ハイオクとレギュラーの違いは?オクタン価96.0以上と89.0以上、指定燃料の読み方、安いスタンドの品質を規格で確認

ガソリンスタンドでは「ハイオク」と「レギュラー」のどちらを入れるか、毎回のように選びます。この記事は、同じ題材の動画の内容を紹介しながら、規格の上で何が違うのか、メーカーは指定と違う燃料をどう説明しているのか、安いスタンドの品質を法律の枠でどう考えるかを整理したものです。

「ハイオクが良い」「安いスタンドは危ない」と決めつけるのではなく、JIS K 2202(自動車ガソリン)の数値、品確法(揮発油等の品質の確保等に関する法律)と施行規則、資源エネルギー庁、JAF、各メーカーの取扱説明書・FAQの記載を、2026年10月24日に確認し直してまとめました。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。

📋 この記事の要点

✔ JIS K 2202では、自動車ガソリンをリサーチ法オクタン価で分け、1号(ハイオク)は96.0以上、2号(レギュラー)は89.0以上。ENEOSの石油便覧にあるJISの表の抜粋では、1号と2号で数値が分かれているのはオクタン価の行だけでした

✔ メーカーの書き方は車種で違い、(A)レギュラー指定車はハイオクも使える、(B)プレミアム指定でも入手できないときはレギュラー可と書く車、(C)レギュラーを使わないよう書く車の3通りを確認。自分の車は取扱説明書の「指定燃料」が基準です

✔ JAFは、ハイオク車にレギュラーを入れても一般的にはエンジンは故障しないが、ノッキングが起きやすいので急加速など高い負荷の運転は避けると案内。ただし「ハイオク専用」と指定された車では、エンジンの破損や車両火災につながる恐れがあると注意しています。軽油の誤給油は別の問題で、エンジンをかけないのが基本です

✔ 品確法の規格(施行規則第10条)は10項目で、オクタン価は入っていません。どのスタンドも、この規格に合わないガソリンを自動車の燃料として売れません。一方、ブランドごとの添加剤の差や実際のオクタン価の差を比べた公的なデータは、確認できませんでした

✔ 資源エネルギー庁の令和4年度の公表では、ガソリン・軽油・灯油などで規格に合わない事例が223件、立入検査が111件。ただしガソリンだけの件数や検査した全体の数は、その発表では確認できず、割合は分かりません

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 動画の内容(要約)

動画は、聞き役の「かーぎーくん」と、燃料担当の「ノズル」の会話で、次の4つの章に分けて進みます。各章の開始時刻は、動画の概要欄の目次と対応しています。

章 内容 使った公式情報
イントロ (動画 00:00〜) 概要と、今回の担当(燃料担当のノズル)の紹介 (公式資料の引用なし)
1つ目 規格の違い (動画 00:37〜) JIS K 2202のオクタン価(1号96.0以上・2号89.0以上)、ノッキングとは何か、JISの表で数値が分かれるのはどの項目か、清浄剤は各社の商品の説明であること、ノズルの色分け JIS K 2202(JISC)、ENEOS石油便覧・FAQ、JAF
2つ目 車ごとの指定 (動画 01:49〜) メーカーの書き方の3つの型(レギュラー指定車にハイオク / プレミアム指定でレギュラーも可と書く車 / レギュラーを使わないよう書く車) ホンダ・日産・スバル・マツダ・レクサス・三菱・トヨタの取扱説明書・FAQ、JAF
3つ目 入れ間違えたら (動画 03:13〜) ハイオク車にレギュラー、レギュラー車にハイオク、「ハイオク専用」の注意、軽油は別の話 JAF(ロードサービス・クルマ何でも質問箱・JAF Mate)
4つ目 スタンドの品質 (動画 04:22〜) 品確法第13条と規格10項目(オクタン価は入っていない)、登録・分析・試買検査、令和4年度の公表と読み方の注意、確認できなかったこと e-Gov法令検索、資源エネルギー庁
まとめ (動画 05:49〜) 4つの要点と、給油前の3つの確認 (まとめ)

