フロアマットの重ね敷き、各社の取扱説明書は何と書く?国交省の実験と、固定・乗る前確認のしかた【2026年】

「汚れ防止に、純正マットの上にもう1枚敷いている」。そうした使い方は、なぜ国土交通省や自動車メーカーから「やめてください」と案内されているのでしょうか。YouTubeショート「マットを2枚重ねで敷いてる人へ。ペダルに引っかかる前に確認」で紹介した内容を、国交省の調査報告書、JAMA(日本自動車工業会)のリーフレット、各メーカーの取扱説明書の原文にあたって、詳しく解説します。

国の調査で分析された事故情報13件の内訳や、マットの種類ごとの傾向は、こちらの記事で詳しくまとめています。この記事では、各社の取扱説明書の書き方、乗る前の確認手順、干渉して加速したときの国の実験結果、法令・点検基準での位置づけを中心に整理します(確認日: 2026年10月17日)。

📋 この記事の要点

✔ 国交省が示した使用者向けの注意は4点。しっかり固定する/重ね敷きをしない/運転前に固定を確認する/干渉して加速したときにブレーキを繰り返し踏むと倍力装置が大幅に低下する(2010年4月)

✔ メーカー報告の事故・火災情報831件(2009年9月末)のうち、フロアマットの使用方法が原因の事故情報は13件。うち11件が「未固定のマットの二重敷き」

✔ トヨタ・ホンダ・スバル・マツダの取扱説明書と三菱の公式安全ガイドは、いずれも「重ねない」「固定具で固定する」。トヨタとスバルは、停車して各ペダルを奥まで踏み込み、マットと干渉しないか確認することも求めている

✔ 国交省の実験では、二重敷きのマットは直進でも前へ動き、カーブや坂道で大きく動く傾向。ゴムや樹脂製は低温で硬くなり、不具合が起きやすい

✔ 保安基準や日常点検の基準に、フロアマットの固定を名指しした項目は確認できなかった。固定の確認は、使う人が乗る前に自分で行う

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 重ね敷きで何が起きるのか

国交省の「自動車のリコール・不具合情報」のページは、フロアマットを固定せずに重ね敷きするなど、不適切に使用すると、アクセルペダルがフロアマットに引っかかり、車の急加速につながる不具合が発生することがあると説明しています。

フロアマットの重ね敷きでペダルに引っかかる様子の模式図
図:正しく固定された1枚のマットと、重ね敷きでずれた状態の比較(自作の模式図。実際の形や寸法は車やマットによって異なります)

📊 重ね敷き・未固定のマットで起きる4つの現象(国交省・JAMA・三菱自動車の説明)

現象 内容 出典
戻り不良 ずれたマットの先端がアクセルペダルに引っかかり、アクセルが全開に近い状態で戻らなくなる 国交省 調査報告書 4.3
同時踏み マットがアクセルペダルに被さり、ブレーキを踏むとマットを介してアクセルペダルも押される(調査では、オルガン式ペダルの車ではマットが前へずれると被さる形になった) 国交省 調査報告書 4.1・4.3
上のマットがアクセルを押す 2重、3重に敷くと、上のマットがずれてアクセルペダルを押してしまうことがある JAMA・三菱自動車
ブレーキが踏み切れない マットが丸まってブレーキペダルの下に入ると、ペダルを踏み切れなくなるおそれがある JAMA・三菱自動車

事故情報13件のうち、11件が「未固定のマットの二重敷き」

国交省は、自動車メーカーから報告のあった事故・火災情報831件(2009年9月末現在)のなかから、フロアマットの使用方法に起因する事故情報13件を分析しました。フロアマットの状態は、「未固定のフロアマットが二重敷きされていた」が11件、「未固定」が2件で、国交省は、事例のすべてがフロアマットの不適切な使用方法と考えられるとしています。メーカーが報告した推定原因では、二重敷きによるマットとアクセルペダルの引っかかりが9件でした。

数字の読み方:この13件は、メーカーから報告された事故情報の件数で、全国で起きた件数ではありません。また、2010年4月の資料の数字です。2010年以降の最新の件数は、今回確認できませんでした。最新の公表資料は、国交省の事故・火災情報でご確認ください。

