自動ブレーキをはじめとする安全運転支援装備は、この10年ほどで新車のほぼ標準装備になりました。この記事では、内閣府・国土交通省の公式データをもとに、搭載率の推移と義務化のスケジュールを整理しました。(2026年10月時点の情報)
📋 この記事でわかること
- 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の新車搭載率の推移
- 自動ブレーキ義務化のスケジュール(新型車・継続生産車別。2026年11月1日への延期を含む)
- ペダル踏み間違い加速抑制装置の搭載率と、義務化・基準強化のスケジュール
- JNCAP(自動車アセスメント)の評価の仕組み
自動ブレーキの新車搭載率は約10年で93.7%まで上昇
内閣府の交通安全白書に掲載されている国土交通省調べのデータによると、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の新車搭載率(その年に生産された新車全体に占める割合)は、平成23年度(2011年度)の1.4%から、令和元年度(2019年度)には93.7%まで急上昇しました。
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| 年度 | 自動ブレーキ搭載率 | ペダル踏み間違い抑制装置搭載率 |
|---|---|---|
| 平成23年度(2011) | 1.4% | – |
| 平成26年度(2014) | 41.1% | 32.2% |
| 平成28年度(2016) | 66.2% | 47.1% |
| 平成30年度(2018) | 84.6% | 77.1% |
| 令和元年度(2019) | 93.7% | 83.8% |
出典:内閣府「令和3年版交通安全白書」特集(国土交通省調べ)。それ以降(2020年度〜)の年度別パーセンテージは、令和4・5年版の交通安全白書で「新車乗用車における衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術の搭載割合は9割を達成」、令和6年版で「ほぼ全ての新車乗用車に…搭載されている」という記述にとどまり、令和7・8年版を含め、確認した範囲では年度別の具体的な数値は見当たりませんでした(本稿執筆時点)。ネット上に出回る一部の数値は出典が確認できなかったため、この記事では掲載していません。
自動ブレーキ義務化のスケジュール(継続生産車は2026年11月1日に延期)
自動ブレーキは国連の国際基準(協定規則第152号)にもとづき、段階的に装備が義務化されています。国土交通省の「適用関係の整理告示」(2026年1月9日版)と、2026年8月31日の国土交通省の発表にもとづくスケジュールは以下の通りです。
- 国産車・新型車:2021年11月1日から義務化
- 輸入車・新型車:2024年7月1日から義務化
- 継続生産車(国産・輸入とも):告示では2026年9月1日からとされていましたが、国土交通省が2026年8月31日に適用日を2026年11月1日へ延期すると発表
- 軽の貨物車(軽トラックなど)の継続生産車:2027年9月1日から(2026年1月9日版の告示)
対象は乗車定員10人未満の乗用車と車両総重量3.5トン以下の貨物車で、二輪車・側車付二輪車・三輪車等は対象外です。「2024年7月」という時期は輸入車の新型車が対象であり、継続生産車ではない点に注意してください。
なお、2020年1月の国土交通省の発表では継続生産車は「国産2025年12月・輸入2026年7月」とされていましたが、現行の告示では国産・輸入とも2026年9月1日からに改められており、さらに2026年11月1日に延期されています。国土交通省は延期の理由を、熊本地震により自動車の生産に関連する企業が被災して生産に遅れが生じ、受注済みの車を新基準の適用日までに作り切れない状況になったためと説明しています(特例措置)。適用は車の製作時期や型式の指定時期で決まり、細かい例外もあるため、購入予定の車は販売店で確認してください。
ペダル踏み間違い加速抑制装置も義務化(2026年1月に基準を強化)
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐ「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」(国の性能認定制度での名称は「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」)についても、2025年6月17日に義務化が発表されました。国交省の公式発表によると、対象はクラッチペダルのない(AT)乗用車で、電気自動車も含まれます。適用時期は新型乗用車が2028年9月1日、輸入車が2029年9月1日からで、MT車は対象外です。継続生産車は、国交省の「適用関係の整理告示」(2026年1月9日版)により、2032年9月1日以降に製作されるものから対象です。これは日本発の技術が国連の場で国際基準化されたことを受けた措置とされています。
さらに国土交通省は2026年1月9日に基準の強化を発表しました(1月11日施行、一部は3月31日)。(1)義務付けの対象を車両総重量3.5t以下のAT貨物車にも拡大、(2)検知対象に歩行者を追加(従来は車両・壁)、(3)停止状態に加えてクリープ走行状態(ブレーキを離したときにゆっくり前に進む状態)からの急加速抑制を要求、の3点で、強化後の基準の適用は新型車が2030年9月、継続生産車が2032年9月とされています。
装備の効果について、国交省の資料では、安全運転サポート車(サポカーS ワイド)は、登録台数10万台あたりの人身事故件数が全体平均より41.6%少なかったという分析(平成29年5月〜30年12月のデータ)が示されています。
JNCAP(自動車アセスメント)の評価の仕組み
JNCAP(国土交通省・自動車安全運転センターが関与)の予防安全性能評価は、2014年度の対車両ブレーキ評価から始まり、対歩行者(昼間・夜間)、車線逸脱抑制、後方視界情報、ペダル踏み間違い加速抑制、対自転車、交差点(2024年度〜)と評価項目を拡充してきました。2024〜2025年度は85.8点満点でA〜Eの5段階ランクが付けられます。
チェックリスト
- 購入予定の車に自動ブレーキが標準装備されているか確認したか
- 継続生産車の場合、義務化の適用時期(自動ブレーキは2026年11月1日、軽の貨物車は2027年9月1日など)を確認したか
- JNCAPの評価結果(A〜Eランク)を参考にしたか
- ペダル踏み間違い抑制装置は、義務化前の現行モデルでも搭載されているか確認したか
まとめ
自動ブレーキの新車搭載率は令和元年度時点で93.7%まで達しており、現在ではほぼすべての新車に標準装備されている状況です。義務化のスケジュールは新型車・継続生産車、国産車・輸入車、軽の貨物車などで時期が異なり、延期されることもあるため、購入前に最新の時期を確認しておくと安心です。ペダル踏み間違い抑制装置も2028年9月から新型乗用車への搭載が義務化され、2026年1月には基準の強化(クリープ走行・歩行者の検知、3.5t以下のAT貨物車への拡大)も決まっており、安全運転支援装備の標準化はさらに進んでいきそうです。
出典:国土交通省「適用関係の整理告示」第9条(2026年1月9日版)、国土交通省「熊本地震を踏まえた自動車の安全・環境基準の適用延期」(2026年8月31日)、同「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけます!」(2025年6月17日)、同「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準を強化します!」(2026年1月9日)、同告示第4条(2026年1月9日版)。
アイキャッチ画像: Car dashboard on highway (Unsplash) by Arkady Lifshits / overdriv3, CC0

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