動画の台詞は、聞いて分かりやすいよう要点だけにしています。数値の根拠・各社の記載の原文に近い整理・動画で触れなかった内容は、次の節にまとめました。

2. 動画で触れきれなかった補足

(1) JIS K 2202の「種類」と、オクタン価の数値

JISC(日本産業標準調査会)のデータベースによると、JIS K 2202「自動車ガソリン」は1952年6月21日に制定され、最新の改正は2023年11月20日です。ENEOSの石油便覧は、JIS K 2202:2023の表を抜粋して載せており、自動車ガソリンはリサーチ法オクタン価で1号系統と2号系統に分け、さらに酸素分で区分して、1号・1号(E)・2号・2号(E)の4種類と説明しています。

JIS K 2202のオクタン価の数直線(1号96.0以上、2号89.0以上。どちらも上限なし)
JIS K 2202のオクタン価(リサーチ法)。1号・2号とも「以上」の数値で、図の矢印は上限を設けていないことを表します。数値は、JISCの規格詳細(閲覧用の音声PDF)とENEOS石油便覧の抜粋表で一致を確認(2026年10月24日)
種類 オクタン価(リサーチ法) 通称 備考
1号 96.0以上 ハイオク(プレミアム) ENEOS石油便覧の表記は「ハイオクガソリン(1号)」
1号(E) 96.0以上 (E10対応車用のハイオク) エタノール10容量%以下(酸素分は1.3超3.7質量%以下)の種類。この規格の燃料に対応した車(E10対応ガソリン車)用の種類(石油便覧の説明)
2号 89.0以上 レギュラー ENEOS石油便覧の表記は「レギュラーガソリン(2号)」
2号(E) 89.0以上 (E10対応車用のレギュラー) 1号(E)と同じく、E10対応ガソリン車用の種類

確認方法の注意: JISCの規格詳細画面は、本文PDFの閲覧にログインが必要でした(ログインや会員登録はしていません)。数値は、ログイン不要の音声PDFに含まれる表の数字(96.0・89.0)と、ENEOS石油便覧の抜粋表とで照合しています。抜粋表に載っていない項目は、この記事では扱っていません。

石油便覧の抜粋表では、オクタン価以外の主な行(密度0.783g/cm3以下、10%留出温度70℃以下、90%留出温度180℃以下、硫黄分0.0010質量%以下、ベンゼン1容量%以下、実在ガム5mg/100mL以下、色はオレンジ系色など)は、1号と2号で同じ数値でした。動画では、この抜粋表で確認できた範囲として「規格の上でハイオクとレギュラーを分けているのはオクタン価」と説明しています。

ハイオクの清浄剤について: ENEOSのFAQは、自社のハイオクガソリンが「サルファーフリー(硫黄分10ppm以下)の保証と清浄剤の配合」でエンジンをクリーンに保つと説明しています。清浄剤は、上の抜粋表の項目には出てきません。これは各社の商品の説明であり、JISの数値の違いとは別の話です。日産のFAQは、清浄剤の効果について、エンジン内部をきれいに保つ観点では効果があるが、この効果を出すには2回に1回の割合でハイオクを入れる必要がある、また、ハイオクよりレギュラーのほうが大きく性能が落ちるということはない、という内容(大意)で説明しています。

(2) 品確法(施行規則第10条)のガソリン規格 10項目

品確法の第13条の大意は、揮発油販売業者は、経済産業省令で定める揮発油規格に合わないものを、自動車の燃料用の揮発油として消費者に販売してはならない、というものです(条文の原文ではなく、要約です)。省令(施行規則第10条)が定める規格は次の10項目で、資源エネルギー庁のページでは「強制規格」として載っています。

📊 品確法の自動車用ガソリンの規格(施行規則第10条)

No. 項目 基準 資源エネルギー庁の分類
1 鉛 検出されないこと 環境(大気汚染防止)
2 硫黄分 0.001質量%以下(=10ppm) 環境(大気汚染防止)
3 MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル) 7体積%以下 環境(大気汚染防止)
4 酸素分 1.3質量%以下 環境(大気汚染防止)
5 ベンゼン 1体積%以下 健康被害防止
6 灯油の混入率 4体積%以下 エンジントラブル防止
7 メタノール 検出されないこと エンジントラブル防止
8 エタノール 3体積%以下 エンジントラブル防止
9 実在ガム 100mLあたり5mg以下 エンジントラブル防止
10 色 オレンジ色であること 灯油との誤使用防止