2. 国交省の実験で分かったこと

国交省(委託先は交通安全環境研究所)の2010年4月の報告書には、動画では触れきれなかった実験結果が多数あります。使用者に関わる4点を取り上げます。

(1) 二重敷きのマットは、走るうちに前へずれる

二重敷きにした状態で実際に走ると、どれだけマットが動くかを調べた実験です(剛性の低いフラットマットとフランジ付きマット各1種)。どちらも直進時より、カーブ路や登降坂のほうが移動量が大きい傾向(報告書の表は縦方向と横方向の両方を示しており、下のグラフは縦方向のみです)があり、直進でも前方への移動が確認されたため、「位置を確認しないまま運転を続けると徐々にフロアマットが前方にずれていく」と考えられるとされています。

二重敷きのマットの走行条件別の前方向へのずれ量のグラフ
図:二重敷きのマットが前方向へずれた量(国交省 表4-13より作成。自作のグラフ。縦方向のみ)

なお、同じ調査では、社外品マットの滑りやすさにはばらつきがあり、裏面のスパイクが密なほど滑りにくい結果でした。純正マットは、裏面に滑りにくい工夫(スパイクの高密度、不織布加工)がされており、無負荷での滑りやすさの測定値(動き出す力)は、社外品が1.5〜18.0N、純正が15.0〜28.0Nと、総じて純正のほうが滑りにくいとされています。調査のために入手した社外品フロアマット51枚のうち、49枚には固定装置が備えられていませんでした(2010年当時)。

(2) ゴムや樹脂製のマットは、低温で硬くなる

国交省は、PVC製やゴム製のマットは温度による影響を受けるとして、実験に使うマットを、室内(気温24℃)と冬の屋外(気温1℃)で測定しました。結果として、低温になると素材が硬くなり、剛性が増すマットがあることが確認され、まとめでは「ゴムや樹脂製は低温時に硬くなり、剛性が上がるため低温時に不具合現象が発生しやすい」と述べています。ある車での再現写真には、「外気温2〜3℃時に再現したが、温度が上がると剛性が低下して干渉は再現しなくなった」という注記もあります。

冬や雨の日の注意:国交省の資料に、濡れたマットの凍結に関する記述は見つかりませんでした(確認できたのは、低温でのマットの硬さです)。JAFは、靴に雪が付いたままだと、アクセルやブレーキの感覚が異なるばかりか、足が滑ってペダルを踏み外すこともあるとして、運転する前に靴の雪をよく払うよう案内しています。

(3) 乗ってからは、マットのずれが見えにくい

運転者の視点から、マットのずれを確認できるかを調べた実験(軽自動車・小型自動車・普通自動車の3台)です。

📊 マットの視認性(国交省 表4-3。3台とも同じ結果)

場面 評価
乗車時 床を見て乗車すれば視野に入る
着座時 運転者の視野に入らず
着座してマットを注視したとき 視野に入るが視認困難(ハンドルや足が障害になる)
市街地を走行中 運転者の視野に入らず

国交省は、フロアマットのずれは、乗車前に確認することが重要とまとめています。

(4) 干渉して加速したとき、ブレーキの「効き」はどうなるか

干渉時の駆動力とブレーキの制動力を比べたグラフ
図:ブレーキ踏力100Nでの制動力と、通常時・マット干渉時の駆動力(国交省 表5-1・5-2より作成。供試車C1台での測定。自作のグラフ)

ブレーキの倍力装置は、一般的な車ではエンジンの吸気管の負圧を使っています。アクセルとスロットルが開いたままだと負圧を補充できないため、干渉して加速した状態でブレーキを繰り返し踏む(ポンピングブレーキ)と、倍力装置の補助が弱まります。国交省が供試車C(1台)で測ったところ、ブレーキ踏力100Nでの制動力は1回目の10,297Nに対し、ポンピング後を想定した3回目は1,030Nで、約10分の1でした。一方、40km/hからの追い越し加速でフラットマットが干渉した状態の駆動力は1,591Nで、通常走行(228N)の約7倍。ポンピング後の制動力を上回りました。

また、国交省は、同じ調査で次のことも確認しています。

確認された内容 出典・条件
停車状態でアクセル全開にすると、剛性の高いマットは干渉した。剛性の低いマットは「引っかかるがアクセルは戻る」。アクセル開度約50%では干渉しなかった 報告書 表4-2(供試車A・B・C、二重敷き)
アクセルとブレーキの同時踏みでブレーキを優先する「ブレーキ・オーバーライド・システム」付きの車は、アクセル全開でもブレーキを踏むことでエンジン回転が大幅に低下し、比較的容易に停止できた(供試車Dでは低車速域での効果が比較的小さかった) 報告書 6(4)③・表4-8

📊 高回転になったあとの回避操作の違い(国交省 表4-11・4-12、供試車C、ブレーキ踏力100N)

