ドラレコの仕様表は何を表す?「最大12時間」「画素数」「画角」を公式10機種で読み比べ【2026年11月】

ドライブレコーダー(イメージ写真)

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ドラレコの「最大12時間」は駐車監視の時間の上限の表記で、バッテリーの状態を保証するものではありません。画素数は最高画質の録画解像度に近く、画角は水平・対角で別の数字です。公式の表示10機種で確認しました。

国内メーカー6社(セルスター・ユピテル・ケンウッド・パイオニア・パナソニック・アルパイン)の公式ページと取扱説明書を開き(2026年11月2日確認)、ドライブレコーダーの仕様表示が何を表していて、何が書かれていないかを、原文のまま整理しました。当サイトは試験していません。価格・順位・おすすめは載せていません。機種は、2026年11月2日に公式サイトで製品ページと仕様を確認できた現行のものから、メーカーごとに1〜2機種を選んでいます(選んだ基準は、仕様表が公式にあること。パナソニックのDR03DとDR03TDは1行にまとめ、表の行で10機種と数えています)。

  • 画素数は、撮像素子の画素数と、最高画質で録画するときの解像度(横×縦)の両方が出ている機種では、ほぼ同じ数でした(ケンウッドの2機種は録画の画素数だけ、アルパインは数値なし)。1920×1080なら約207万画素、3840×2160なら約829万画素です。画質の設定を下げると、録画の画素数は下がります。「撮像素子の画素数」と「録画の画素数」を、どちらも「画素数」と書くメーカーがあります。
  • 画角は、「対角」「水平」「視野角」「最大記録画角」で数字が違います。同じ機種でも、録画の画質(解像度)で記録される画角が変わると書くメーカーがあります。
  • 「最大12時間」「最長24時間」は、駐車監視を続けられる時間の上限の表記です(アルパインは72時間まで)。バッテリー電圧が設定を下回ると止まる、と書いている機種が多く(ケンウッドR40Wは、止まる旨の記載が本体ページに見当たりません)、その場合は上限より早く止まります。セルスターCS-P220の取扱説明書は、バッテリーの寿命を短くすることがあるため、設定は1時間を推奨しています。電圧の数値が本体ページに載っていない機種があります。
  • microSDカードは、多くのメーカーが「消耗品」と書き、年数の目安を出しているのは、確認した範囲ではパイオニアの別売カードだけです。国民生活センターは、映像が記録されていなかった事例を公表しています。
  • 映像が事故の証拠になるかどうかについて、公式は「効力を保証するものではない」と書いています。