E10対応のガソリン車の燃料として売る場合は、酸素分3.7質量%以下・エタノール10体積%以下とする特則があります(施行規則第10条の2「揮発油規格の特則」)。

品確法のガソリン規格10項目の一覧
品確法施行規則第10条の10項目。ここにオクタン価は入っていません。ハイオク96.0以上・レギュラー89.0以上はJIS K 2202の数値です
読み方の注意: 品確法の10項目に「オクタン価」は入っていません(施行規則第10条を確認)。「ハイオク」の名前の使い方を直接定めた条文は、今回確認した品確法・施行規則の範囲では見つかりませんでした。一方、施行規則第20条は、販売業者がJIS K 2202の1号・2号などに適合することを確認した揮発油を売るときに掲示できる「標準揮発油」の表示の基準を定めています(法第17条の6。表示は「掲示することができる」とされています)。この記事は、法的な評価をするものではなく、条文の範囲を整理したものです。

(3) 売る側に課されている義務(条文と公式ページで確認した範囲)

項目 内容(大意) 根拠
登録 ガソリンを売る事業(揮発油販売業)を行うには、経済産業大臣の登録が必要 品確法 第3条
品質管理者 給油所ごとに、資格のある人から品質管理者を選任する 品確法 第14条・施行規則第11条
分析 品質管理者に、基準に合う分析設備でガソリンを分析させる。分析は10日ごとに行う(資源エネルギー庁のページは「原則として10日に1回」と説明。登録分析機関に委託する方法もある) 品確法 第16条・第16条の2、施行規則第14条
販売の禁止 規格に合わないものを自動車の燃料用として消費者に販売してはならない 品確法 第13条
罰則 第13条に違反して販売した者は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(登録をせずに揮発油販売業を行った者は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金) 品確法 第25条・第24条
試買・立入検査 資源エネルギー庁は試買検査を行い、規格に合わない事例があった給油所に立入検査等で指導 資源エネルギー庁(令和4年度の公表)

資源エネルギー庁の事業者向けの説明では、近年、未登録販売・変更登録義務違反・品質分析義務違反が多いとして、事業者向けの自己診断チェックシートを公開しています(特定のスタンドの話ではなく、制度全体の注意喚起です)。

品質を確かめる仕組み(登録・品質管理者・分析・試買検査)と令和4年度の公表
登録から試買検査までの流れと、令和4年度の公表の読み方。件数だけでは割合は分かりません

令和4年度の公表の読み方: 資源エネルギー庁は2023年10月13日、令和4年度に「品確法が定める規格に適合しない揮発油等の事例(不適合事例)が223件あり、111件の立入検査を行った」と公表しました。「揮発油等」には、ガソリン・軽油・灯油・重油が含まれます。公表では、あわせて紹介されたコンタミ(混入)等の事例(荷卸しの誤操作による軽油タンクへの灯油の混入、灯油の引火点の不適合、降雨による軽油への水分混入)について、荷卸し時の不適切な作業などが主な原因と説明されています。ガソリンだけの件数や、検査した検体・給油所の総数は、この発表では確認できなかったため、「何%が不適合」とは言えません。

参考までに、経済産業省の取りまとめ(2026年8月24日公表)では、令和8年3月31日現在(登録ベース)の揮発油販売業者は11,832事業者、給油所は26,412か所で、前年度末より事業者が281、給油所が597減っています。

(4) メーカーの記載の一覧(2026年10月24日に確認した範囲)

各社の記載は、車種・年式で異なります。表は、確認できた資料に書かれている内容の要約(大意)で、原文ではありません。FAQの項目には、ページに表示されていた更新日を入れました(ホンダのFAQには日付の表示がありません)。取扱説明書は版・年式で内容が変わることがあります。

