ゼブラゾーン(導流帯)は走ると違反?黄色い枠つき「立入り禁止部分」との違いと点数・反則金を条文で解説

交差点の手前や、車線が減る場所に引かれている白いシマシマ模様(ゼブラゾーン)。正式な名前は「導流帯」です。「走っても違反にならない」という話を聞く一方で、黄色い線で囲まれた白い斜線は入ると違反になるともいわれ、どこが境目なのか迷う方は多いのではないでしょうか。

この記事では、道路交通法・道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)・同施行令の現行条文(e-Gov法令検索)、警察庁の「交通規制基準」「交通の方法に関する教則」、警視庁の違反点数表、JAFと大阪府警察の公開情報をもとに、導流帯の意味と、違反になる標示との見分け方を整理します。YouTubeショート「交差点前の白いシマシマ、黄色い枠つきは入ると違反?導流帯3つの話」の内容を、条文と数字つきで詳しく解説した記事です。

📋 この記事の要点

✔ 白いシマシマの正式名は「導流帯」。標識令では、「車両の安全かつ円滑な走行を誘導するために設けられた場所」を示す指示標示(208の2)で、通行を禁止する標示としては定められていない

✔ 入ってはいけない部分は別に決まっている。道路交通法第17条第6項は、安全地帯と、標識等で「車両の通行の用に供しない部分」と表示された部分への進入を禁止。黄色の縁線に白い斜線の「立入り禁止部分」がこれにあたる

✔ 立入り禁止部分に入ると通行区分違反(普通車2点・反則金9,000円)。停止禁止部分は別の違反(交差点等進入禁止違反、普通車1点・6,000円)

✔ 導流帯を通ること自体は違反と定められていないが、警視庁は「侵入しないように指導している」と回答したと報じられ(clicccar・二次情報)、大阪府警の調査官も「走行や駐車はしないことが基本」と説明(JAF)。JAFは安全運転の点で望ましくないと解説。事故時に過失相殺で不利に考慮されることもある

✔ 導流帯の上に止まる・駐車するのは事故につながる。導流帯上の駐停車を一律に定めた条文は確認できなかったので、場所ごとの標識・標示に従う

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

導流帯(ゼブラゾーン)とは何の標示か

導流帯は、標識令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)の別表第五で、道路標示のうち「指示標示」に分類されています。規制標示(禁止や制限を表示するもの)ではなく、指示標示です。

📜 標識令 別表第五・導流帯(208の2)(条文の要約)

表示する意味: 車両の安全かつ円滑な走行を誘導するために設けられた場所であること。/設置場所: 車両の走行を誘導する必要がある場所。(色彩は別表第六で白色)

国家公安委員会告示の「交通の方法に関する教則」(付表3)も、導流帯を「車の通行を安全で円滑に誘導するため、車が通らないようにしている道路の部分であること」と説明しています。

車線が減る場所の導流帯のイメージ
図:車線が減る場所の導流帯のイメージ。標示にそって走るのが導流帯の目的(自作の模式図・左側通行。実際の形は道路によって異なります)

どんな場所に引かれる?(警察庁の交通規制基準)

警察庁の「交通規制基準」(第27 導流帯)は、規制の目的を「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する」ことと定め、対象となる道路を次のいずれかに該当する道路としています。

対象道路 内容(基準の記載を要約)
1 交差点が広すぎるため、通行する車両の走行位置が不安定で、交差点の処理能力が低下したり、渋滞や事故が起きるおそれのある道路
2 交差点が変形または複雑なため、車両の交錯が多く、渋滞や事故が起きるおそれのある道路
3 車線数が減少する場所など、道路の形状と交通の状況から見て、安全かつ円滑な走行を誘導する必要があると認められる道路

同じ基準には、導流帯を車道の中央部に暫定的に設置する場合は、道路の中央を明確にするため、「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」(黄色の実線など)または実線の「中央線」を設置するとも書かれています。現場で黄色い線が引かれているのは、この基準にそった安全対策と考えられます。

細かい話:標識令には「導流帯」が、道路管理者が設ける区画線(別表第三・107)と、公安委員会が設ける道路標示(別表第五・別表第六の指示標示・208の2)の両方に定められています。道路交通法の適用で道路標示とみなされる区画線は、標識令第7条で「車道中央線」と、一定の「車道外側線」だけです。

導流帯に入っても違反にならない?

