普通免許で運転できる車は何トンまで?3.5t・2t・10人の境目と、2007年・2017年以前に取った免許の範囲を条文で解説

「普通免許で運転できるのは、何トンの車まで?」と聞かれて、すぐに数字を答えられるでしょうか。いまの普通免許の範囲(車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満・乗車定員10人以下)と、2017年3月11日以前、2007年6月1日以前に取った免許の範囲は違います。

この記事では、道路交通法・同施行規則・施行令・道路運送車両法の現行条文(e-Gov法令検索)と、警察庁・警視庁・福岡県警察・国土交通省の公開資料をもとに、普通免許と準中型・中型・大型の境目、昔に取った免許の範囲を確認します。YouTubeで反応のよかったショート動画の内容に、動画では触れていない「限定解除」「車検証の見方」「範囲を超えて運転した場合の扱い」を加えて解説します(確認日: 2026年10月)。

📋 この記事の要点

✔ いまの普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満・乗車定員10人以下の3つをすべて満たす普通自動車(施行規則第2条、警察庁)

✔ 3つのうちどれか1つでも上の区分の数字に当たれば、準中型以上。総重量3,500kgちょうど、最大積載量2,000kgちょうども準中型(「未満」と「以上」の境目)

✔ 2017年3月11日以前(2007年6月2日〜)に取った普通免許は準中型免許(5トン限定)とみなされ、5トン未満・3トン未満・10人以下の車まで運転できる

✔ 2007年6月1日以前に取った普通免許は中型免許(8トン限定)とみなされ、8トン未満・5トン未満・10人以下の車まで運転できる

✔ 免許の種類が足りない車を運転すれば無免許運転(25点)、限定の範囲を超えれば免許条件違反(2点・準中型自動車や中型自動車なら反則金9,000円)。数字は車検証の欄で確認できる

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

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1. いまの普通免許で運転できる車の範囲

道路交通法第85条第1項の表は、普通自動車を運転しようとする人に「普通免許」を求めています。では、何が「普通自動車」なのでしょうか。第3条は、自動車を内閣府令で定める車体の大きさ・構造・原動機の大きさを基準として、大型・中型・準中型・普通などに区分すると定めています。その内閣府令が、道路交通法施行規則の第2条です。

📜 道路交通法施行規則 第2条の表(準中型自動車と普通自動車の項。文言を一部省略し、数字は算用数字に直して引用)

準中型自動車:大型自動車、中型自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車以外の自動車で、車両総重量が3,500キログラム以上7,500キログラム未満のもの又は最大積載量が2,000キログラム以上4,500キログラム未満のもの
普通自動車:車体の大きさ等が、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車について定められた車体の大きさ等のいずれにも該当しない自動車

つまり条文は、普通自動車の数字を直接は書かず、準中型・中型・大型のどれにも当たらない車を普通自動車としています。警察庁の案内(「準中型免許」リーフレット)には車両総重量3.5トン未満(最大積載量2トン未満)とあります。乗車定員は福岡県警察の表(10人以下)と施行規則から整理すると、次のとおりです。

📊 普通免許で運転できる普通自動車の範囲(2017年3月12日以降に取得した免許)

項目 普通自動車の範囲 根拠
車両総重量 3.5トン(3,500kg)未満 施行規則第2条(準中型は3,500kg以上)。警察庁・福岡県警察の案内
最大積載量 2トン(2,000kg)未満 同(準中型は2,000kg以上)。警察庁・福岡県警察の案内
乗車定員 10人以下 中型自動車が乗車定員11人以上29人以下、大型自動車が30人以上と定められているため(施行規則第2条)。福岡県警察の表も10人以下
普通・準中型・中型・大型の区分を、車両総重量・最大積載量・乗車定員で比べた表
図:運転免許で運転できる車の区分(自作の図。施行規則第2条・警察庁・福岡県警察の案内にもとづく)
3つの数字は「すべて」満たす必要があります。施行規則は、普通自動車を「準中型・中型・大型のどれにも当たらない車」と定めているため、1つでも上の区分の数字に当たれば普通自動車ではありません。たとえば、車両総重量が3.5トン未満でも、最大積載量が2トン以上なら準中型自動車です。