メーカー(資料) 指定・書き方(大意) 型
ホンダ FAQ(2資料。ページに日付の表示なし) レギュラー指定車にプレミアムを使うこともできるが、本来のエンジン性能が大きく変わることはない。プレミアム指定車でプレミアムが入手できない場合はレギュラーも使えるが、カタログ記載の性能諸元どおりの性能を発揮できないことがある A・B
ホンダ CIVIC(2022)取扱説明書 指定燃料は無鉛プレミアム(プレミアムバイオ混合ガソリンE10/ETBE22も)。プレミアムが入手できない場合はレギュラーも使えるが、エンジンの性能を十分に発揮できない。始動時やアクセルを踏み込んだときに異音が聞こえることがある B
日産 FAQ(No.3370。2023年12月28日更新) プレミアムが入手できない場合はレギュラーも使えるが、本来の燃費性能や加速性能が発揮されない恐れがあり、おすすめしていない。NISSAN GT-R(R35)はレギュラーを使用できない B・C
日産 FAQ(No.11505。2021年11月22日更新) レギュラー車にハイオクを入れる効果:清浄剤によりエンジン内部をきれいに保つ観点では効果があるが、2回に1回の割合で入れる必要がある。ハイオクよりレギュラーが大きく性能を落とすわけではなく、普通に使う場合は不要 A
SUBARU FAQ(No.552。2026年6月10日更新) 原則として指定燃料を使用。指定燃料が入手できないときなどはレギュラーも使えるが、エンジンの性能を十分に発揮できないおそれがある B
マツダ ロードスター(ND)電子取扱説明書 無鉛プレミアムが入手できない場合はレギュラーも使えるが、エンジンの性能を十分に発揮できないことがある。始動時やアクセルを踏み込んだときに異音が聞こえることがある B
レクサス NX 350/NX 250 取扱説明書 無鉛プレミアム(無鉛ハイオク)が入手できないときはレギュラーも使えるが、異音や振動(ノッキング)の発生、ガソリンエンジンの出力低下のおそれがある B
三菱自動車 FAQ(No.3324。2025年11月11日更新) 一部の車種以外は、レギュラーでも機構上の問題はない。ただしエンジン出力は若干低下し、軽微なノッキングが発生する可能性もある。ターボ車などの一部の車種では、緊急時以外のレギュラーは勧めていない B
トヨタ GR YARIS 取扱説明書(2408版) 指定は無鉛プレミアムガソリン。「指定以外のガソリン(無鉛レギュラーガソリン)や他の燃料(粗悪ガソリン・軽油・灯油・高濃度バイオ混合ガソリン)を使用したり…しないでください」とし、起こり得る状態として、始動性の悪化・ノッキング・出力低下・排気制御システムが正常に機能しない・燃料系部品の損傷・塗装の損傷を挙げている C
メーカー公式の書き方の3つの型(A レギュラー指定車、B プレミアム指定でレギュラーも可、C レギュラーを使わないよう書く車)
メーカーの書き方は大きく3つ。型は筆者の分類で、同じメーカーでも車種で異なります

型の欄は、動画での分類(A=レギュラー指定車、B=プレミアム指定でも入手できないときはレギュラー可と書く、C=レギュラーを使わないよう書く)に対応した筆者の整理です。「トヨタはC」「日産はB・C」のようにメーカー全体で決めつけられるものではありません。今回確認したのは、表に載せた資料の範囲だけです。

(5) JAFの案内(入れ間違いと「ハイオク専用」)

場面 JAFの案内(大意) 出典
ハイオク車にレギュラーを入れた 一般的にはエンジンは故障しない。ただしノッキング(異常燃焼)が発生しやすいため、急加速など高い負荷の運転は避ける JAF ロードサービス「燃料を入れ間違えた場合の対処方法」
同上(なぜすぐ壊れにくいか) 今の車はノックセンサーがノッキングを検知するとコンピューター制御で点火時期を調整できるため、すぐ走行に支障が出るトラブルはまず起きない。ただし性能低下が起きたり、使い続けると故障につながる可能性があるのでおすすめできない JAF Mate「今週のクルマお悩み相談」(2022年7月27日)
「ハイオク専用」と指定された車にレギュラーを入れた エンジンの破損や車両火災につながる恐れがあるため、誤給油しないよう注意が必要 JAF クルマ何でも質問箱「油種の違いについて」(2023年10月現在)
レギュラー車にハイオクを入れた 基本的には問題ない。石油会社は「ほとんど問題は発生しない」と説明している。ただし出力アップや燃費向上のために入れても、期待どおりの効果が得られないこともある JAF ロードサービス / クルマ何でも質問箱(2022年7月現在)
(参考)ガソリン車に軽油を入れた エンジンを始動せず、電源もONにしない。整備工場で抜き替えが必要 JAF ロードサービス