結論から言うと、導流帯に入ることを禁じる規定は、今回確認した条文・基準には見つかりませんでした。理由は次のとおりです。

根拠:道路交通法第17条第6項

📜 道路交通法 第17条第6項(条文の引用)

車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。

進入が禁止されるのは、安全地帯と、「車両の通行の用に供しない部分」であると道路標識等で表示された部分です。導流帯の標識令上の意味は「走行を誘導するために設けられた場所」であり、「通行の用に供しない部分」とは表示されていません。そのため、導流帯そのものは第17条第6項の対象ではない、と整理できます。

警察庁の交通規制基準も、導流帯の留意事項として、安全対策上、車両の立入りを禁止する必要がある場合は「立入り禁止部分」の規制を実施することと書いています。立入りを禁止したい場所には、導流帯とは別の標示を使う、という考え方です。

公的な説明・解説はどうなっている?

情報源 内容(要約) 区分
JAF Mate Online「これって違反なの!? 道路交通法クイズ」(2022年10月24日。弁護士の松居英二氏が監修) 右折レーン手前のゼブラゾーンへの進入を禁止するものではなく、通行しても違反にはならない。ただし、目的と多くの車がそれに従って走っていることから、ことさらに通行するのは安全運転の点から望ましくない。事故の際に、通行したことが過失相殺で不利に考慮されることがある JAF(弁護士監修)
JAF Mate Online「事故ファイル」(2024年7月1日。2020年4月号の記事の再構成) 大阪府警の調査官は、導流帯内への進入は法的には禁止されていないが、事故を防ぎ円滑な走行を助けるために設けられたものなので、導流帯の示す形状に沿って走り、緊急時や危険回避の場合を除いて、走行や駐車はしないのが基本と説明 JAF(府警調査官のコメント)
clicccar(2023年3月7日の記事。2024年10月更新) 警察庁・警視庁への問い合わせとして、警視庁が「通行すること自体は法令上、違反行為とはなりませんが、導流帯を設けている主旨に鑑みて侵入しないように指導」「法令上、車両が通行することは想定しておりませんので、通行方法は定められておりません」と回答したと紹介 二次情報(警視庁の公式ページでは確認できず)
動画の補足:動画で紹介した「警視庁の回答」は、自動車メディアclicccarの記事での紹介です。警視庁の公式サイトでは、同じ内容を直接確認できませんでした。法令・警察庁の基準・JAFの記事は、いずれも「導流帯を禁止標示としては扱っていない」点で一致しています。

「違反ではない」は「走ってよい」ではない

違反にならないことと、積極的に走ってよいことは別の話です。教則が導流帯を「車が通らないようにしている道路の部分」と説明していること、JAFが過失相殺の可能性に触れていることから、導流帯が見えたら、標示が示す形状にそって走るのが基本です。

他の規制が重なる場合:導流帯が道路の中央にあるときは、前述のとおり黄色の実線などが併設されます。その線をこえて右側部分にはみ出す走り方は、導流帯とは別の規制(第17条第4項、第17条第5項第4号)の問題になります。詳しくは黄色い線の意味を解説した記事をご覧ください。

黄色い枠つきは「立入り禁止部分」

導流帯・立入り禁止部分・停止禁止部分の見た目と扱いの違い
図:白いシマシマに見える3つの標示の違い(自作の模式図。実際の形や色味は道路によって異なります)

同じ白い斜線でも、黄色い線で囲まれているものは「立入り禁止部分」という別の標示です。標識令の別表第五では規制標示に分類され、意味は次のとおりです。

📜 標識令 別表第五・立入り禁止部分(106)(条文の要約)

道路交通法第17条第6項の道路標示により、車両の通行の用に供しない部分であることを表示する。(色彩は別表第六で、縁線が黄色・斜線が白色)

教則も、付表3で立入り禁止部分を「車が通行してはならない部分の指定」とし、本文で「安全地帯や『立入り禁止部分』の標示によって車の通行が禁止されている場所に入ってはいけません」と定めています(第5章第2節「7 通行してはいけないところ」)。JAFのクイズ記事も、黄色の線で囲まれた白い斜線の部分は立入り禁止部分で、進入すると違反になると解説しています。

警察庁の交通規制基準(第28 立入り禁止部分)では、見通しの悪いカーブなど衝突の危険が高い場所や、車線数が減少する場所、中央線が変移する場所など、危険防止上、交通の導流が特に必要な場所に実施するとされています。物理的・構造的な措置ができず、特に危険が大きいと認められる場所に限って実施する、という留意事項もあります。

白いシマシマを見たときの見分け方の流れ
図:白いシマシマの見分け方(自作の図)

