エアバッグのSRSは何の略?開くのは時速20〜30km以上?国交省・取扱説明書で確認

エアバッグの近くに「SRS AIRBAG」と書かれているのを見たことはありませんか。この「SRS」が何の略か、そしてエアバッグはどんな衝突でも開くわけではないことは、意外と知られていません。

この記事は、YouTubeのショート動画「エアバッグのSRS、何の略か知ってる?主役はシートベルト」の内容を、国土交通省・日本自動車工業会(JAMA)・JAFの公開情報と、トヨタ・三菱自動車・Hondaの取扱説明書で確認し直し、動画では触れられなかった詳細(資料ごとに違う作動条件の書き方、開かない例と開いてしまう例、警告灯、作動後の注意、リコール)を加えてまとめたものです。シートベルト側の部品については、ELR(急に引くと止まる仕組み)とプリテンショナー(一度作動したら交換)の記事で確認しています。

📋 この記事の要点

✔ 「SRS」はSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略。主役はシートベルトで、エアバッグはその補助(国土交通省・JAMA・JAF・三菱・Honda)

✔ 前のエアバッグは、固い壁に正面衝突したときの強さが目安。国土交通省・トヨタ・Honda・JAMAは時速20〜30km程度以上、三菱は約25km/h以上、JAFは30km/h程度以上と、資料ごとに書き方が違う

✔ 横・後ろからの衝突や横転、電柱への衝突・トラック下への潜り込み・斜め衝突では、前のエアバッグが開かないことがある。逆に、縁石や段差・落下で開いてしまうこともある

✔ 国土交通省に載る平成18年の調査では、エアバッグ作動時の死亡率は、シートベルト着用0.91%に対して非着用13.97%(国土交通省・JAFは「約15倍」と表記)

✔ 警告灯が点灯したまま(または点灯しない)ときは、作動しないおそれがあるため販売店に相談。助手席に後ろ向きのチャイルドシートは付けない(トヨタ・三菱)

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. SRSとは「補助拘束装置」|主役はシートベルト

SRSエアバッグはシートベルトを補助する装置であることを示す図
図:主役はシートベルト、エアバッグはその補助(自作イラスト。実際の形・位置は車種によって異なります)

国土交通省の「自動車総合安全情報」は、現在国内で使われているエアバッグを、シートベルトの働きを補助して衝突時に乗員の衝撃を軽減する「シートベルト併用式エアバッグ」で、SRSエアバッグと呼ばれると説明しています。SRSは補助拘束装置(Supplemental Restraint System)の略称です。確認した資料の説明を並べます。

📊 各資料での「SRS」の説明(確認日: 2026年10月)

資料 「SRS」とエアバッグの位置づけ
国土交通省 SRSは補助拘束装置(Supplemental Restraint System)の略称。国内のエアバッグはシートベルトの働きを補助する「シートベルト併用式」
JAMA(日本自動車工業会) Supplemental Restraint Systemの略称で「補助拘束装置」。シートベルトの着用なしでは、エアバッグが作動しても適切な効果は得られない
JAF SRSはSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略で、あくまでシートベルトの働きを補助するもの
三菱自動車(eK取扱説明書) 「Supplemental Restraint System」の略で、シートベルトの補助拘束装置の意味。エアバッグだけでは、身体の飛び出しなどを防止することはできない
Honda(N-WGN取扱説明書) SRSはサプリメンタルレストレイントシステムの略で、シートベルトの補助拘束の意味。前方向からの衝突では、シートベルトが下半身と胴体を拘束し、エアバッグが頭と胸部を保護する
トヨタ(ハリアー取扱説明書) 強い衝撃を受けたときにふくらみ、シートベルトが体を拘束する働きと併せて乗員への衝撃を緩和する。「SRSエアバッグはシートベルトを補助するためのもの」と明記(略語の英語表記は、確認したページには載っていない)

どの資料も同じ位置づけで、エアバッグはシートベルトの代わりではなく、ベルトを着けた上でさらに頭や胸への衝撃をやわらげる装置です。エアバッグが格納されている場所には、Hondaの取扱説明書によると「SRS AIRBAG」と表示されており、運転席側はハンドルの中央、助手席側はダッシュボードに格納されています。