JAF Mateの記事は、「一部の高性能車にはオクタン価100以上のハイオクを指定しているモデルもあり、指定以外の燃料の使用に起因する不具合については保証の対象外としているメーカーもある」として、取扱説明書やディーラーでの確認を勧めています。また、JAFの調査では、2022年10月の1か月間に誤給油のトラブルが105件あり、原因には「普段乗らないクルマだった」「軽自動車は軽油だと思った」といった例がありました(ガソリンと軽油の誤給油を含む件数で、ハイオクとレギュラーだけの数字ではありません)。当サイトの別記事 軽自動車は軽油?誤給油の救援105件と、気づいたあとの対処 も参照してください。

(6) 欧州のガソリン表記との比較(JAFの説明)

JAFのクルマ何でも質問箱は、欧州ではオクタン価が表示されて販売されている国があるとして、次の例を挙げています。

国 レギュラー相当 ハイオク相当
ドイツ Super 95 / Super 95 E10(バイオエタノール10%含有) Super Plus 98 など
フランス SP95(SPは無鉛の意味) SP98

JAFは、欧州ではレギュラーに相当するガソリンのオクタン価が高いため、エンジンの圧縮比は日本車より高くなる傾向があり、そのため欧州車の多くは日本ではハイオク指定になっている、と説明しています。表示の数字は国ごとの規格・測定法によるため、日本の96.0・89.0とそのまま比べられるとは限りません(この記事では換算していません)。

(7) 動画の数字の根拠表

動画の数字・内容 根拠 確認日
1号 96.0以上 / 2号 89.0以上 JIS K 2202(JISC規格詳細の音声PDF、ENEOS石油便覧の抜粋表) 2026年10月24日
ノズル色 レギュラー赤・ハイオク黄・軽油緑・灯油青(一般的な例) JAF クルマ何でも質問箱(2023年10月現在) 2026年10月24日
品確法の10項目と基準値 施行規則第10条(e-Gov法令検索)、資源エネルギー庁の強制規格表 2026年10月24日
原則10日に1回の分析 資源エネルギー庁「石油製品の品質確保について」、施行規則第14条 2026年10月24日
令和4年度 不適合事例223件・立入検査111件 資源エネルギー庁(2023年10月13日公表) 2026年10月24日
メーカー各社の記載 各社の取扱説明書・FAQ(表のとおり) 2026年10月24日

3. 違った観点から整理する

動画は「規格→指定→入れ間違い→スタンド」の順でした。ここでは別の切り口として、立場別の判断、よくある誤解の検証、価格差の算数、「安いスタンド」についての確認できたこと・できなかったことを整理します。いずれも、前の節で確認した公式情報で裏づけられる範囲に限っています。

(1) 立場別:何を確認すればよいか

立場 最初に確認すること 公式情報での裏づけ
レギュラー指定車に乗っている 取扱説明書の指定燃料。ハイオクは、使えるが本来のエンジン性能は大きく変わらない、と案内されている(ホンダFAQの大意)。清浄剤が目的なら、各社の説明を確認して判断 ホンダFAQ、日産FAQ(No.11505)、JAF、ENEOS FAQ
プレミアム(ハイオク)指定車に乗っている 取扱説明書に「入手できない場合はレギュラーも可」の記載があるか。記載があっても、性能を十分に発揮できない・ノッキングや出力低下のおそれ等が書かれている ホンダ・日産(FAQ No.3370)・スバル・マツダ・レクサス・三菱の資料
取扱説明書が「レギュラーを使わない」と読める車に乗っている 指定以外の燃料としてレギュラーが挙げられていないか。迷ったら販売店・メーカーへ トヨタ GR YARIS取扱説明書、日産FAQ(GT-R)
「ハイオク専用」と指定された車に乗っている レギュラーを入れないことが基本。誤給油時の対応は取扱説明書と販売店に確認 JAF(破損・火災の恐れ)
レンタカー・カーシェア・普段乗らない車を使う 給油口付近の表示と取扱説明書の指定燃料。普段乗らない車や、思い込みでの給油が誤給油の原因例として挙がっている JAFの調査で挙がった原因例(JAF クルマ何でも質問箱)
輸入車に乗っている 取扱説明書の指定燃料。欧州ではレギュラー相当のオクタン価が高い国があり、欧州車の多くが日本ではハイオク指定 JAF クルマ何でも質問箱

