ストロングハイブリッド?スーパーチャージャー?迷ってしまうメカニズムを【損得】を考えた選び方

エンジン・パワートレーン

選ぶかどうするか迷ってしまうクルマのメカニズムと装備ガイド
 クルマを購入する時に、種類も多く複雑なために悩んでしまうのがクルマのメカニズムと装備でしょう。車種は決まっていたとしても、グレードなどを決めるときにどれが自分にとって得なのか考えてしまいますよね。
 ここでは自分にとっての「損得勘定」の目線から判断できるような選択する基準などを紹介して行きます。

走りのメカニズムを選択する

人気のハイブリッドシステムだけが得するとは限りません。

日進月歩で日々新しい技術が生まれている今は、エンジンの種類も非常に多いです。ひとつの車種に複数の排気量は設定が設定されているだけでなく、ハイブリドなどのモーターを使用するタイプも増えました。

 背の高い軽自動車は好調に売れていますが、その大半の車種にターボ車が用意されています。クリーンディーゼルターボエンジンがあり、ノートには直列3気筒エンジンにスーパーチャージャー装備車も用意されています。

 クルマを選ぶ時はこういったエンジンのメリットとデメリット把握することが大切ですし、注意する所も多いのです。たとえばハイブリッドカーの場合は燃費の向上がメリットですが、モーター/専用バテリー/制御装置などが必要になるため、車両の重量や価格が高まります。

 一部の例外を除けば、購入時のエコカー減税額は免税になりますが、今はガソリンエンジン積んだ減税車も増えました。となれば使用する走行距離が短いと、価格差を燃料代の差額で埋めることが難しい場合があります。

 軽自動車のターボ車は動力性能の向上がメリットです。660ccに規制された小さな排気量をターボが補います。以前は燃費性のが悪くて、エコカー減税の対象に入らない車種が多かったようですが、今では状況が大きく変っています。

 人気のタントのように、ノンターボエンジン車に対してターボエンジンの燃費数値が7%程度しか下がらないで、エコカー減税になるターボ車を選べます。また、設計の新旧によっても損得勘定が大きく変りますので、燃費/動力性能/価格の違いをしっかり精査していきましょう。

ガソリンエンジン+ターボ

このタイプのメリット

最大トルクが50~60%もアップするほどの動力性能が向上
 軽自動車の欠点の一つは、車両重量に対して排気量が660ccとちいさいことです。売れ筋の背の高い車種で、ボディの重さはコンパクトカーの80%程度ですが、排気量は約半分程度。その力不足をカバーするべくターボが用意されています。ノンターボ車は6.5kg-m前後の最大トルクが、ターボ車であると9~10kg-mまで増えます。この数値は1000~1200CCクラスに相当していますので力不足が解消されます。

このタイプを選ぶ時の損得勘定

注意するポイントは燃費性能とエコカー減税の対応しているか
 軽自動車のターボエンジン搭載車は生産台数が比較的多くて価格は割安です。動力性能(最大トルク)は自然吸気エンジンの150~160%に達しますが、燃費数値は86~93%にとどまっています。大幅に高まる動力性能の割には、燃費の悪化率が小さい部類に入る。しかもターボの価格換算額は2~8万円なので、買い得といえるメカニズムです。

このタイプのまとめ

ノンターボエンジンに対する価格相場
プラス約7~8万円

 平坦な道を中心に走るのであればノンターボでもいいですが、登坂車線などの坂道が多い地域ではターボ車が推奨されます。重視すべきはターボ車の設計が新しくて、燃費性能の悪化がノンターボに比べて15%以内におさまることを確認したいですね。そのうえで、車両価格が同程度の装備を持つノンターボ車の7~8万円アップであれば買い得だといえます。

このタイプの人気車

・ホンダ Nボックスシリーズ
・スズキ ワゴンRスティングレー

ストロングハイブリッドシステム

このタイプのメリット

モーター駆動を併用して燃費性能を効果的に向上
 走行条件に合わせてエンジンとモーター駆動を使い分けるので、効率の良い運転が可能です。減速時にはモーターが発電機の役目をはたしますので、減速エネルギーを電気に変換して専用電池に蓄えます。エンジンを停止してモーター駆動だけで走る場合もあり、燃料消費量を抑えられます。
 加速時にはモーターがエンジン駆動を効果的に支援。動力性能を高める効果もあります。