2. エアバッグが開く強さの目安|資料ごとの書き方

前のエアバッグ(運転席・助手席)は、一定以上の衝撃を感知したときに開きます。その「一定以上」の目安を、各資料は次のように書いています。数字や言い方は資料ごとに違うため、まとめて一つの数字にせず、資料ごとに並べます。

前のエアバッグが開く強さの目安を資料ごとに比較した図
図:作動する強さの目安は資料ごとに表現が異なる(自作の図。数値は各資料の記載)

📊 前のエアバッグが開く条件(各資料の記載の要旨)

資料 記載の要旨
国土交通省 ①時速20〜30km程度以上の速度で、コンクリート壁のような強固な構造物に正面衝突したとき。②自動車などと衝突し、①と同様の衝撃を受けたとき
トヨタ(ハリアー) 設定値(移動も変形もしない固定された壁に、車速約20〜30km/hで正面衝突した場合の衝撃の強さに相当する値)以上のとき。駐車している車や標識のように衝撃で移動・変形するものに衝突した場合や、もぐり込むような衝突では、作動する車速は設定値より高くなる
Honda(N-WGN 2026) 20〜30km/h以上の速度で、きわめて厚い固定されたコンクリート壁に真正面から衝突したときと同等かそれ以上の衝撃を受けたとき。車両の前方左右約30度以内の方向から強い衝撃を受けたとき。車やガードレールのように変形するものに衝突した場合、作動するときの車速は高くなる
JAMA 変形や移動をしない固定された壁に正面から約20〜30km/h以上のスピードで衝突したときや、停止している同クラスの車に時速40〜60km/hで正面衝突したとき程度の強い衝撃。この条件から外れた場合は作動しない
三菱自動車(安全ガイド) 運転席・助手席のエアバッグと運転席ニーエアバッグは、約25km/h以上の速度でコンクリートのような固い壁に正面から衝突したときに作動。サイドエアバッグ・カーテンエアバッグは、強い衝撃を車両側面から受けたときに作動
JAF 運転席と助手席のエアバッグは、車速が30km/h程度以上のスピードで前面から衝突した場合に衝撃をセンサーが感知して展開するように作られており、それより低速では作動しない場合がある。一部にしか衝撃が伝わらない場合、衝撃が分散したり徐々に伝わったりする場合は、正しく感知できず展開しないこともある

読み方のポイントは次の3つです。

(1)「20〜30km/h」は、走行中の速度そのものの境目ではありません。国土交通省・トヨタ・Honda・JAMA・三菱は、いずれも「固い(固定された)壁への正面衝突」を条件に書いています。実際の事故では、相手が動く車だったり、ぶつかる角度や場所が違ったりするため、同じ速度でも衝撃の強さは変わります。

(2)表現の違いは、資料や車種ごとの書き方の違いによるものと考えられます。「20〜30km/h」「約25km/h」「30km/h程度」は、いずれも「目安」で、お乗りの車の取扱説明書に書かれた条件が基本になります。

(3)低速で開かないのは、設計上の考え方です。Hondaの取扱説明書は、シートベルトだけで乗員を保護できるような低い速度での衝突では、乗員保護の効果がないため作動しない、と説明しています。国土交通省も、エアバッグは「ある程度の高速の衝突を想定して」膨らむタイミングや速度を決めているため、エアバッグが付いていてもすべての前面衝突で全くけがをしないわけではない、としています。

前だけではない|サイド・カーテンエアバッグ

側面からの衝撃に備えるエアバッグもあります。トヨタ(ハリアー)の取扱説明書では、サイド&カーテンシールドエアバッグは、約1.5tの車両が約20〜30km/hの速度で客室へ直角に衝突した場合の衝撃の強さに相当する値以上で作動すると書かれています。また、前面衝突でも特に衝撃が大きい場合は、左右のカーテンシールドエアバッグが作動することがあるとしています。サイドエアバッグは、前方や後方からの衝撃・横転・低速の側面衝撃では、通常は作動しません。

3. 開かないとき・開いてしまうとき

前面衝突でも前のエアバッグが開かないことがある4つの例の図
図:国土交通省の図にある4つの事例を簡略化した自作イラスト(上から見た図)

前のエアバッグが開かないことがあるとき

📊 開かないことがある場面(各資料の記載)