(2) よくある誤解の検証表

よくある言い方 確認できたこと 判定
ハイオクを入れると、どの車でも必ずパワーが出る ホンダはレギュラー指定車に入れても本来のエンジン性能は大きく変わらないと説明。JAFも、期待どおりの効果が得られないこともあると記載 一律には言えない(車の指定による)
ハイオク指定の車にレギュラーを入れると、すぐ壊れる JAFは、一般的には故障しない、ノックセンサーの働きですぐ走行に支障が出るトラブルはまず起きないと説明。ただし性能低下や、使い続けると故障の可能性もあり、おすすめできない 「すぐ壊れる」とは言えないが、推奨もされていない
ハイオク指定ならレギュラーはどの車でも使える メーカー資料には、レギュラーも可と書く車と、使わないよう書く車・使えないとするFAQ(GT-R)がある。JAFは「ハイオク専用」では破損・火災の恐れと注意 車種による。取扱説明書で確認
ガソリンの色で、ハイオクとレギュラーを見分けられる JISの抜粋表は色を「オレンジ系色」とし、品確法の規格も「オレンジ色」。ENEOSは、灯油と区別するためガソリンをオレンジ系の色に着色していると説明。ハイオクとレギュラーの色の違いを定めた記載は、確認した範囲では見つからなかった 色での見分けは、確認した資料からは言えない
安いスタンドのガソリンは、規格に合っていない 品確法の規格に合わないガソリンは、どのスタンドも販売できない(第13条)。登録・分析・試買検査の仕組みがある。個別のスタンドの品質は、この記事では判断できない 規格の最低ラインは共通。個別の判断はできない
ブランドが違っても、ガソリンは全く同じ ENEOSは自社ハイオクの清浄剤配合を説明している。各ブランドの添加剤の違いを比べた公的なデータは、確認できなかった 確認できなかった(同じとも違うとも言えない)

(3) 価格差×給油量の算数(例)

ハイオク指定車でレギュラーにするか迷うとき、まず分かるのは「1回の給油でいくら違うか」です。価格差は店ごと・日ごとに違うため、この記事では最新の数値を断定せず、次の算数の例だけを示します(表の価格差8・10・12・15円は、計算の例として置いた仮の値であり、実際の価格差ではありません)。実際の価格差は、お近くのスタンドの看板と、資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品価格調査(給油所小売価格調査)で確認できます。

価格差と給油量から考える1回あたりの差額の例(仮の価格差)
1リットルあたりの価格差×給油量の算数(例)。価格差の数字は実際の価格ではなく、計算の例

この差額と、性能・燃費が十分に出ない可能性(メーカーとJAFの案内)のどちらを重く見るかは、車の指定と使い方で変わります。指定が「ハイオク専用」の車では、金額で比べる前に取扱説明書の指示が基準です。

(4) 「安いスタンド」について:確認できたこと・できなかったこと

内容
確認できたこと 品確法の規格(10項目)に合わないガソリンは、どのスタンドでも自動車の燃料として売れない。売るには登録が必要で、原則10日に1回の分析が義務。資源エネルギー庁は試買検査を行い、不適合には立入検査等で指導している
確認できたこと(数字) 令和4年度の不適合事例(揮発油等)223件、立入検査111件。令和8年3月31日現在の給油所は26,412か所
確認できなかったこと ガソリンだけの不適合件数・検査した総数(割合)。ブランドごとの添加剤の違いを比べた公的なデータ。実際に流通しているハイオク・レギュラーのオクタン価の実測を、ブランド別に比べた公的なデータ。ハイオクとレギュラーを混ぜたときの影響を直接説明した公式資料
この記事の結論 「安いから危ない」とも「ブランドが違っても全く同じ」とも、確認した資料からは言えない。判断は、車の指定燃料(取扱説明書)と、規格の最低ラインという事実を分けて考える