「画素数」は何の数字か:撮像素子と録画解像度

公式の仕様表に出てくる「画素数」を並べました。録画解像度の横×縦を掛け算した数(当サイトの計算)も添えています。

機種 公式の画素の表記 録画の解像度 横×縦の計算 フレームレート(公式)
セルスター CS-P220 撮像素子 200万画素(カラーCMOS)。録画画素数 200万(FullHD)/100万(HD)/35万(D1) FullHD ほか(1920×1080は、両機種の取扱説明書の記載。製品ページに数字はない) 1920×1080 = 約207万(当サイトの補足) 30fps(取扱説明書に、録画の条件によりフレームレートが変わる場合がある旨の記載)
セルスター CS-23FH 同上 同上 同上 30fps
ユピテル SN-ST5550d 映像素子 200万画素カラーCMOS(STARVIS技術搭載)。記録解像度は「最大200万画素」 1080P(1920×1080)、720P 約207万 28コマ/秒または14コマ/秒
ユピテル Y-4K-02(前後2カメラ) フロントの記録解像度は「最大820万画素」、リアは「最大200万画素」 フロント 3840×2160/2560×1440/1920×1080、リア 1080P 3840×2160 = 約829万 28コマ/秒
ケンウッド DRV-R40W(前後2カメラ。プレスリリースのURLの日付は2025年12月16日) 前後とも1/2.8型フルカラーCMOS。「動画約207万画素」 前後とも1920×1080 約207万 27.5fps(ほかに13.7fps、1fps)
ケンウッド DRV-X80EM(デジタルルームミラー。プレスリリースのURLの日付は2026年7月28日) 前後とも1/2.8型CMOS 前後とも1920×1080 約207万 前:表示28fps・記録28fps。後:表示56fps・記録28fps
パイオニア VREC-DH610D(前後2カメラ) 本体「約370万画素」、リア「約200万画素」(1/2.8型CMOS) 本体 2560×1440/1920×1080、リア 1920×1080 2560×1440 = 約369万 27.0fps
パイオニア VREC-DZ810DII(前後2カメラ) 本体「約830万画素」、リア「約200万画素」 本体 3840×2160/2560×1440、リア 1920×1080 3840×2160 = 約829万 27.5fps
パナソニック DR03D/DR03TD(ストラーダ連携の前後2カメラ。単体機ではない) C-MOS、有効画素数 約200万画素 1920×1080 約207万 高画質28fps(駐車録画は14fps)、標準画質14fps
アルパイン DVR-C320R(アルパイン製ナビ専用) 画素数の数値は公式ページに見当たらない 「フルHDの高画質」(数値の記載なし) ― 記載なし(29fpsは、LED信号機の説明に出てくる数字で、本機のフレームレートの表記ではない)
  • 最高画質では、画素数と録画解像度は、ほぼ同じ数を指しています。たとえば「約830万画素」は4K(3840×2160)の画素数と合います。ユピテルのY-4K-02は「最大820万画素」と書いており、掛け算の829万とは少し違います(公式の表記のままです)。
  • 録画の画質を下げると、画素数は下がります。セルスターは、FullHD(200万)・HD(100万)・D1(35万)を選べる仕様で、撮像素子は200万画素でも、設定次第で35万画素で録画されます。仕様表の「200万画素」は、最高画質のときの数字です。
  • フレームレートは、27.0〜30fpsと機種ごとに違います。駐車録画のときは別の値になる機種があります(パナソニックは14fps、ユピテルのタイムラプスは1コマ/秒)。セルスターは、録画の条件によりフレームレートが変わる場合があると書いています。

撮像素子の型番や感度の数字(最低被写体照度)は、機種によって出ている・いないが分かれます。セルスターCS-P220・CS-23FHは「3LUX」、ユピテルY-4K-02は前0.75LUX・後0.5LUXと書いていますが、ほかは確認できませんでした。「夜間に強い」「STARVIS」といった言葉は、特長の説明であり、実際の見え方を数字で示すものではありません。

「画角」の数字は、同じ名前でも別のもの

機種 公式の画角の表記
セルスター CS-P220 視野角:水平115° 垂直60° 対角141°。録画画角(FullHD・HD)は同じ。D1だけ水平97°・対角122°
セルスター CS-23FH 視野角:水平116° 垂直59° 対角145°。録画画角(FullHD・HD)は水平107° 垂直56° 対角130°、D1は水平90° 垂直56° 対角115°
ユピテル SN-ST5550d 最大記録画角:対角162°(水平135°、垂直72°)
ユピテル Y-4K-02 最大記録画角:フロント対角165°(水平137°、垂直82°)、リア対角160°(水平140°、垂直80°)。「解像度により記録される視野角が変化します」
ケンウッド DRV-R40W 最大記録画角:前後とも水平約111° 垂直約58° 対角約135°
ケンウッド DRV-X80EM 前:水平約133° 垂直約69° 対角約162°、後:水平約107° 垂直約56° 対角約129°
パイオニア VREC-DH610D 記録画角:本体 水平136° 垂直73° 対角160°、リア 水平127° 垂直67° 対角153°
パイオニア VREC-DZ810DII 記録画角:本体 水平115° 垂直60° 対角139°、リア 水平125° 垂直65.4° 対角150.8°
パナソニック DR03D/DR03TD 水平117° 垂直63°(対角の記載なし)
  • 「対角162°」と「水平115°」は、別の測り方の数字です。広告で目立つのは対角の数字ですが、道路の左右をどれだけ映せるかは水平の数字に近くなります。同じ機種でも、ケンウッドR40Wは対角約135°・水平約111°で、25°近く違います。
  • セルスターCS-23FHは、視野角(カメラの見える範囲)と録画画角(録画される範囲)が別の欄で、対角145°と130°と違います。仕様表で大きく見える数字が、録画される範囲とは限りません。
  • ユピテルのY-4K-02は、「解像度により記録される視野角が変化します」と書いています。最大画角の数字が、最高の解像度の設定のものかどうか、確認が必要です(SN-ST5550dの注記は「超広角レンズのため、視野角の水平、垂直と対角の比率は異なります」)。
  • パナソニックは水平・垂直だけで、対角の記載がありません。アルパインは、画素・画角・F値の数値を公式ページで確認できませんでした。