資料 記載の要旨
国土交通省 前面衝突でも、①電柱のように前面の一部が極端に変形するとき、②トラックの荷台の下に潜り込んで衝撃が徐々に伝わるとき、③乗用車の側面に衝突し、相手が大きく変形・移動するとき、④斜め衝突のように衝撃方向が分散する、または自動車が衝撃を受けながら大きく移動するとき(同省の図の事例)
トヨタ(ハリアー) 前のエアバッグは、側面や後方からの衝撃・横転・低速での前方からの衝撃では、通常は作動しない(ただし、それらの衝撃が前方への減速を十分に引き起こす場合は作動することがある)。移動・変形するものへの衝突、もぐり込むような衝突では、作動する車速が高くなる
三菱自動車(eK取扱説明書) 正面衝突や側面衝突で衝撃を受けたときに作動するが、衝撃が車体で吸収または分散され、車両の損傷は大きくても乗員への衝撃が強くならないときは、作動しないことがある
Honda(N-WGN) 電柱・立ち木への衝突、トラックなどへの潜り込み、部分的な衝突や斜め方向からの衝突では作動しないことがある。損傷の大小と作動は必ずしも一致しない。横方向・後方からの衝突、横転・転覆では、乗員保護の効果がないので作動しない。ただし、事故の状況や形態によっては作動することがある
JAMA 衝突の方向が車の中心から外れたとき、ガードレールや壁に斜めに衝突したとき、電柱や立ち木に衝突したとき、トラックの荷台の下へ潜り込んだとき、追突されたとき、横転や転覆したときなど
JAF 電柱に衝突して車の一部だけが極端に変形する場合、斜めに衝突した場合、相手車両の側面に衝突して相手が大きく変形したり動いたりして衝撃が分散する場合、トラックの荷台下に潜り込む場合
動画の補足:動画では「横や後ろからの衝突や横転では、前のエアバッグは開かないと案内されている」と紹介しています。トヨタの取扱説明書の表現は「通常は作動しません」で、「それらの衝撃が前方への減速を十分に引き起こす場合は作動することがある」と続きます。Hondaも、横方向・後方からの衝突や横転・転覆では作動しないとしたうえで、事故の状況や形態によっては作動することがあると書いています。三菱は、側面衝突でも作動するエアバッグ(サイド・カーテン)があることを前提に書いています。どのエアバッグが、どの衝突で作動するかは、車種の取扱説明書で確認してください。

衝突していなくても開くことがあるとき

国土交通省は、衝突しない場合でも、縁石などに乗り上げて一定以上の衝撃を感知すると、エアバッグが膨らむことがあるとしています。各資料の例を並べます。

資料 例
国土交通省 縁石などに乗り上げて一定以上の衝撃を感知したとき
トヨタ(ハリアー) 車両下部に強い衝撃を受けたとき(縁石や歩道の端など固いものにぶつかる、深い穴や溝に落ちたり乗りこえたりする、ジャンプして地面にぶつかったり道路から落下したりする)。前のエアバッグとカーテンシールドエアバッグが作動することがある
Honda(N-WGN) 縁石や地面の突起物に衝突したとき、深い溝や穴に落ちたとき、高いところから落ちたとき
JAMA クルマの損傷が少ないのに作動してしまう例として、縁石などへの衝突、転落やジャンプしたときの着地時、地面に強くぶつかったとき
JAF 縁石や路肩に乗り上げた際に、衝撃をセンサーが感知して展開することがある

JAMAは、エアバッグが開いてしまった後は、自動車販売店や整備工場にクルマの状態を見てもらうことが肝心と説明しています。

4. シートベルトをしていないと何が起きるか

エアバッグは、強い勢いで膨らむ装置です。国土交通省は、エアバッグの膨張速度(膨らむ速さ)が時速100〜300kmに達するため、膨らむときに擦過傷(かすり傷)、打撲傷、骨折、火傷などを乗員が受ける可能性があるとしています。なお、膨らむ際に発生するガスそのものは特に有害なものではない、とも書いています。

三菱自動車の安全ガイドは、シートベルトをしていないと急ブレーキなどで身体が前方に投げ出され、そのときにエアバッグが膨らむと、その強い衝撃で重大な傷害を受けるおそれがある、と説明しています。