2. 準中型・中型・大型との境目と、免許ごとの運転範囲

準中型自動車は2017年3月12日に新設された区分で、警視庁は「車両総重量3.5トン以上7.5トン未満等の自動車」と説明しています。区分の境目は、いずれも「未満」と「以上」で決まります。

車両総重量と最大積載量の境目の目盛り
図:区分の境目(自作の図。目盛りは縮尺をそろえた概略。例の数字は境目を示すためのもので、実在の車の数字ではありません)

📊 車の区分(道路交通法施行規則第2条)

車の区分 車両総重量 最大積載量 乗車定員
普通自動車 3.5トン未満 2トン未満 10人以下
準中型自動車 3.5トン以上7.5トン未満 2トン以上4.5トン未満 (表に基準なし。11人以上は中型)
中型自動車 7.5トン以上11トン未満 4.5トン以上6.5トン未満 11人以上29人以下
大型自動車 11トン以上 6.5トン以上 30人以上

各区分は「又は」でつながっています。たとえば中型自動車は、車両総重量が7.5トン以上11トン未満のもの、最大積載量が4.5トン以上6.5トン未満のもの、又は乗車定員が11人以上29人以下のものです。どれか1つに当たれば、その区分になります。

免許ごとに運転できる車(道路交通法第85条第2項)

第85条第2項は、上の免許は下の区分の車も運転できると定めています。大型免許は中型・準中型・普通の自動車、中型免許は準中型・普通の自動車、準中型免許は普通自動車を運転できます。普通免許は、普通自動車のほか、小型特殊自動車と原付です。

📊 免許ごとの運転範囲と、取得できる年齢・経験(第85条・第88条・第96条)

免許 運転できる自動車 取得できる年齢・経験
普通免許 普通自動車(ほか小型特殊自動車・原付) 18歳以上
準中型免許 準中型自動車・普通自動車(ほか小型特殊自動車・原付) 18歳以上
中型免許 中型・準中型・普通の自動車(ほか小型特殊自動車・原付) 20歳以上(自衛官や指定の教習の修了者は19歳)。準中型・普通・大型特殊のいずれかを通算2年以上受けていること(教習修了者は1年以上)
大型免許 大型・中型・準中型・普通の自動車(ほか小型特殊自動車・原付) 21歳以上(同じく19歳)。中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかを通算3年以上受けていること(教習修了者は1年以上)
動画の補足:動画では準中型の車両総重量と最大積載量を並べて紹介しましたが、条文は「又は」です。車両総重量が3.5トン未満でも、最大積載量が2トン以上なら準中型自動車になります。動画の数字そのものに誤りはありません。

3. 昔に取った免許は範囲が違う(2007年・2017年の改正)

運転免許の区分は、2回の道路交通法改正で増えました。2007年6月2日に「中型免許」が、2017年3月12日に「準中型免許」が新設されています(福岡県警察、警察庁「運転免許統計」の注記)。そのとき、すでに持っていた普通免許は、それまで運転できた範囲が変わらないように、次のように扱われています。

📜 平成16年法律第90号 附則第6条(2007年6月2日施行。条文の要約)

改正前の普通免許は、運転することができる中型自動車が改正前の普通自動車に相当するものに限定されている「中型免許」とみなす(特別な限定が付いていた一部の免許を除く)。

📜 平成27年法律第40号 附則第2条(2017年3月12日施行。条文の要約)

改正前の普通免許は、運転することができる準中型自動車が改正前の普通自動車に相当するものに限定されている「準中型免許」とみなす(特別な限定が付いていた一部の免許を除く。改正前の中型免許は「中型免許」とみなす)。

📊 免許を取った時期ごとの範囲(3つすべてを満たす必要がある)

取得した時期 免許証上の扱い 車両総重量 最大積載量 乗車定員
2007年6月1日まで 中型免許(8トン限定) 8トン未満 5トン未満 10人以下
2007年6月2日〜2017年3月11日 準中型免許(5トン限定) 5トン未満 3トン未満 10人以下
2017年3月12日以降 普通免許 3.5トン未満 2トン未満 10人以下
免許を取った時期ごとの普通免許の範囲
図:免許を取った時期で変わる普通免許の範囲(自作の図。根拠は上の附則と、福岡県警察・警察庁の資料)