駐車監視の「最大12時間」は、何の上限か

駐車監視は、エンジンを止めた後も電源を取り、衝撃などを検知して録画する機能です。仕様に書かれる「最大12時間」「最長24時間」などは、駐車監視を続けられる時間の上限の表記です(セルスター・ケンウッドX80EM・アルパインなどでは、タイマーで設定する時間の上限)。公式の説明を並べます。

機種 時間の表記 必要なもの 低電圧保護(バッテリー保護)の記載
セルスター CS-P220 最大12時間(タイマーは0、1〜12時間で設定) 別売の常時電源コード GDO-10/GDO-24/GDO-41 「電圧監視機能によって設定した電圧を下回ると自動的に電源供給がオフになり、バッテリーを保護します」。電圧の数値の記載なし
セルスター CS-23FH 最大12時間(エンジンOFFから) (CS-P220と同様のオプションコードが記載されている) 本体ページは、CS-P220と同じく、設定した電圧を下回ると自動的に電源供給がオフになる旨。取扱説明書は「タイマー設定時間内であっても、バッテリーの電圧によっては電圧監視機能がはたらき、録画を停止します」。数値の記載なし
ユピテル SN-ST5550d 駐車記録はオプション対応 別売の電源直結コード OP-VMU5L 本体ページに記載なし。OP-VMU5Lの取扱説明書に、12V車の検出電圧11.6/11.8/12.0/12.2/12.4/12.6V、オフタイマー0.5〜12時間、「±5%程度誤差が生じる場合があります」
ユピテル Y-4K-02 標準装備(タイムラプス・動体検知・Gセンサー) 電圧監視付きの+B/ACC電源直結コードが付属 「電圧監視機能を搭載」。電圧値は本ページで確認できず
ケンウッド DRV-R40W 「付属の車載電源ケーブルの使用で最長24時間」(タイマー設定の語は本体ページに見当たらない) 同梱の車載電源ケーブル 低電圧で停止する旨の記載は、本体ページに見当たらない。待機電流:駐車監視中(常時監視モード)215mA。シガー電源系の注意として、車種によってはエンジンを切ってもシガーライター電源が切れない場合があり、バッテリー上がりの原因になる旨の記載がある
ケンウッド DRV-X80EM タイマー3/6/12/24時間 付属の車載電源ケーブル 電圧カットオフ12.0/12.2/12.4/12.6V。バッテリー保護のため電圧が低下した場合は、タイマー設定した時間よりも早く駐車録画機能が停止することがある旨の注記。待機電流は常時監視モードで530mA以下、衝撃検知モードで20mA以下
パイオニア VREC-DH610D 最大24時間(タイマーオフ設定値の上限) 同梱の駐車監視用電源ケーブル。工場出荷時の設定はOFF 「電圧低下を監視する電圧カットオフ設定を優先し動作を停止する」。電圧の数値は確認できず
パイオニア VREC-DZ810DII 通常監視モードと省電力監視モード(「24時間365日」) 別売のRD-DR002が必要 電圧設定4段階(11.6/11.8/12.0/12.2V)。下回ると停止。公式は、機械式の立体駐車場や振動の多い場所で使うと車両バッテリー電圧の低下が早まる可能性があるため、駐車監視機能をOFFにすることを推奨している
アルパイン DVR-C320R タイマー3/6/12/24/48/72時間(72時間はC320R・C310Rのみ) (取得した範囲で記載なし) 「バッテリー電圧が低下すると保護のために解除される安全設計」。数値の記載なし
  • 「12時間」「24時間」は、バッテリーが何時間もつかの保証ではありません。ケンウッドX80EMは、バッテリー電圧が低下するとタイマーの設定より早く駐車録画が停止することがあると書き、ユピテルは、電圧の検出に±5%程度の誤差が生じる場合があると書いています。
  • セルスターCS-P220の取扱説明書は、車両バッテリーの寿命を短くすることがあるため、常時電源コードの設定は1時間(12V車は12V)にすることを推奨しています。CS-23FHの取扱説明書は、ハイブリッド車では電圧監視の設定を11.5Vにしないよう注意しています。ユピテルのOP-VMU5L取扱説明書は、2日以上使用しない場合は駐車記録スイッチをOFFにするよう案内しています。仕様の「最大12時間」と、取扱説明書の推奨が一致しない例があります。
  • セルスターは、「パーキングモードによるお車のバッテリー上がりに関して当社は一切の責任を負いかねます」と書いています。ユピテルのOP-VMU5L取扱説明書も、車両バッテリー上がりについて「弊社は一切の責任を負いません」とし、「毎日1時間以上走行しない、または1年以上同じバッテリーをご使用の場合はバッテリーが上がるおそれがあります」と書いています。
  • 駐車監視を使うために、別売のケーブルが必要な機種と、同梱の機種があります。本体の価格だけでなく、必要な別売品も、公式の仕様で確認する必要があります。
  • 電圧の数値(何Vで止まるか)は、本体ページでなく取扱説明書にだけ載っている機種があります(ユピテルSN-ST5550d)。

