EV・HVの車両接近通報装置(AVAS)とは

電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)がゆっくりと近づいてくるとき、モーター音とは別に「ヒュイーン」というような電子音が聞こえることがあります。これは車両接近通報装置(AVAS)という、法律で搭載が義務付けられている装置によるものです。この記事ではその仕組みと目的を整理します。

📋 この記事でわかること

  • 車両接近通報装置(AVAS)とは
  • 日本での義務化の経緯
  • 作動する速度域
  • 海外でも同時期に義務化が進んだ
  • 音色や音量はメーカーによって異なる

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

車両接近通報装置(AVAS)とは

AVAS(Acoustic Vehicle Alerting System)は、電気自動車やハイブリッド車がモーターのみで走行する低速時に、疑似的な走行音を車外に発生させる装置です。エンジン車であれば走行音やエンジン音で接近に気づける歩行者や自転車も、モーター走行は静かなため接近に気づきにくく、事故リスクが指摘されていました。この課題に対応するための安全装置です。

日本での義務化の経緯

日本では、モーター走行が可能な電気自動車・プラグインハイブリッド車・ハイブリッド車を対象に、車両接近通報装置の搭載が義務付けられています。新型車は2018年3月8日から、既存モデル(継続生産車)は2020年10月8日から、それぞれ義務化の対象となりました。

作動する速度域

国際基準では、時速20km程度以下の低速走行時に音を発生させることが求められています。これは、速度が上がるとタイヤの走行音や風切り音など、モーター音以外の音が大きくなり、接近に気づきやすくなるためです。一定速度を超えると、疑似音は自動的に鳴らなくなる仕組みになっています。

海外でも同時期に義務化が進んだ

AVASの義務化は日本だけの動きではありません。欧州(EU)では2019年7月1日以降の新型式車から、2021年7月1日以降はすべての新車から搭載が義務化されました。アメリカでも、NHTSA(米国道路交通安全局)が2022年に発表した連邦自動車安全基準で、電気自動車・ハイブリッド車への最低音響要件を定めています。日本の義務化(新型車2018年3月、継続生産車2020年10月)は、こうした世界的な歩行者安全対策の流れとほぼ同時期に進められたものであり、静音性の高いモーター走行車の普及にともなって、各国が足並みをそろえて対応を進めてきた経緯があります。

音色や音量はメーカーによって異なる

AVASで発生させる音の種類や音量、音色は各メーカー・車種の判断に委ねられている部分があり、統一された「決まった音」があるわけではありません。そのため、車種によって聞こえ方に違いがあります。

後退時の警告音との違い

バックする際に鳴る「ピー」という警告音(バックソナーとは別の、後退を知らせる音)を搭載する車もありますが、これはAVASとは別の装置です。AVASはあくまで前進・後退を問わず、モーター走行中の低速時に周囲へ存在を知らせることを目的とした装置です。

まとめ

車両接近通報装置(AVAS)は、静かなモーター走行時に歩行者などへ車の接近を知らせるための安全装置で、2018年から段階的に義務化されています。時速20km程度以下の低速域で作動し、音色はメーカーによって異なります。EV・HV特有の装備として、仕組みを知っておくとよいでしょう。

出典・免責

本記事は、複数の自動車専門メディアの情報をもとに、一般的な制度内容を整理したものです。作動条件や音の仕様は車種・年式によって異なる場合があるため、詳細はお使いの車の取扱説明書もあわせてご確認ください。

アイキャッチ画像: Nissan Leaf taxi in Japan by MIKI Yoshihito, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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