操作 想定した走行 操作時の速度 操作からの停止距離
イグニッションをOFF(エンジン停止まで約3.2秒かかった) 市街地(40km/h)で追い越しからの急制動 61.7km/h 141.5m
同上 高速(80km/h)で追い越しからの急制動 95.1km/h 166.4m
Nレンジに操作 市街地(40km/h)で追い越しからの急制動 66.8km/h 52.4m
同上 高速(80km/h)で追い越しからの急制動 91.7km/h 93.8m
この実験結果の読み方:上の数字は、供試車C(1台)での結果です。ハイブリッド車・EV・MT車などで、エンジンやシステムを止める方法やシフト操作の手順は車種ごとに異なります。この実験結果だけで判断せず、お使いの車の取扱説明書で「緊急時の対処」を事前に確認してください。国交省の注意事項は、「干渉して加速した場合にブレーキ操作を繰り返し行うと、ブレーキ倍力装置の機能が大幅に低下するため、ブレーキ操作に大きな踏力が必要になる」という点です。

3. 各社の取扱説明書は何と書いているか

各メーカーの取扱説明書の原文を取得して確認しました(三菱は公式の「クルマの安全ガイド」)。いずれも、重ねて使わないことと、固定具で固定することを求めています。記載は車種・年式によって異なるため、ここで引いたのは各社の一例です。

📊 取扱説明書・公式ページの記載(2026年10月17日確認)

メーカー(確認した資料) 重ね敷き 固定 確認
トヨタ
(センチュリー(HEV)・AQUAの取扱書「運転する前に」)
「他のフロアマット類と重ねて使用しない」 「固定フック(クリップ)を使って、常にしっかりと固定する」。運転席専用を使用。純正品でも他車種・異なる年式のマットは使わない。前後逆さ・裏返しも不可 すべての固定フックで正しい位置に固定されていることを定期的に確認し、特に洗車後は必ず確認。システム停止・Pの状態で各ペダルを奥まで踏み込み、干渉しないことを確認
ホンダ
(FIT e:HEV 2021「車内の清掃」、N-BOX 2021「運転の準備」)
「フロアアンカーで固定されているフロアマットの上に、他のフロアマットを重ねないでください」 運転席のマットが前方にずれるのを防止するため、フロアアンカーで確実に固定。他のマットを使うときも、フロアアンカーでしっかり固定できるものを 「運転の準備」の確認項目に、ペダルに引っかかっていないか/固定されているか/重ねていないか
スバル
(BRZ取扱説明書)
「2枚以上重ねて使用しないでください」「他のフロアマット類と重ねて使用しないでください」 車に合ったものを正しく敷き、固定クリップなどで固定。固定フック(クリップ)で常にしっかり固定 定期的に確認し、特に洗車後は必ず確認。エンジン停止・P(ATはP、MTはニュートラル)で各ペダルを奥まで踏み込み、干渉しないことを確認
マツダ
(CX-3取扱説明書)
「フロアマットは重ねて使用しない」 「フロアカーペットの上のフックでしっかり固定して使用する」。大きすぎるマットは使わない 守られていないと、マットがすべったり、ペダルに引っかかったりして、ペダル操作のさまたげになるおそれ
三菱自動車
(クルマの安全ガイド)
「重ね敷きは、絶対にしない」。2重、3重に敷くと、上のマットがずれてアクセルペダルを押してしまうことがある クルマに合ったものを使い、ずれないように確実に固定 ペダルプレート(スポーツタイプ等)を重ねて取り付けると、はみ出しや取り付け状態によっては、マットと干渉するおそれ

JAMAのリーフレット「運転席フロアマットの正しい使い方」も、「ぴったりを選ぼう」「しっかり固定しよう」「重ね敷きはダメ!」の3点をあげ、「2重3重の重ね敷きは厳禁」、「フロアマットの使い方に関しては、必ず取扱説明書を確認しよう」と案内しています。

ダイハツ・スズキ・日産について:今回の調査で見つかった取扱説明書は、古い版や別の車種のものが中心で、現行版の記載を確認できなかったため、表には載せていません。お乗りの車の取扱説明書でご確認ください。

4. 固定のしかたと、乗る前の5つの確認

固定具の名前と使い方は、メーカーや車種によって違います。取扱説明書の記載から、いくつか例をあげます。

メーカー 固定具の呼び方・使い方(取扱説明書より)
トヨタ 固定フック(クリップ)にマットの取り付け穴をはめ込み、上部のレバーを回して、固定するマークを必ず合わせる
ホンダ フロアアンカーで固定。外すときはノブを解除の位置に回し、取り付けるときは固定の位置に回す
スバル 固定フック(クリップ)、またはマットに付属の固定クリップなどで固定
マツダ フロアカーペットの上のフックでしっかり固定