バッテリー上がりの対処は、ブースターケーブルとジャンプスターター、車に合うか確認する5つの点の記事で整理しています。

microSDカード:付属品、推奨品、そして寿命

機種 付属のmicroSD 公式のカードに関する記載
セルスター CS-P220 32GB 「microSDカードメンテナンスフリー」。「microSDカードは消耗品です。一定使用期間が過ぎるとメモリーセクターの一部が損傷されて正常な録画ができない可能性があります」。NANDタイプはMLCを推奨、オプションカード推奨。取扱説明書は、画質設定の変更やカードの状態によってはフォーマットが必要で、新規購入したカードは使用前に必ずフォーマットが必要と書いている
セルスター CS-23FH 16GB 「弊社オプションmicroSDカード推奨」。取扱説明書に、書き込み禁止のカードを検知して交換を促す画面を表示する旨
ユピテル SN-ST5550d / Y-4K-02 32GB(SN-ST5550dは「高耐久MLC方式」。Y-4K-02も高信頼性のSDカードを同梱。ともにフォーマット不要の趣旨) 推奨カード名の記載は確認できず。「SDカードは消耗品です。寿命がありますので定期的な交換をお勧めします」と、入れ忘れ・破損・不具合による記録停止を表示と音で知らせる「SDカードチェック機能」の記載がある
ケンウッド DRV-R40W 32GB(「3D NAND型」) 「SDカードメンテナンスフリー」。「DRV-R40WはSDカード寿命告知機能には対応していません」
ケンウッド DRV-X80EM 64GB(3D NAND) 推奨カード名の記載あり(KIOXIA EXCERIA HIGH ENDURANCE G2)
パイオニア VREC-DH610D / DZ810DII 64GB 「同梱のmicroSDカードの寿命は保証対象外」。別売のパイオニア製SDカードを使うと「SDカード寿命警告機能」が働く。「SDカードフォーマットフリー機能(定期的なフォーマットが不要)」とフォーマット警告機能の記載がある
アルパイン DVR-C320R 32GB(フォーマットフリー) 「microSDカードは消耗品です…定期的に新品に交換することをお勧めします」
パナソニック DR03D/DR03TD 16GB 「SDメモリーカードは消耗品です。長く使用していると上書きが繰り返し行われ、劣化して録画できなくなります」

セルスター・ユピテル・パナソニック・アルパインは、本体ページや取扱説明書でカードを消耗品と書いています。パイオニアは、本体ページではなく保証の注記で、microSDカードを消耗品に挙げています。ケンウッドは、本体ページにカードを消耗品と明記した記述が見つからず、取扱説明書は確認できていません。本体に付属するカードについて、何年もつか、何回書き込めるかの数字は、どの機種も出していません。年数の目安を出しているのは、確認した範囲では、パイオニアの別売カードで、毎日2時間・365日撮影した場合の耐久年数として、公式の画像に、128GBで約66年(約48,000時間)、64GBで約33年、32GBで約16年と書かれています。脚注は、1カメラのフルHDで1日2時間撮影した場合の概算年数としており、製品の耐久を保証するものではない、と注記されています(2カメラや4Kの場合の数字ではありません)。