限定の中身は、施行規則 別表第二にも書かれています。免許証に記載される略語の意味として、「中型車(8t)」は中型自動車のうち車両総重量8,000キログラム未満・最大積載量5,000キログラム未満・乗車定員10人以下のもの、「準中型車(5t)」は準中型自動車のうち車両総重量5,000キログラム未満・最大積載量3,000キログラム未満のものと定められています。福岡県警察は、限定を超える車(たとえば5トン限定で車両総重量5トン以上7.5トン未満の準中型自動車)を運転すると免許条件違反になると案内しています。

いま、どの免許を持つ人が多いのか

警察庁「運転免許統計 令和6年版」によると、令和6年末の第一種免許の保有者は約8,022万人です(複数の免許を持つ人は上位の免許で計上)。中型免許(8トン限定を含む)の人が約7割を占め、いまの区分の「普通免許」が最上位の人は約1割です。

📊 第一種免許の保有者数(令和6年末、上位の免許で計上。警察庁)

免許の区分 保有者数 割合
中型(8t限定を含む) 55,679,550人 69.4%
準中型(5t限定を含む) 11,003,347人 13.7%
普通 8,553,919人 10.7%
大型 3,987,111人 5.0%
大型特殊・二輪・小型特殊・原付 997,344人 1.2%
第一種免許の保有者 計 80,221,271人 100%

この数字には限定付きの免許も含まれ、限定の有無までは分けていません。統計の注記によると、2007年6月2日より前に取った普通免許は、中型8トン限定を返納して普通免許を取り直した人を除き、中型免許の保有者として数えられます。

4. 「車両総重量」とは?車検証のどこを見るか

車両総重量の意味は、道路運送車両法第40条第3号に書かれています。

📜 道路運送車両法 第40条第3号(条文の引用)

車両総重量(車両重量、最大積載量及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和をいう。)

式にすると、車両総重量 = 車両重量 + 最大積載量 + 55kg × 乗車定員です。たとえば乗車定員が5人なら、55×5=275kgが、乗員分として車両総重量に含まれます。荷物を積んでいない状態の重さではなく、最大積載量と乗員を見込んだ重さである点が、車両重量との違いです。

3つの数字は、車検証で確認できます。国土交通省の電子車検証の案内によると、券面には「乗車定員/最大積載量」と「車両重量/車両総重量」が記載されます。同じ車名でも、仕様によって乗車定員や最大積載量が違い、区分が変わることがあります(当サイトのハイエースのバン・ワゴン・コミューターの違いの記事も参照)。車名や「2トン車」といった呼び方ではなく、その車の車検証の数字で確認しましょう。

免許証と車検証で確認する項目のイメージ
図:免許は免許証、車は車検証で確認する(自作のイメージ図。実物の様式ではありません)
車検証の「自動車の種別」とは別の区分です。車検証の「普通」「小型」「軽」は道路運送車両法(施行規則別表第一)の区分で、大きさと排気量で決まります。免許の区分(道路交通法第3条・施行規則第2条)は別の分類のため、車検証の種別が「普通」の大型トラックも、免許の上では大型自動車です。

5. 範囲を超えて運転するとどうなる?

免許で運転できる範囲を超えると、「免許の種類が足りない」場合と「限定の範囲を超えた」場合で、扱いが変わります。

📊 範囲を超えた場合の扱い

ケース 扱い 違反点数・罰則
免許の種類が足りない(例:2017年3月12日以降に取った普通免許で、準中型自動車を運転する) 無免許運転。必要な免許は第85条第1項の表で決まり、受けないで運転することは第64条第1項で禁止 25点(施行令別表第二)。3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(第117条の2の2第1項第1号)
限定の範囲を超える(例:5トン限定の準中型免許で、車両総重量5トン以上の準中型自動車を運転する) 免許条件違反(第91条で付された条件に違反) 2点(施行令別表第二)。反則金は運転した車の区分で決まり、準中型自動車・中型自動車は大型車の区分で9,000円(別表第六。普通自動車なら普通車7,000円)。罰則は3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金(第119条第1項第20号)
点数・罰則について:点数・反則金・罰則は改正されることがあります。上の内容は、道路交通法・同施行令の現行条文(e-Gov掲載分。2026年10月時点)と警視庁の違反点数表で確認しました。免許の種類が足りないケースの当てはめは条文からの整理で、個別の事案の扱いは警察の判断によります。