白いシマシマに似た標示の整理

標示 根拠 標識令上の色彩 進入・通行 違反名(普通車の点数・反則金)
導流帯 標識令 別表第五(指示標示・208の2) 白 禁止する規定は確認できなかった(入らないよう指導・標示にそって走る) 導流帯に入ることを理由とする違反の定めは確認できなかった
立入り禁止部分 道路交通法第17条第6項/標識令(規制標示・106) 縁線が黄、斜線が白 入ってはならない 通行区分違反(2点・9,000円)
停止禁止部分 道路交通法第50条第2項/標識令(規制標示・107) 白 通行はできる。前方の状況で停止することとなるおそれがあるときは入ってはならない 交差点等進入禁止違反(1点・6,000円)
安全地帯 道路交通法第2条第1項第6号・第17条第6項/標識令(指示標示・207) 外わくが黄、内わくが白 入ってはならない 通行区分違反(2点・9,000円)

なお、第17条第6項の規定は、緊急自動車には適用されません(道路交通法第41条第1項)。

違反になる標示の点数・反則金

立入り禁止部分・安全地帯への進入(第17条第6項違反)は、施行令の別表で「通行区分違反」に含まれます。点数は警視庁の違反点数表(施行令別表第二)、反則金は施行令別表第六で確認しました。

📊 白いシマシマに関係する違反の点数・反則金

違反の名称 行為 根拠 違反点数 反則金(普通車) 他の車種(施行令別表第六)
通行区分違反 立入り禁止部分・安全地帯に入る 道路交通法第17条第6項 2点 9,000円 大型車12,000円/二輪車7,000円/原付等6,000円
交差点等進入禁止違反 停止禁止部分に、前方の状況で停止するおそれがあるのに入る 道路交通法第50条第2項 1点 6,000円 大型車7,000円/二輪車6,000円/原付等5,000円

罰則は、第17条第6項の違反が3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金(第119条第1項第6号)、第50条の違反が5万円以下の罰金(第120条第1項第5号)です。反則金は、反則行為として処理される場合の金額です。法令の改正によって、金額や点数は変わることがあります。

金額・点数について:この記事の内容は、道路交通法・同施行令の現行条文(e-Gov掲載分)と、警視庁が公開している点数表で確認したものです(2026年10月時点)。インターネット上には、立入り禁止部分の反則金を7,000円とする解説もありますが、施行令別表第六では普通車9,000円・二輪車7,000円と定められています。最新の内容は、警察庁・各都道府県警察の公式ページでご確認ください。

導流帯の上で止まる・駐車するとどうなる?

動画では「止まっても大丈夫?」を取り上げました。条文からわかる範囲を整理します。

📜 道路交通法 第47条第1項・第2項(条文の要約)

停車するとき(第1項。人の乗降または貨物の積卸しのため)は、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。駐車するとき(第2項)は、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

停車・駐車を禁止する場所は、第44条・第45条に別に定められています。第44条第1項は、道路標識等により停車・駐車が禁止されている部分と、交差点・横断歩道・踏切・トンネルなど各号に列挙された部分を挙げていますが、導流帯は列挙されていません。したがって、導流帯であることだけを理由に停車・駐車を禁じる条文は、今回確認できませんでした。駐停車が禁止されているかどうかは、その場所の標識・標示で決まります。

事例:導流帯に駐車していた大型トレーラーとスクーターの事故

JAF Mate Onlineの事故ファイルは、大阪府北部の市道トンネルで、入口付近の導流帯に駐車していた大型トレーラーの右後部に、導流帯内を走行してきたスクーターが衝突した事故を紹介しています。トンネル前後は、片側2車線のうち左側の車線を導流帯として1車線に減らした構造でした。

項目 記事の内容(要約)
駐車の状況 トレーラーは午前6時過ぎから、トンネル入口から約3mの導流帯に駐車。ハザードランプは点灯していなかった
別の規制 大阪府警によると、トンネルは導流帯とは別に駐車禁止の規制がされており、駐車違反にあたる
事故の原因 大阪府警の調査官は、直接の原因はスクーター側の前方不注視と考えられるとしつつ、駐車禁止でもあった導流帯にトレーラーが止まっていなければ起きなかった、いわばトレーラーが誘発した事故とも言えるかもしれない、とコメント
調査官の助言 導流帯の形状に沿って走行し、緊急時や危険回避の場合を除き、走行や駐車はしないことが基本

大阪府警察のウェブサイトでも、駐車車両が影響する事故を防ぐため、「駐車可能な導流帯(ゼブラ帯)設置場所等」を、駐停車違反の取締りを強化する危険箇所の例に挙げています。導流帯は空いているように見えても、駐停車は事故につながり、取締りの対象になる場所もあります。