エアバッグ作動時のシートベルト着用・非着用別の死亡率の棒グラフ
図:エアバッグ作動時の死亡率(平成18年)。国土交通省「自動車総合安全情報」掲載の図の数値を再描画(自作)

国土交通省のページには、「エアバッグ作動時におけるシートベルト着用、非着用別死亡率」の図(出典: 交通事故総合分析センター資料、平成18年)があり、着用0.91%、非着用13.97%と示されています。同省はこれを「死亡率が約15倍も高くなっている」と説明し、JAFも同じ出典で「約15倍」と紹介しています。

この数字を読むときの注意:平成18年(2006年)の、エアバッグが作動した事故だけが対象のデータです。最新の年の同じ集計は、今回確認した資料では見つかりませんでした。「ベルトをしないと必ず15倍危ない」という意味ではなく、国土交通省がベルト着用を呼びかける根拠として載せているデータとして読んでください。

シートベルトの着用義務(道路交通法第71条の3)

📜 道路交通法 第71条の3第1項・第2項(条文の要約)

第1項: 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない(疾病のため装着が療養上適当でない場合などは例外)。第2項: 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(座席ベルトを備えなければならないものに限る)に乗車させて運転してはならない(適切に装着させるに足りる座高のない幼児などは例外)。

違反点数は、警視庁の「交通違反の点数一覧表」(2026年4月1日更新)で、座席ベルト装着義務違反は1点です。同乗者のベルトで点数の対象になる範囲は、道路交通法施行令の別表第二(備考の定義)で、運転者自身の不着用と、座席ベルトをしない人を運転者席の横に乗せて運転する場合、そして運転者席の横以外(後席など)に乗せる場合は高速自動車国道等におけるものに限るとされています。

5. 乗り方の注意|ハンドル・置き物・助手席の子ども

エアバッグの効果を発揮させるには、取り付けと乗り方も関わります。各資料が挙げている注意を、項目別にまとめます。

📊 エアバッグがある車での乗り方・置き方(各資料の記載)

項目 資料の記載(要旨) 出典
ハンドル・ダッシュボードに近づきすぎない 運転者が顔や胸をハンドルに近づけすぎると、作動時に強い衝撃を受けて危険。助手席エアバッグは強い力でふくらむので、近づきすぎると重大な傷害のおそれ。シートの背もたれを調整してできるだけ離し、まっすぐに座る。インパネに手をついたり頭や胸を近づけない JAMA・JAF・トヨタ・Honda・三菱
足を乗せない・もたれかからない・背もたれを倒しすぎない インパネ上に足を置かない。手足をダッシュボードに乗せたり、上半身を前に出したり、ドアにもたれたりしない。背もたれを必要以上に倒さない。サイド・カーテンエアバッグ装備車では、ドアやピラーに寄りかからない JAMA・JAF・トヨタ
格納部のまわりに物を付けない・置かない ハンドル中央・ダッシュボード・インパネ下部には何も取り付けたり置いたりしない。芳香剤やスマホホルダー、カーナビのモニターなどは、作動時に飛んでくるおそれがある。ステッカーも貼らない(正常に膨らむのをさまたげるおそれ)。コートフックに硬いハンガーをかけない トヨタ・JAMA・JAF・三菱・Honda
シートカバーなど サイドエアバッグが膨らむ場所を覆うシートアクセサリーは使わない(トヨタ)。シート内蔵型サイドエアバッグがある場合は、対応した専用品を選ぶ(JAF) トヨタ・JAF
改造・修理 取りはずし・分解、ハンドルやシート・ピラー周辺の修理・改造、グリルガードの取り付け、サスペンションの改造などは、販売店に相談してから(トヨタ)。エアロパーツの取り付けやサスペンション改造は販売会社に相談。不適正な改造をすると衝撃を正しく検知できない(三菱) トヨタ・三菱
助手席の子ども 助手席に後ろ向きのチャイルドシートは付けない(エアバッグが作動したときに強い力がかかり、重大な傷害のおそれ)。やむを得ず前向きに付けるときは、助手席をいちばん後ろに下げる。お子さまはリヤ席に乗せ、チャイルドシートまたはシートベルトを着用させることをおすすめ(トヨタ)。子どもを膝の上で抱っこしない(JAMA)、助手席エアバッグの前に立たせたり、ひざの上に抱いたりしない(トヨタ) トヨタ・三菱・JAMA
ハンドルから何cm離れればよいか:今回確認した国土交通省・JAMA・JAF・トヨタ・三菱・Hondaの該当ページには、cm単位の具体的な数値は見つかりませんでした。トヨタの取扱説明書は助手席について「シートをできるだけエアバッグから離し、まっすぐに座る」と書いています。距離の目安は、お乗りの車の取扱説明書の「運転姿勢」「SRSエアバッグ」の項目を確認してください。

