2024年 秋の全国交通安全運動:重点と推進項目を要綱で確認

秋の全国交通安全運動(この記事の元の題名では「秋の交通安全週間」)は、毎年9月に全国で行われる運動です。この記事は、2024年(令和6年)の運動について、内閣府が公開している「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」と、交通安全白書などの公的資料で確認できた内容を整理した記録です。運動の重点や推進項目、当時の事故情勢を知りたい方のほか、最新(2026年)の運動との違いを見たい方にも役立ちます。

📋 この記事の要点

✔ 2024年の運動期間は、令和6年9月21日(土)から30日(月)までの10日間。9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」

✔ 全国重点は3つ。(1)反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践による歩行者の交通事故防止、(2)夕暮れ時以降の早めのライト点灯とハイビームの活用促進、飲酒運転等の根絶、(3)自転車・特定小型原動機付自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守

✔ 交通事故死者数は、令和5年が2,678人、令和6年が2,663人(前年比15人・0.6%減)。65歳以上の死者は令和6年に1,513人で、死者の56.8%

✔ 運動は、内閣府・警察庁などの省庁、都道府県、市区町村、関係団体が主催。地域ごとの活動日程は、要綱には載っておらず、自治体・警察署の発表で確認する

✔ 最新の運動(2026年)は、記事「秋の全国交通安全運動」で解説

1. 2024年の運動の概要

📊 2024年の運動の概要(出典:内閣府「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」)

項目 内容(令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱)
運動期間 令和6年9月21日(土)から30日(月)までの10日間
交通事故死ゼロを目指す日 令和6年9月30日(月)
決定 令和6年7月1日 中央交通安全対策会議 交通対策本部
主催 内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省、都道府県、市区町村、関係団体(自動車安全運転センター、全日本交通安全協会、日本自動車連盟など)
目的 国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付け、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進して、交通事故防止の徹底を図ること
地域重点 都道府県の交通対策協議会等は、全国重点のほか、地域の交通事故実態に即して必要があるときは、地域の重点を定めることができる

📌 補足

地域ごとのイベントや日程は、要綱には掲載されていません。お住まいの都道府県・市区町村・警察署の公式サイトで確認してください。

2. 全国重点3つと、その背景

📊 全国重点3つ(出典:同上)

全国重点 背景(要綱の「趣旨」より)
(1)反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止 交通事故死者のうち歩行中の割合が最も高く、夜間の歩行中の死者が多い。直前・直後横断や横断歩道外横断など歩行者側の法令違反もある。歩行中の児童の死者・重傷者は、登下校の通行目的が全体の約4割
(2)夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶 日の入り時間が急激に早まる秋口以降は、夕暮れ時から夜間に重大事故が多発。死亡事故の第1当事者の多くは自動車の運転者。飲酒運転、妨害運転(あおり運転)も後を絶たない
(3)自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底 自転車乗用中の死者の人身損傷主部位は、頭部が半数以上。ヘルメット非着用時の致死率は着用時より高い。令和5年7月1日から特定小型原動機付自転車の新たな交通ルールが定められた

💡 ポイント

重点は、その年の交通事故の実態から決められます。運動期間が終わっても、「夕方は早めにライトを点ける」「歩行者優先を守る」といった内容は、日々の運転にそのまま生かせます。

3. 推進項目の中身(運転者・歩行者・自転車)

📊 対象別の推進項目(出典:内閣府「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」第6)

対象 主な推進項目(要綱より)
歩行者 反射材用品・LEDライト・明るい目立つ色の服装の周知と着用。横断歩道を渡る、信号に従う、歩きスマホの危険性の周知。横断する意思を運転者に伝え、安全を確認してから渡る。通学路の見守り活動、「ゾーン30プラス」の整備など
運転者(夕暮れ時・夜間) 夕暮れ時の前照灯の早め点灯。夜間、対向車や先行車がいないときのハイビームの活用
運転者(歩行者優先・ながらスマホ) 横断歩道での歩行者優先義務の遵守。運転中のスマートフォン等の使用や注視の危険性の周知
運転者(飲酒・妨害運転) 「飲酒運転を絶対にしない、させない」の醸成、飲食店等での酒類提供禁止の徹底、ハンドルキーパー運動。妨害運転の防止、ドライブレコーダーの普及促進
運転者(高齢運転者・シートベルト) 加齢に伴う身体機能の変化を踏まえた交通安全教育、安全運転サポート車の普及啓発、免許の自主返納制度の周知。後部座席を含む全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用
二輪車 二輪車の特性(不安定性、死角に入りやすい)の周知、ヘルメットの正しい着用(あご紐を緩みなく締める)、プロテクターの着用
自転車 乗車用ヘルメットの着用(努力義務化を踏まえた徹底)、夕暮れ時の早めの灯火点灯と反射材の取付け、車道通行の原則などの「自転車安全利用五則」、ながらスマホの禁止と酒気帯び運転の罰則整備(令和6年法律第34号)の周知
特定小型原動機付自転車 16歳未満の運転禁止や車道通行の原則などの周知、乗車用ヘルメットの着用を促す取組、販売事業者・シェアリング事業者と連携した広報

4. 数字で見る当時の事故情勢

2024年の運動は、令和5年に増加した交通事故が、令和6年に減少に転じた時期に行われました。交通安全白書(内閣府)に載っている変化を整理します。

📊 交通事故の状況(出典:内閣府「令和6年交通安全白書」「令和7年交通安全白書」、警察庁の統計)