乗る前の確認(取扱説明書をもとに整理した例)

乗る前に確認する5つのポイントの一覧
図:乗る前に確認する5つのポイント(各社の取扱説明書・国交省の案内をもとにした自作の図。手順は車種ごとに異なります)

国交省の調査では、停車状態でアクセルを全開近くまで踏み込むと干渉する一方、開度約50%程度では干渉しませんでした(表4-2、剛性の高いマット)。トヨタ・スバルの取扱説明書が「各ペダルを奥まで踏み込み、干渉しないことを確認する」ことを求めているのは、この点と合致すると考えられます(筆者の整理です)。

洗車・掃除のあと、冬、ペダルまわりの用品

場面 考え方
洗車・掃除でマットを外したとき トヨタ・スバルの取扱説明書は、洗車後は必ず固定状態を確認するよう求めています。ホンダは、掃除のときにマットを外す手順(アンカーのノブ操作)を示しています
冬・寒い朝 国交省の調査では、ゴムや樹脂製のマットは低温で硬くなり、不具合が起きやすいとされています。乗る前の確認を、いつも以上に丁寧に。靴の雪は払ってから乗る(JAF)
ペダルカバー・ペダルプレートを付けるとき 三菱自動車は、スポーツタイプ等のペダルプレートをアクセルペダルに重ねて付けると、はみ出しや取り付け状態によっては、マットなどと干渉するおそれがあると案内しています。国交省の13件のなかにも、変更したペダルカバーとマットの引っかかりが1件ありました
社外品のマットを使うとき 国交省の注意事項は、社外品を禁止するものではなく、しっかり固定し、重ね敷きをしないことを求めるものです。ホンダは、他のマットを使うときも固定できるものを、としています。適合は販売店・メーカーに確認を

5. 法令・点検基準での位置づけ

保安基準や点検の基準に、フロアマットについての決まりがあるのかを、e-Gov法令検索のデータで確認しました。

確認した法令など 確認できたこと
道路運送車両の保安基準(省令) 条文に「フロアマット」「マット」の語は見つかりませんでした。関連しうる規定として、第8条第3項は、加速装置に「運転者が操作を行わない場合に、当該装置の作動を自動的に解除するための独立に作用する二個以上のばねその他の装置」を備えることを求めています(適用除外あり)。これはアクセル自体の戻り構造の規定で、マットの引っかかりを扱ったものではありません
道路運送車両法 第47条・第47条の2 自動車の使用者は、自動車の点検をし、必要に応じ整備をすることにより、保安基準に適合するように維持する義務があります。日常点検は、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等で行います
自動車点検基準 別表第2(自家用乗用自動車等の日常点検基準) 点検箇所は、ブレーキ(ペダルの踏みしろ・ききが十分)、タイヤ、バッテリ、原動機(低速及び加速の状態が適当)、灯火装置・方向指示器、ウインド・ウォッシャ・ワイパー、「運行において異状が認められた箇所」。フロアマットの固定を名指しした項目はありません
e-Govのキーワード検索「フロアマット」 現行法令で見つかったのは、家畜伝染病予防法施行規則1件のみ(農場の消毒に関する規定で、自動車の使い方とは無関係)

以上から、重ね敷きを禁止する条文は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。重ね敷きをしないという決まりは、国交省の注意喚起・協力依頼(2010年4月22日付で、JAMA、自動車用品の業界団体、JAF、整備・販売の団体などに周知を依頼)や、メーカーの取扱説明書の警告として示されているものです。そして、日常点検の項目にもマットの固定は入っていないため、乗る前の確認は、使う人が自分で行う必要があります。

確認していないこと:保安基準の細目告示(ペダル周辺の細かい基準)は、今回確認していません。条文や基準は改正されることがあります。最新の内容は、国土交通省・e-Govでご確認ください。

6. よくある質問

Q. 純正マットの上に、冬用や吸水マットを敷くのは「重ね敷き」ですか?

A. はい。固定されたマットの上に別のマットを敷くのは重ね敷きにあたります。国交省・JAMA・各メーカーは、重ね敷きをしないよう案内しています。一方、JAF Mateの雨対策の記事は「防水ラバーマット+吸水マットのW使い」を紹介しつつ「マット設置の際はペダルにかからないよう、ズレにも注意」と書いており、方向が異なります。お使いの車の取扱説明書に従い、迷ったら販売店にご相談ください。