このタイプを選ぶ時の損得勘定

燃費代の違いと価格差を計算して選びましょう
 ハイブリッドはガソリンエンジンに比べて価格が高くなります。装備の違いを補正して、価格の小さなコンパクトカーで約14万円。レクサスGSが搭載するV型6気筒3500ccをベースにした450hは、ガソリンエンジンのV6・3500cc車よりも約100万円高い。ただしエコカー減税額で実質差額が79万円に縮まり、燃料代も約55%になります。

このタイプのまとめ

ノンターボエンジンに対する価格相場
プラス約20~100万円

 車種ごとに損得勘定は異なりますが、最近はレギュラーガソリンの価格が安値(1ℓあたり120円前後)で安定しています。したがってハイブリッドの価格上昇分をガソリン代の差額で取り戻せるのは、大半の車種で10万km以上の計算になります。
 1年間の走行距離が1万5000km以上なら、ハイブリッドを選ぶ余地がみえてきます。

このタイプの人気車

・ホンダ フィット
・トヨタ シエンタ

デーゼルエンジン+ターボ

このタイプのメリット

実用回転域のの駆動力が高く、燃費性能が優れる
 熱効率が高くて走行距離に対するCO2の排気量が少なく燃費性能も優れています。日本では窒素酸化物、粒子状物質などの排出量が多く規制の対象になりましたが、今はランドクルーザープラドやCX-5などがクリーンディーゼルターボを設定。CX-5は実用回転域で3500cc・V6のガソリンエンジンなみの最大トルクを発生させ、JC08モード燃費は4WDでも18km/ℓに達します。

このタイプを選ぶ時の損得勘定

動力性能をどのように捉えるかによって損得勘定が変ります。
 機能が複雑なクリーンディーゼルターボシステム。シンプルなマツダの方式でも、粒子状物質を除去するフィルターを備え、燃料噴射装置もガソリンエンジン車に比べて高コストです。そのためにCX-5の場合で、車両価格は2000ccガソリンエンジン車に対して約39万円高い。BMWの320dlは、320iもガソリンターボ車とあって価格上昇を23万円に抑えていますが戦略的な設定です。

このタイプのまとめ

ノンターボエンジンに対する価格相場
プラス約35~65万円

 CX-5のディーゼルはJC08モード燃費が18.4km/ℓ(2WD)。2000ccのいガソリンエンジンよりも2km/ℓ優れ、1ℓの軽油価格はガソリンよりも約20円安い。1km走行あたりの燃料代はディーゼルが6.4円、ガソリン車は8.6円です。39万円の価格差を取り戻すには約18万円も走行を要しますが、ディーゼルは動力性能も大幅に高まります。

このタイプの人気車

・トヨタ ランドクルーザープラド
・マツダ CX-5

スーパーチャージャー

このタイプのメリット

燃費向上が期待できる断続可能な過給機
 S/C(スーパーチャージャー)はターボと同様での過給機ですが、排気ガスではなくエンジンの力を使って駆動します。幅広い回転域で安定した過給効果が得られ、クラッチによる断続も可能ですが、必要な時だけでも作動させられます。かつては複数のS/C装着車が存在しましたが、今の乗用車はではノートのみです。ミラーサイクルエンジンが燃費性能を上げ、動力性能を高めたい時にこのS/Cを動かせます。

このタイプを選ぶ時の損得勘定

スーパーチャージャーの価格は20万円相当
 ノートのエンジンはマーチと同じ1200cc・直3です。ノーマルエンジンのXは最高出力が79馬力で、最大トルクは10.8kg-m。JC08モード燃費は23.4km/ℓですが、S/Cを装着したX・DIG-Sは、98馬力・14.5kg-m・26.2km/ℓ。動力性能と燃費性能が両方ともあがります。ただ車両価格は装備の違いを補正して約20万円ぐらいは高い。ターボ車では7~8万円なので気をつけましょう。

このタイプのまとめ

ノンターボエンジンに対する価格相場
プラス約20万円

 ノートのS/Cは、ノイズと振動が運転状況によって気になるという意見もあります。このあたりに改良を期待する箇所があります。その点、ノーマルエンジンは力が少し不足気味ですが、運転感覚はS/C装着車よりも素直です。
 JC08モードの燃費の違いは1.4km/ℓにとどまり、減税も75%でかかくは20万円安い。なるべくならノーマルエンジン車と乗り比べて検討したいですね。

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