国民生活センターが公表した「記録されていなかった」事例

  • 2017年3月2日公表(相談解決のためのテスト No.109):事故の映像が残っていなかったドライブレコーダーで、本体は異常がなく、microSDカードが認識されず再生できませんでした。カードリーダーで見ると、保存されていたファイルは事故日よりかなり以前のもので、事故時のファイルはありませんでした。新品のmicroSDに交換すると正常に動作し、「本体に問題はなく、…microSDカードに不具合があったものと考えられました」とされています。取扱説明書には「1〜2週間に一度フォーマット」「定期的に新品に交換」と書かれていました。
  • 2018年8月2日公表(2018年11月6日更新):「ドライブレコーダーの映像を定期的に確認しましょう―SDカードの異常により映像が記録されていないことも―」。PIO-NETの相談は2013年度以降444件、うち記録に関する相談が88件で、年々増加傾向とされました。消費者アンケートでは、約6割がフォーマットや交換が必要なことを知らず、約6割が実施していませんでした。異常のあるSDカードでの試験では、読み書きできないSDで異常を検出しなかった3銘柄があり、録画の表示は出ているのに記録されていませんでした。センターは、映像を定期的に確認すること、定期的にフォーマットして新品に交換することをアドバイスしています。原文には「本テスト結果は特定の条件による一例であり、全てのSDカードで起こるものではありません」との注記があります。

2018年の国民生活センターの文書自体が、SDカードの定期的なフォーマットが不要なドライブレコーダーや、耐久性が高いとうたうSDカードも販売されていると書いています。今回確認した現行の公式ページにも、フォーマット不要を示す機種(セルスター・ユピテル・ケンウッド・パイオニア・アルパイン)や、異常を表示で知らせる機能(セルスターCS-23FHの書き込み禁止の検知、ユピテルのSDカードチェック機能、パイオニアのフォーマット警告・寿命警告)があります。ただ、カードの異常を確実に知らせると保証している機種はありませんでした(セルスターは、フォーマット不要の機種でも、設定の変更やカードの状態によってはフォーマットが必要と書いています)。どの機種でも、時々映像を再生して確かめる習慣は、センターの助言のとおり有効です。

公式が書いている免責と、取付けの位置

  • 証拠能力:ケンウッドは「事故の証拠として裁判などで効力を保証するものではありません」、セルスターは「本機は自動車等の事故における証拠として、効力を保証するものではありません」、アルパインも同趣旨を書いています。
  • 録画の保証:ケンウッドは「あらゆる状況においての映像の記録を保証するものではありません」と書き、パイオニアは、購入直後など十分に充電されていない状態で電源供給が止まった場合は、撮影時間が短くなったり、撮影できない場合があると書いています。
  • LED信号機:セルスターは「LED方式の信号機では画面がチラつくことがあり、色の識別ができない場合があります」と書いています。アルパインは、29fpsなら信号機の状況がしっかり記録され、30fpsまたは25fpsだと無点灯状態で撮影される可能性があると書いています(メーカーの説明)。
  • ガラスの条件:ケンウッドは、フロント・リアガラスにコーティング剤があると録画品質に影響する可能性、熱反射・断熱ガラスだとGPSの受信感度が下がる、と書いています。

取付け位置は、保安基準の細目告示(第195条第5項第3号)で定められています。乗用車(乗車定員10人未満)と車両総重量3.5t以下の貨物車では、ドライブレコーダーのカメラを、ルームミラーで遮へいされる範囲か、試験領域Bとそれを水平方向に拡大した領域以外の範囲に貼り付けることが条件で、ただし書きで、前面ガラスの上縁から開口部の実長の20%以内、または下縁から150mm以内に貼る場合は、この限りでないとされています(2025年6月17日時点の告示で、その後の改正は未確認)。ケンウッドR40Wの公式も、「フロントガラス全体の上部20%の範囲内、または運転者の前方視界を妨げない位置(ルームミラーで隠れる位置)」と案内しています。詳しい条文は車の窓に貼っていいステッカーの記事で確認しています。

国が画角や解像度の数値を決めている例として、国土交通省の告示(平成28年)があります。ただし、これは貸切バスの事業者が運行の指導監督に使うドライブレコーダーの要件で、前方用カメラは水平で左右に各50度以上、640×480ドット以上、10コマ/秒以上などと定めています。一般の乗用車のドラレコに、画素数や画角の公的な基準があるとは、確認した範囲で見つかりませんでした。なお、セルスターの仕様欄は「『ドライブレコーダー協議会ガイドライン』に基づく表記」という見出しを掲げており、民間の業界団体の表記のガイドラインがあるようですが、その原文は今回確認できていません。国民生活センターの2018年の文書には、同年11月6日に追加された業界の対応として、ドライブレコーダー協議会が、メモリーカードには寿命があり消耗品であることなどを盛り込んだパンフレットを配布し、メモリーカードの注意事項とエラー表示の仕様を盛り込んだガイドラインを策定中、というコメントが載っています。