チャイルドシートの法律上の義務や、いつまで必要かについては、チャイルドシートはいつまで?6歳と身長150cmの目安の記事で整理しています。

6. 警告灯・作動したあと・リコール

エアバッグの警告灯

📊 エアバッグ警告灯についての各資料の記載

資料 記載の要旨
三菱自動車(eK取扱説明書) キースイッチ(電源)をONにした直後、約7秒間は警告灯が点灯してシステムチェックを行い、その間はエアバッグは作動しない。警告灯が消えてから走行する。ONにした直後に約7秒点灯しない(消灯したまま)とき、または点灯し続けるときは走行しない(正常に作動せず重大な事故につながるおそれ。販売会社に相談)
トヨタ(ハリアー取扱説明書) ABSやSRSエアバッグなどの安全装置の警告灯が、エンジンスイッチをONにしても点灯しない場合や、点灯したままの場合は、事故のときに正しく作動しないおそれがある。ただちに販売店で点検を受ける。「SRSエアバッグ/プリテンショナー警告灯」の原因は、SRSエアバッグシステムまたはプリテンショナー付きシートベルトシステムの異常
JAF エアバッグシステムに異常をきたしている状態で、エアバッグが作動しない可能性がある。すみやかに販売店や整備工場で点検を受ける。警告灯が点灯・点滅している状態での走行は、保安基準違反となる可能性がある

警告灯の色や、点灯の仕方の一般的な見方は、警告灯の色の意味(赤・黄・緑・青の違い)の記事も参考になります。

エアバッグが作動したあと

📊 作動後の注意(各資料の記載)

資料 記載の要旨
三菱自動車(eK取扱説明書) 作動時には作動音や白煙が出るが火災ではない。発生するガスでむせることはあるが毒性はない。作動したときは、30分経過するまでエアバッグに触らない(高温でやけどのおそれ)。一度ふくらむと再使用できず、販売会社で交換する。非常点滅表示灯が自動的に点滅することがある
トヨタ(ハリアー取扱説明書) 高温のガスでふくらむため、すり傷・やけど・打撲を受けることがある。作動音とともに白いガスが発生。エアバッグの構成部品が数分間熱くなることがある。ハリアーでは、ドア解錠、ブレーキ制御、室内灯の点灯、非常点滅灯の点滅、燃料供給の停止などが自動で行われ、T-Connect契約期間内は緊急通報が送信される場合がある。いずれかがふくらんだら、できるだけ早く販売店へ連絡して点検・修理を受ける
Honda(N-WGN) 膨らむときに空中に粉が舞うことがあり、無害だが一時的に不快に感じる場合がある。安全を確認後、ただちに車外に出る
国土交通省・JAF エアバッグは膨らんだ後すぐにしぼむため、その後に起きる衝突には効果がない

エアバッグのリコール(タカタ製)

国土交通省によると、タカタ製エアバッグは、ガス発生装置(インフレータ)が異常破裂し、金属片が飛散する不具合が発生したため、平成21年(2009年)以降リコールが実施されています。同省は、異常破裂する危険性が高い未改修車を車検で通さない措置を平成30年5月1日から講じており、同省のページでは、措置の対象となる未改修車は令和8年6月末現在で計4.3万台とされています(2026年10月に同省ページで確認)。対象かどうかは、車台番号をもとに国土交通省のリコール情報検索やメーカーで確認できます。経緯と確認方法の詳細は、エアバッグに交換時期はある?タカタ製リコールが今も車検を止める理由の記事にまとめています。

7. よくある質問

Q. 助手席に誰も乗っていなくても、助手席のエアバッグは開きますか?

A. 三菱自動車のeK取扱説明書は、助手席SRSエアバッグ、助手席側のSRSサイドエアバッグおよびSRSカーテンエアバッグは、乗員がいなくても作動しますと書いています。車種の仕様は異なる場合があるため、お乗りの車の取扱説明書を確認してください。