(5) 給油前の3つの確認

順番 確認すること 理由
1 車の取扱説明書の「指定燃料」(給油口付近の表示も確認) メーカーの書き方が車種で違うため
2 ノズルの色と表示(一般的にレギュラー赤・ハイオク黄・軽油緑・灯油青) 誤給油を防ぐため。店により異なる場合があるので表示も確認
3 迷ったら、給油を始める前に店員・販売店・メーカーの窓口へ 入れてからでは対応が変わるため

4. よくある質問

Q. ハイオクとレギュラーは、規格の上で何が違いますか?

A. JIS K 2202では、リサーチ法のオクタン価が、1号(ハイオク)は96.0以上、2号(レギュラー)は89.0以上です。ENEOS石油便覧の抜粋表では、オクタン価以外の主な行は1号と2号で同じ数値でした。

Q. レギュラー指定の車にハイオクを入れるメリットはありますか?

A. ホンダは、本来のエンジン性能が大きく変わることはないと説明し、日産は、普通に使う場合は入れる必要はないとしています。ENEOSは、清浄剤の効果はレギュラー仕様車でも発揮されると説明しています。日産は、清浄剤の効果を出すには2回に1回の割合で入れる必要があるとしています。どれを重視するかは、車の取扱説明書と、各社の説明を読んで判断してください。

Q. ハイオク指定の車にレギュラーを入れてしまいました。どうすればよいですか?

A. JAFは、一般的にはエンジンは故障しないが、ノッキングが起きやすいので急加速など高い負荷の運転は避けるよう案内しています。ただし「ハイオク専用」と指定された車では、エンジンの破損や車両火災につながる恐れがあると注意しています。不安なときは、取扱説明書の記載を確認し、販売店やメーカーに相談してください。

Q. 安いガソリンスタンドのガソリンは品質が悪いのですか?

A. ガソリンは、どのスタンドも品確法の規格(10項目)に合わないものを自動車の燃料として売れません。一方、ブランドごとの添加剤の違いや実際のオクタン価の差を比べた公的なデータは確認できませんでした。そのため、良い・悪いとは断定できません。

Q. ハイオクとレギュラーを混ぜて入れても大丈夫ですか?

A. 混ぜたときの影響を直接説明した公式資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。ハイオク指定車にレギュラーが入った場合の対応は、JAFの案内(高い負荷の運転を避ける)と取扱説明書を確認し、迷ったら販売店・メーカーに相談してください。

5. あわせて読みたい・まとめ・出典

あわせて読みたい

まとめ

ハイオクとレギュラーの規格上の違いはオクタン価(JIS K 2202で1号96.0以上、2号89.0以上)。指定の書き方は車で違うので、取扱説明書の指定燃料が基準です。入れ間違えたときは、JAFの案内に沿って高い負荷の運転を避け、軽油の場合はエンジンをかけない。そして、ガソリンはどのスタンドも品確法の規格が最低ラインですが、オクタン価はその10項目に入っておらず、ブランドごとの差を比べた公的なデータは確認できませんでした。

免責・出典(確認日:2026年10月24日)

この記事は一般的な情報で、個別の車についての判断は、取扱説明書・メーカー・販売店の案内が優先されます。メーカーとJAFの記載は大意で、原文ではありません。法令・規格・各社の案内は改正・変更されることがあります。価格差の算数の数字は仮の値です。

※JISCの規格詳細画面では、本文PDFの閲覧にログインが必要でした(ログイン・会員登録はしていません)。JIS K 2202の数値は、ログイン不要の音声PDFと、ENEOS石油便覧の抜粋表で照合しました。ガソリン価格の最新値は、資源エネルギー庁の公開データがこちらの環境から取得できなかったため、この記事には載せていません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました