切る機会があれば、同様の症状が出る可能性があると覚えておきましょう。
4WDシステムの種類によって起きやすさが変わる
この現象の起きやすさは、車が採用している4WDシステムの種類によって大きく異なります。旧来のパートタイム式4WDは、前後輪をほぼ直結に近い形で駆動するため、回転差を吸収できずタイトコーナーブレーキング現象が起こりやすい構造です。一方、近年主流になっている電子制御カップリング式(スタンバイ式)の4WDは、普段は2WD相当で走行し、必要な時だけ自動的に4WDへ切り替わる仕組みのため、この現象がそもそも起こりにくくなっています。また、センターデフや電子制御ビスカスカップリングなどの差動制限装置を備えたアクティブトルクスプリット式のシステムでも、舗装路での回転差を適切に吸収できるため、症状が抑えられます。「4WD車だから必ず起こる」というわけではなく、自分の車がどの方式を採用しているかによって、注意すべき度合いが変わってくる点を知っておくとよいでしょう。
対処法は「舗装路では2WDに戻す」
この現象自体は故障ではないため、修理の必要はありません。大切なのは、未舗装路や雪道などですべりやすい状況に対応するために4WDへ切り替えた場合、再び舗装路を走行する際には忘れずに2WDへ戻すことです。舗装路のグリップが強い状態のまま4WDで走り続けると、駆動系統への負担が大きくなるだけでなく、車庫入れや旋回のたびにタイトコーナーブレーキング現象が起きやすくなります。
なお、フルタイム4WD車やセンターデフ付きの4WDシステムを搭載した車では、前後輪の回転差を吸収する機構が備わっているため、この現象は基本的に発生しません。自分の車がどのタイプの4WDシステムを採用しているか、取扱説明書などで確認しておくとよいでしょう。
まとめ
パートタイム式4WD車で車庫入れ中にブレーキがかかったような違和感を覚えたら、それは前後輪の回転差による「タイトコーナーブレーキング現象」であり、故障ではありません。ただし、舗装路を走るときは忘れずに2WDへ戻すことが、駆動系統への負担を減らし、この現象を避けるポイントです。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」4WD車で車庫に入れる際、ブレーキがかかったようになる原因は?
アイキャッチ画像: Suzuki Jimny SIERRA JC interior by Tokumeigakarinoaoshima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
コメント