6. よくある質問

Q. 普通免許で「2トントラック」は運転できますか?

A. 「2トン車」「4トン車」という呼び方は、条文の基準ではありません。判断に使うのは車検証の数字です。最大積載量が2,000kg以上、または車両総重量が3,500kg以上、または乗車定員が11人以上なら、いまの普通免許では運転できません(準中型以上)。2017年3月11日以前に取った普通免許(準中型5トン限定)なら、5トン未満・3トン未満・10人以下のすべてを満たす車まで運転できます。

Q. 2010年に取った普通免許と、2005年に取った普通免許では、運転できる範囲は違いますか?

A. 違います。2007年6月2日〜2017年3月11日に取った普通免許は準中型免許(5トン限定)で、車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満・乗車定員10人以下。2007年6月1日以前に取った普通免許は中型免許(8トン限定)で、車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満・乗車定員10人以下です(福岡県警察・警察庁の資料)。いずれも3つすべてを満たす必要があります。

Q. 10人乗りは普通免許で運転できて、11人乗りはできないのですか?

A. はい。乗車定員が11人以上29人以下の自動車は中型自動車です(施行規則第2条)。車両総重量が軽くても、普通免許では運転できません。2007年6月1日以前に取った免許(中型8トン限定)でも、運転できるのは乗車定員10人以下の車に限られます(別表第二)。

Q. 限定は解除できますか?

A. 公安委員会の「限定解除審査」を受ける方法があります。警視庁の案内(2025年5月26日更新)では、準中型免許の限定解除審査(直接試験場で受ける場合)は、18歳以上で限定された準中型免許を持ち、東京都内に住所がある人が対象で、手数料は3,100円です。中型免許(8トン限定)は20歳以上などの条件があります。手続・手数料は都道府県で異なり、変わることもあるため、住所地の警察の案内で確認してください。なお警視庁は、限定解除後の更新時の適性検査は大型免許と同じ基準(視力0.8以上・深視力)になり、満たさないと下位の免許になる可能性があると案内しています(AT限定のみの解除を除く)。視力基準は、当サイトの免許証の「眼鏡等」条件の記事でも整理しています。

Q. 自分の免許が、どの範囲なのか確認するには?

A. 免許証に、免許の種類と条件が略語で記載されています。略語の意味は施行規則 別表第二に定められています(例:「中型車(8t)」「準中型車(5t)」)。記載の意味や、限定が付いているか分からないときは、警察署や運転免許センターで確認してください。車の側は、車検証の「乗車定員/最大積載量」「車両重量/車両総重量」の欄で確認できます。

まとめ

ポイントは3つです。(1)いまの普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満・乗車定員10人以下の3つをすべて満たす車です。どれか1つでも上の区分の数字に当たれば、準中型以上になります(施行規則第2条)。(2)2017年3月11日以前に取った普通免許は準中型免許(5トン限定)、2007年6月1日以前に取った普通免許は中型免許(8トン限定)とみなされ、範囲が違います。(3)範囲を超えると、免許の種類が足りなければ無免許運転(25点)、限定を超えれば免許条件違反(2点)です。

自分の範囲は免許証で、車の数字は車検証で確認する。この2つを照らし合わせる習慣が、うっかり違反を防ぎます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令・点数・反則金・手数料は改正されることがあるため、最新の内容や個別の判断(自分の免許で運転できる範囲を含む)は、警察庁・各都道府県警察・運転免許センターなど公的機関の公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。

参考(一次情報・公的機関): e-Gov法令検索 道路交通法(第3条・第64条・第85条・第88条・第91条・第96条・第117条の2の2・第119条、附則)/同 道路交通法施行規則(第2条・第19条・別表第二)/同 道路交通法施行令(別表第二・別表第六)/同 道路運送車両法(第3条・第40条)/同 道路運送車両法施行規則(別表第一)/警察庁・総務省消防庁「準中型免許」リーフレット(PDF)/警察庁「運転免許統計 令和6年版」(PDF)/福岡県警察「各免許で運転できる自動車の範囲」/警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」/警視庁 準中型免許限定解除審査/警視庁 中型免許限定解除審査/警視庁 違反点数/国土交通省 電子車検証について

図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。

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