項目 令和5年(2023年) 令和6年(2024年)
交通事故発生件数(前年比) 7,091件(2.4%)増 1万7,035件(5.5%)減
交通事故死者数 2,678人(前年比68人・2.6%増) 2,663人(前年比15人・0.6%減)
負傷者数(前年比) 8,994人(2.5%)増 2万1,200人(5.8%)減
65歳以上の死者数(死者全体に占める割合) 1,466人(54.7%) 1,513人(56.8%)
  • 令和6年の交通死亡事故を事故類型別にみると、正面衝突等が最も多く、次いで歩行者横断中、出会い頭衝突の順で、この3類型で全体の約7割を占めました(令和7年交通安全白書)。
  • 令和6年の交通事故発生件数を事故類型別にみると、追突が最も多く、次いで出会い頭衝突で、両者で約5割を占めました(同)。
  • 令和6年は、高齢者の人口10万人当たりの交通事故死者数が、近年の減少傾向から増加に転じました(同)。

⚠️ 注意

死者数などの数値は、集計の基準(事故から24時間以内か30日以内かなど)により異なる場合があります。他の資料と比べるときは、集計の定義を確認してください。

5. 運動の重点は、年ごとにどう変わってきたか

📊 2021〜2025年の全国重点(出典:内閣府の各年の秋の全国交通安全運動推進要綱)

年 運動期間 全国重点(要綱の文言)
2021年(令和3年) 9月21日(火)〜30日(木) 子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保/夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者等の保護など安全運転意識の向上/自転車の安全確保と交通ルール遵守の徹底/飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶
2022年(令和4年) 9月21日(水)〜30日(金) 子供と高齢者を始めとする歩行者の安全確保/夕暮れ時と夜間の歩行者事故等の防止及び飲酒運転の根絶/自転車の交通ルール遵守の徹底
2023年(令和5年) 9月21日(木)〜30日(土) こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保/夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶/自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
2024年(令和6年) 9月21日(土)〜30日(月) 歩行者の交通事故防止(反射材用品等の着用推進・安全な横断方法の実践)/夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶/自転車・特定小型原動機付自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守
2025年(令和7年) 9月21日(日)〜30日(火) 歩行者の安全な道路横断方法等の実践と反射材用品や明るい目立つ色の衣服等の着用促進/ながらスマホや飲酒運転等の根絶と夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進/自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進

期間は、いずれの年も9月21日から30日までの10日間です。「歩行者」「夕暮れ時と夜間」「自転車」という柱は毎年変わらず、飲酒運転やながらスマホ、ヘルメットなど、その時々の課題が加えられています。

6. 運動の内容を、日々の運転に生かす

🧭 日々の運転の5つの習慣(出典:内閣府「令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱」)

1

夕方が近づいたら、早めにライトを点ける

要綱は、夕暮れ時の前照灯の早め点灯を推進項目に挙げています。暗くなってからではなく、暗くなる前から点灯します。

2

横断歩道では歩行者を優先する

横断歩道等に歩行者がいないことが明らかな場合を除き、直前で停止可能な速度で進行する義務があります。

3

運転中はスマートフォンを使わない

運転中のスマートフォン等の使用や注視の危険性が、推進項目に挙げられています。

4

お酒を飲んだら運転しない、させない

同乗者や店側も含めた「許さない環境」が求められています。ハンドルキーパー運動も推進項目です。

5

全ての座席でシートベルトを締める

後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用と、チャイルドシートの正しい使用が推進項目です。

📝 運動期間でなくても続けたいチェックリスト

☑️ 夕方は、暗くなる前にライトを点灯している

☑️ 夜間、対向車・先行車がいない場面では、ハイビームを活用している

☑️ 横断歩道の手前で、歩行者を見落とさないよう速度を落としている

☑️ 運転中はスマホを見ない・持たない

☑️ 同乗者も含め、全員がシートベルトを着用している

☑️ 歩行者・自転車のときは、反射材や明るい服装で目立つようにしている

☑️ 自転車に乗るときは、ヘルメットの着用を心がけている

7. よくある質問

Q. 秋の全国交通安全運動は、いつ行われますか?

A. 2021〜2025年はいずれも9月21日から30日までの10日間でした。2024年は9月21日(土)から30日(月)でした。最新の年の期間は、内閣府の推進要綱で確認できます。

Q. 「交通事故死ゼロを目指す日」とは何ですか?

A. 運動期間中の9月30日に設定されている日です。国民一人一人が交通事故に注意した交通行動をとることで、交通事故を抑止することを目的としています(令和6年秋の全国交通安全運動推進要綱)。

Q. 地域のイベントの日程は、どこで分かりますか?

A. 要綱には地域ごとの日程は載っていません。お住まいの都道府県・市区町村・警察署の公式サイトや広報で確認してください。都道府県の交通対策協議会等は、地域の実態に応じて「地域重点」を定めることができます。

Q. 2024年と最新の運動では、何が違いますか?

A. 柱は歩行者・自動車・自転車で共通ですが、重点の言葉は毎年異なります。最新の重点や新しいルールは、当サイトの「秋の全国交通安全運動」の記事で解説しています。

まとめ

2024年の秋の全国交通安全運動は、9月21日から30日までの10日間で、「歩行者の安全」「夕暮れ時以降の早めのライト点灯と飲酒運転等の根絶」「自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守」が全国重点でした。事故情勢は令和5年の増加から令和6年は減少に転じましたが、高齢者の割合は高い状況です。運動が終わっても、夕方の早め点灯や歩行者優先を習慣にしましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Hand signal police officer Japan.jpg by Rebirth10, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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