日没前後の「薄暮時間帯」は、1年でもっとも交通死亡事故が多い時間帯のひとつです。特にこれから迎える10月〜12月は日没が早まり、事故が増える時期にあたります。警察庁が公表しているデータをもとに、薄暮時間帯の事故の特徴と、ドライバー・歩行者それぞれができる対策を整理します。
📋 この記事でわかること
- 「薄暮時間帯」とは日の入り前後1時間
- 令和3年〜令和7年のデータでわかったこと
- ドライバーができる対策:前照灯の「早め点灯」
- 歩行者・自転車利用者ができる対策:反射材・ライトの活用
- オートライト機能を過信しない
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
「薄暮時間帯」とは日の入り前後1時間
警察庁は、日の入り時刻の前後1時間を「薄暮時間帯」と定義しています。日の入り時刻は月日や都道府県によって異なりますが、この時間帯は周囲の視界が徐々に悪くなり、自動車・自転車・歩行者がお互いを発見するのが遅れたり、距離や速度がわかりにくくなったりするため、例年、交通死亡事故が多く発生しています。
令和3年〜令和7年のデータでわかったこと
警察庁が令和3年から令和7年までの5年間の交通死亡事故発生状況を分析した結果、次のことが明らかになっています。
- 日の入り時刻と重なる17時台〜19時台に多く発生している
- 自動車と歩行者が衝突する事故が最も多く、事故類型別では「横断中」が約8割を占める
- 横断場所の内訳では、横断歩道以外での発生が約7割。さらに、横断歩道以外を横断していた歩行者の約7割に法令違反があった
つまり、薄暮時間帯の死亡事故の多くは、歩行者が横断歩道以外の場所を渡っているときに、視界の悪化で自動車の発見が遅れることで発生しているといえます。
ドライバーができる対策:前照灯の「早め点灯」
警察庁が特に呼びかけているのが「前照灯の早め点灯」です。ドライバーの中には、周囲が見えづらくなっても前照灯を点灯せず、前方が見えなくなってはじめて点灯するケースが見られますが、その段階ではすでに、他の車や歩行者が自分の車の存在に気づくのが遅れ、事故につながるおそれがあります。薄暗くなり始めた段階から意識的に前照灯を点灯し、周囲に自車の存在を知らせましょう。あわせて、薄暮時間帯は視界が悪化し始める時間帯でもあるため、速度を落として周囲の交通状況に一層注意することも呼びかけられています。
歩行者・自転車利用者ができる対策:反射材・ライトの活用
歩行者や自転車利用者から見て自動車が接近してきているのがわかっても、自動車の運転者からは歩行者や自転車がよく見えていないことがあります。明るい目立つ色の服を着る、靴・衣服・カバン・つえなどに反射材やライトをつけるなど、運転者から見やすくする工夫が効果的です。また、薄暮時間帯や夜間は自動車の距離や速度がわかりにくくなるため、横断するときや自動車とすれ違うときは昼間以上に注意しましょう。
オートライト機能を過信しない
2020年4月以降に販売される新型車には、周囲の明るさに応じてヘッドライトが自動点灯する「オートライト」機能の搭載が義務化されています。薄暮時間帯の点灯忘れを防ぐ仕組みとして有効な機能ですが、注意したいのは、対象は2020年4月以降の新型車に限られ、それ以前から販売されているモデルの継続生産車(型式が変わらないまま販売され続けている車)には、必ずしも義務化の対象になっていない車種がある点です。ご自身の車にオートライト機能が搭載されているかどうかを確認し、搭載されていない場合は、意識的な早め点灯を心がける必要があります。また、オートライト搭載車であっても、トンネルの出口など明るさセンサーが誤作動しやすい状況もあるため、機能に完全に頼りきらず、自分の目でも周囲の明るさを確認する習慣を持つことが大切です。
反射材はどれくらい発見を早めるのか
反射材の効果は、装着の有無で車のヘッドライトに照らされたときの視認性が大きく変わる点にあります。反射材のない黒っぽい服装は、夜間や薄暮時にドライバーから発見されるのが遅れがちですが、反射材を身につけていると、ヘッドライトの光を反射して数十メートル以上離れた位置からでも視認しやすくなるとされています。靴のかかと部分、腕、カバンなど、体の動きに合わせて光る部位に反射材があると、静止した反射板よりもドライバーの目を引きやすいという特性もあり、ウォーキングやランニングを日常的に行う人は、反射材付きのウェアやアームバンドを取り入れることをおすすめします。
まとめ
薄暮時間帯の事故は、17時台〜19時台に集中し、横断歩道以外での歩行者横断中の事故が目立つという明確な傾向があります。これから日没が早まる秋以降は特に注意が必要な時期です。ドライバーは前照灯の早め点灯と減速、歩行者・自転車利用者は反射材やライトの活用を、それぞれ心がけましょう。
出典・免責
本記事の内容は、以下の情報源(2026年9月2日確認時点)に基づいています。
統計は警察庁が公表した令和3年〜令和7年の交通死亡事故発生状況の分析結果に基づくものです。最新情報は警察庁公式サイトでご確認ください。
アイキャッチ画像: Mini on a country lane at dusk by Dietmar Rabich, CC BY-SA 4.0
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