今回、確認できなかったこと

  • コムテックは、今回は調べていません(調査時に開いたcomtec.co.jpが証明書の名前不一致で開けず、公式サイトが別のドメイン(e-comtec.co.jp)にあると分かったのは調査の後でした)。ソニーは、現行のドラレコの公式ページを見つけられませんでした。
  • アルパイン:画素・画角・F値などの数値仕様が、公式ページに見当たりませんでした。
  • 発売時期は、ケンウッドの2機種(プレスリリースのURLに日付があり、PDF本文は読めませんでした)以外は、製品ページに記載がありません。
  • 映像の証拠能力や保存に関する警察庁などの公的な情報、NITEのドラレコ単体の事故情報は、確認できませんでした。
  • 各機種の現在の価格・在庫・販売状況。この記事では扱っていません。

出典(確認日: 2026年11月2日)

  • セルスター CS-P220・CS-23FH、ユピテル SN-ST5550d・Y-4K-02(OP-VMU5L取扱説明書を含む)、ケンウッド DRV-R40W・DRV-X80EM(プレスリリース)、パイオニア VREC-DH610D・DZ810DII、パナソニック DR03D/DR03TD、アルパイン DVR-C320R の各公式ページ・仕様ページ・取扱説明書
  • 国民生活センター「事故時の映像が録画されていなかったドライブレコーダー(相談解決のためのテストから No.109)」(2017年3月2日)、「ドライブレコーダーの映像を定期的に確認しましょう―SDカードの異常により映像が記録されていないことも―」(2018年8月2日)
  • 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第195条(窓ガラス)、国土交通省告示第千三百四十六号(平成28年11月17日)

取扱説明書で確認できた補足:電圧の数値と、カードの年数(2026年11月2日)

動画の制作で、セルスターの2機種の取扱説明書(PDF)を読み直しました。上の表の「電圧の数値の記載なし」と、年数の目安についての記述の補足になる記載です。電圧の数字は製品ページには出ていませんが、取扱説明書の「常時電源コードの設定」にあります。当サイトは試験していません。書かれていることを、原文のまま整理しています。

機種(取扱説明書) 電圧の設定(12V車) バッテリー・カードについての記載
セルスター CS-P220(36ページ ほか) 常時電源コードのスイッチで 12V / 11.8V / 11.5V から選ぶ(推奨 12V)。24V車は 24V / 23.7V / 23.5V 「車両バッテリーの寿命を短くすることがあるため、オプションの常時電源コードの設定を1時間、12V(24V車は24V)に設定することを推奨します。」/ microSDカードは「消耗品です。一定使用期間が過ぎると…」(年数の記載なし)
セルスター CS-23FH(6ページ ほか) 同じく 12V / 11.8V / 11.5V から選ぶ(推奨 12V) 「ハイブリッド車両は車両の充電制御の関係上、オプションの常時電源コードの電圧監視設定を11.5Vに設定しないでください。(12V設定推奨)」/ microSDカードは「消耗品です。一定使用期間(約1年)が過ぎると…」

2つの機種とも、取扱説明書は「タイマー設定時間内であっても、バッテリーの電圧によっては電圧監視機能がはたらき、録画を停止します」と書いています。仕様の「最大12時間」は、この電圧監視が働かない場合のタイマーの上限、と読めます。

年数の数字について。セルスターCS-23FHの取扱説明書は、microSDカードの「一定使用期間」を約1年と書いています(CS-P220の取扱説明書は「一定使用期間」のみで、年数はありません)。パイオニアの別売カードの図にある約16年・約33年・約66年は、毎日2時間・1カメラのフルHDで撮影した場合の概算で、製品の耐久を保証するものではない、という注記つきの数字です。2つは条件も意味も違うため、比べることはできません。確認できたのは、この記事で読んだ製品ページと、今回読んだ取扱説明書の範囲です(ケンウッド・パイオニア・アルパイン・パナソニックの取扱説明書は読んでいません)。

この記事は、公式の仕様表示と公的な情報の整理です。広告・アフィリエイトのリンクは含まれません。
アイキャッチ画像: “Dashcams P1210466.JPG” (Wikimedia Commons, パブリックドメイン。今回取り上げた機種とは関係のない、ドライブレコーダーのイメージ写真です)

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