Q. 時速30kmで走っていて壁にぶつかれば、必ずエアバッグは開きますか?

A. 必ず開く、とは言えません。各資料の数字は「固定された壁に正面衝突したときの強さ」を基準にした目安で、車種や衝突の角度・場所・相手(動くもの、変形するもの)によって変わります。JAFも、一部にしか衝撃が伝わらない場合や衝撃が分散する場合は展開しないこともある、と説明しています。

Q. ハンドルから何cm離れて座ればよいですか?

A. 今回確認した国土交通省・JAMA・JAF・トヨタ・三菱・Hondaのページには、cm単位の数値は見つかりませんでした。JAMAは「顔や胸をハンドルに近づけすぎない」、トヨタは助手席について「できるだけエアバッグから離し、まっすぐに座る」と案内しています。お乗りの車の取扱説明書で、運転姿勢の項目を確認してください。

Q. エアバッグが開いたあと、どうすればよいですか?

A. 三菱の取扱説明書は、作動したときは30分経過するまでエアバッグに触らない(高温でやけどのおそれ)と書き、トヨタは、いずれかがふくらんだらできるだけ早く販売店へ連絡して点検・修理を受けるよう案内しています。作動時の白煙は火災ではない(三菱)とされています。JAMAも、開いた後は販売店や整備工場に状態を見てもらうよう説明しています。

Q. 玉突きのように続けて衝突されたら、エアバッグはもう一度開きますか?

A. 国土交通省とJAFは、エアバッグは膨らんだ後すぐにしぼむため、その後に起きる衝突には効果がないと説明しています。三菱の取扱説明書も、一度ふくらむと再使用できないと書いています。続けて衝撃を受ける場面でも、シートベルトを正しく着用していることが重要です。

まとめ

エアバッグの「SRS」は補助拘束装置(Supplemental Restraint System)の略で、主役はシートベルトです。前のエアバッグは、固い壁に正面衝突したときの強さ(国土交通省・トヨタ・Honda・JAMAは時速20〜30km程度以上、三菱は約25km/h以上、JAFは30km/h程度以上)を目安に開きますが、電柱や潜り込み、斜め衝突、横や後ろからの衝突などでは開かないことがあり、縁石や段差の衝撃で開いてしまうこともあります。

ベルトなしではエアバッグの効果が十分に得られないだけでなく、膨らむ勢いでけがをするおそれもあります。ハンドルに近づきすぎない、格納部のまわりに物を付けない、助手席に後ろ向きのチャイルドシートを付けない、警告灯が点灯したままなら販売店に相談する、の4点を、次に乗るときに確認してみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。エアバッグの装備や作動の条件は、車種・メーカー・年式によって異なります。この記事は、トヨタ(ハリアー)・三菱自動車(eKワゴン/eKクロス)・Honda(N-WGN)の取扱説明書、および国土交通省・JAMA・JAFの公開情報で確認した内容です(2026年10月時点)。お乗りの車の取扱説明書を確認し、警告灯が点灯したときは販売店や整備工場にご相談ください。法令や各社の案内は変更されることがあります。

参考(一次情報・公的機関・メーカー・JAF): 国土交通省 自動車総合安全情報「エアバッグ」/国土交通省 エアバッグのリコール未改修車両を車検で通さない措置について/JAMA「SRSエアバッグはあくまで補助装置」/JAF「エアバッグはどんなときに開くのですか?」/JAF「エアバッグ警告灯が点灯した場合の原因と対処方法」/トヨタ ハリアー取扱説明書「SRSエアバッグ」/同「チャイルドシート」/同「警告灯/表示灯」/同「警告灯がついたときは」/三菱自動車 eKワゴン/eKクロス取扱説明書「SRSエアバッグ」/三菱自動車「SRSエアバッグで身を守るために」/Honda N-WGN取扱説明書「SRSエアバッグ」/e-Gov法令検索 道路交通法(第71条の3)/同 道路交通法施行令(別表第二)/警視庁 交通違反の点数一覧表

図はすべて自作のイラスト・グラフです(AI生成なし)。実際の形・位置・作動条件は車種によって異なります。

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