野生動物と衝突したら?遭遇時の対処法と保険の使い方

📋 この記事でわかること

  • 「ロードキル」は身近に起こりうる事故
  • 遭遇したときの基本行動:急ハンドルは避ける
  • 衝突してしまったときにやるべきこと
  • 北海道は特に深刻な地域
  • 保険はどう使われるのか

「ロードキル」は身近に起こりうる事故

道路上で車が野生動物と衝突してしまう事故を「ロードキル」と呼びます。動物の生息域に道路が整備されたことが主な発生原因とされ、決して珍しい出来事ではありません。NEXCO東日本の発表によると、2021年度には管内の高速道路だけで約20,400件のロードキルが発生しており、内訳はタヌキ・キツネなど中型動物が全体の58%、鳥類などの小型動物が40%を占めています。

野生動物が道路に出没する危険が高い区間には、黄色地に黒い枠で動物のシルエットが描かれた「動物が飛び出すおそれあり」の警戒標識が設置されています。動物のマークはシカ・タヌキ・サル・キツネ・クマなど地域によってさまざまです。こうした標識を見かけたら速度を落とし、動物の飛び出しに備えて走行しましょう。特にシカやクマなど大型動物との衝突は非常に危険で、状況によってはドライバーや同乗者が負傷する人身事故につながるおそれもあります。

遭遇したときの基本行動:急ハンドルは避ける

実際に道路上で野生動物に遭遇したら、急ハンドルでの回避は避けてください。急な操舵はかえって車の制御を失い、対向車線への飛び出しやガードレールへの衝突など、より重大な事故につながる危険があります。ブレーキで安全に止まれない場合、よほどの大型動物でない限りは、そのまま直進して衝突せざるを得ないケースもあります。

事故の多いタヌキは夜行性のため、特に夜間から早朝にかけては注意が必要です。対向車や先行車がいない状況では、ハイビーム(上向きライト)を積極的に使うと、遠くにいる動物の目が光を反射して発見しやすくなります。

衝突してしまったときにやるべきこと

野生動物との衝突は法律上「物損事故」として扱われるため、道路交通法第72条に基づき、事故の発生を必ず警察に連絡します。ドライバーや同乗者が負傷した場合や、ガードレールの破損・後続車との衝突が発生した場合は、その旨も併せて伝えましょう。任意保険を使うには事故証明が必要になるため、届け出を忘れないことが重要です。

衝突した動物がまだ生きている場合は、感染症などのリスクがあるため素手では触れず、タオルや段ボールなどを使って保護し、動物病院や保護施設に連絡・搬送します。治療費は基本的にドライバー負担ですが、野生動物の無償治療に対応している施設もあります。動物が死亡している場合も素手では触れず、交通の妨げにならないよう路肩に移動させます。動物自体の処理は道路管理者や自治体が行います。

高速道路や幹線道路で轢かれた動物を見かけた場合は、二次事故防止のため、道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡しましょう。全国共通の無料通話番号で、固定電話・携帯電話のどちらからでもかけられます。

北海道は特に深刻な地域

ロードキルは全国どこでも起こりうる事故ですが、なかでも北海道のエゾシカとの衝突は突出して深刻です。北海道内では、令和6年だけでエゾシカが関係する事故が5,460件発生しており、東部・北部・中部地域を中心に道内全域で報告されています。事故が集中しやすいのは10月〜11月にかけての繁殖期で、時間帯としては夕方から深夜(16時〜24時)に8割以上が集中しているとされます。エゾシカは体長190cm・体重150kgに達することもある大型動物で、衝突時の被害は車同士の事故に匹敵し、車両保険の平均支払額は58万円を超えるとされ、一発で廃車になるケースも珍しくありません。北海道内をドライブする際は、こうした季節・時間帯の傾向を踏まえて、特に警戒標識のある区間で速度を落とす意識を強く持つことが重要です。

保険はどう使われるのか

野生動物との衝突で車両が破損した場合は、単独事故として扱われます。自賠責保険は物損を補償しないため、車の修理には任意保険の車両保険を使うことになります。運転者や同乗者が負傷した場合は人身傷害補償や搭乗者傷害保険、回避行動の結果、対向車や歩行者に被害が及んだ場合は対物賠償責任保険や対人賠償責任保険が使われます。ただし契約内容によっては適用されない場合もあるため、詳細は加入している保険会社に確認しておきましょう。

まとめ

野生動物との衝突事故は、警戒標識のある区間や夜間の走行で特に注意が必要です。遭遇時は急ハンドルを避け、衝突してしまった場合は必ず警察に届け出ること。動物の保護や処理の手順、保険の適用範囲も事前に知っておくことで、いざというときに落ち着いて対応できます。

参考: JAF「クルマ何でも質問箱」野生動物と遭遇、衝突したら(出典: ソニー損保「保険なるほど知恵袋」、NEXCO東日本ドラぷら)

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