確認できなかったこと:導流帯上での停車・駐車がどの条文に当たるかを、一律に説明した公的資料は、今回確認できませんでした。場所ごとの駐停車規制・個別の判断は、現場の標識・標示と、所轄の警察署の案内に従ってください。

よくある質問

Q. 交差点の右折レーンに入るために、手前のゼブラゾーンを通っても違反になりませんか?

A. JAF Mate Onlineは、右折レーン手前のゼブラゾーンを通行しても違反にはならないと解説しています。ただし、導流帯は走行を誘導するために設けられた場所です。導流帯の目的に沿って走り、対向車や後続車との接触に注意してください。

Q. 黄色い線で囲まれた白い斜線に、気づかず入ってしまったら?

A. 立入り禁止部分は道路交通法第17条第6項で進入が禁止されており、入ると通行区分違反(普通車2点・反則金9,000円)になります。気づかなかった場合の個別の判断は、警察などにご確認ください。

Q. 消防署や警察署の前にある白い枠の斜線は通ってもよいですか?

A. 停止禁止部分は、通行そのものは禁止されていません。道路交通法第50条第2項は、前方の状況により、その部分で停止することとなるおそれがあるときは入ってはならないと定めています。JAFの事故ファイルも、消防署や警察署の出入口にある停止禁止部分は通行可能だが、枠内での停止は禁じられていると解説しています。

Q. 導流帯の真ん中に黄色い線があるのは、なぜですか?

A. 警察庁の交通規制基準は、暫定的な安全対策として導流帯を車道中央部に設置する場合、道路の中央を明確にするため、「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」または実線の「中央線」を設置すると定めています。黄色の実線がある場合の意味は、黄色い線の記事で解説しています。

Q. 導流帯を通って事故になったら、過失はどうなりますか?

A. JAF Mate Online(弁護士監修)は、導流帯を通行してきた車と、導流帯の誘導に従って走ってきた車との間で事故が起きた場合、導流帯を通行したことが過失相殺で不利に考慮されることがあると解説しています。個別の事故の過失は事情によって異なるため、保険会社や弁護士などにご相談ください。

まとめ

白いシマシマの扱いを整理します。(1)導流帯(白い枠に白い斜線)は、走行を誘導するための指示標示で、入ることを禁じる規定は確認できませんでした。ただし警視庁は「侵入しないように指導している」と回答したと報じられ(clicccar・二次情報)、大阪府警の調査官も「走行や駐車はしないことが基本」と説明しています(JAF)。JAFも望ましくないと解説しています。(2)黄色い縁線に白い斜線の「立入り禁止部分」は、道路交通法第17条第6項で入ってはならない部分で、違反は通行区分違反(普通車2点・9,000円)です。導流帯の両脇や中央に黄色い線が走っていても、シマシマ全体を囲む枠でなければ立入り禁止部分ではないと考えられます(標識令別表第六の「黄(縁線)」と教則付表3の「縁線は黄」からの当サイトの整理です)。(3)白い枠の停止禁止部分は、前方が詰まって止まりそうなときは入れない部分です。導流帯の上で止まる・駐車することは、事故につながります。

白いシマシマを見たら、まず黄色い枠がないかを確認し、なければ導流帯の誘導にそって走りましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令・反則金・基準は改正されることがあるため、最新の内容や個別の判断は、警察庁・各都道府県警察・公安委員会など公的機関の公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。標示の形や色味は、道路や地域によって異なる場合があります。

参考(一次情報・公的機関・JAF・報道): e-Gov法令検索 道路交通法(第2条・第17条・第41条・第44条・第47条・第50条・第119条・第120条)/同 道路交通法施行令(別表第二・別表第六)/同 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(別表第三・第五・第六)/警察庁 交通規制基準(第27 導流帯・第28 立入り禁止部分・第29 停止禁止部分)/警察庁 交通の方法に関する教則(第5章第2節・付表3)/警視庁 違反点数/JAF Mate Online 交差点手前のゼブラゾーンは走っても大丈夫?/JAF Mate Online 事故ファイル ゼブラゾーンは、空いていて駐停車や通行はしない!/大阪府警察 危険箇所における駐(停)車違反取締り強化について/clicccar 警察庁&警視庁に聞いてみた。道路のゼブラゾーン(導流帯)を走るのは違法でない?(二次情報)

図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際の標示の形・色味は道路によって異なります。

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