Q. 社外品のフロアマットは使ってはいけませんか?

A. 国交省の注意事項は、社外品を禁止するものではなく、しっかり固定し、重ね敷きをしないことを求めています。ホンダの取扱説明書も、他のフロアマットを使うときは、フロアアンカーでしっかり固定できるものを、としています。車種・年式に合い、固定できるかどうかは、販売店・メーカーに確認してください。

Q. 助手席や後席のマットも同じですか?

A. 国交省の実験は運転席まわり(ペダル周辺)で行われ、JAMAのリーフレットは運転席が対象です。国交省の注意事項自体は「フロアマット」と書かれています。トヨタの取扱説明書の警告も、運転席にマットを敷くときの注意としています。ホンダは、後席のフロアマットは正しく取り付けるよう案内しています。運転席以外は、取扱説明書でご確認ください。

Q. 乗る前の「ペダルを奥まで踏む確認」は、どうやるのですか?

A. トヨタ(ハイブリッド)は、システム停止・シフトがPの状態で、各ペダルを奥まで踏み込み、マットと干渉しないことを確認するよう案内しています。スバルは、エンジン停止・P(ATの場合)またはニュートラル(MTの場合)の状態です。車の種類や始動方式によって手順が違うため、取扱説明書の記載に従ってください。

Q. もしアクセルが戻らなくなったら、どうすればよいですか?

A. 国交省は、干渉して加速した場合にブレーキ操作を繰り返し行うと、ブレーキ倍力装置の機能が大幅に低下するため、大きな踏力が必要になるとして注意を呼びかけています。国の報告書は、干渉やアクセル・ブレーキの同時踏みが起きたときは、ポンピングブレーキ(繰り返し踏むこと)を行わないことが重要としています。国の実験(1台のテスト条件下。実走行で試さないでください)では、Nレンジに操作すると停止できましたが、イグニッションOFFでは操作から約3.2秒エンジンが止まらず、その間も走りました。エンジンやシステムを止める方法、シフト操作の手順は車種によって異なります。万一に備え、お乗りの車の取扱説明書の「緊急時の対処」を、事前に確認しておきましょう。

まとめ

フロアマットの重ね敷きは、上のマットが固定されないために、走るうちにずれ、アクセルペダルに引っかかったり、ブレーキペダルの下に入ったりするおそれがあります。国交省の調査では、メーカー報告の事故情報13件のうち11件が未固定の二重敷きでした。(1)運転席のマットは、固定具でしっかり固定する。(2)重ね敷きをしない(冬用・吸水マットも同じ)。(3)乗る前に、固定と、ペダルへの干渉を確認する(トヨタ・スバルは各ペダルを奥まで踏み込む確認を案内)。(4)洗車・掃除のあとは、必ず固定し直して確認する。そして、万一干渉して加速したときの対処は、車種ごとに取扱説明書で確認しておきましょう。

保安基準や日常点検の基準には、マットの固定を名指しした項目が確認できませんでした。だからこそ、乗る前の数秒の確認が大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。フロアマットの取り付け方・固定方法、万一のときの操作は、車種によって異なります。お使いの車の取扱説明書に従い、自信がないときは販売店・整備工場にご相談ください。国の調査・実験は2010年4月公表の資料で、供試車・条件が限られます。法令・基準・各社の記載は変更されることがあります(2026年10月17日確認)。

参考(一次情報・公的機関・各社公式): 国交省「適切にフロアマットをしっかり固定して使用してください」/国交省自動車交通局「フロアマットの使用方法に関する調査結果」(平成22年4月)/国交省 関係団体への協力依頼・要望(平成22年4月22日)/国交省 報道発表(平成22年4月23日)/JAMA「運転席フロアマットの正しい使い方」/トヨタ センチュリー取扱書/トヨタ AQUA取扱書/ホンダ FIT e:HEV 2021 取扱説明書「車内の清掃」/ホンダ N-BOX 2021 取扱説明書「運転の準備」/スバル BRZ取扱説明書(PDF)/マツダ CX-3取扱説明書/三菱自動車「クルマの安全ガイド」/e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準/同 道路運送車両法/同 自動車点検基準/JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」/JAF Mate「クルマの雨対策とおすすめグッズ6選【車内編】」

図はすべて自作のイラスト・グラフです(AI生成・写真の転載なし)。

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