N-BOXは全世代チェーン駆動|初代から現行まで公式諸元表で確認

ホンダが公開しているN-BOXの主要諸元表には、エンジンの弁機構が「DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2」と記載されています。初代・2代目・3代目(現行)の3世代すべての諸元表を取り寄せて確認しましたが、記載はいずれも同じでした。つまりN-BOXはどの世代もタイミングチェーンで、タイミングベルトは使われていません。交換時期という考え方自体が当てはまりません。

3世代の諸元表を並べて確認できたこと(確認日: 2026年10月28日)

✔ 初代(JF1/JF2)の原動機型式はS07A、2代目(JF3/JF4)と3代目(JF5/JF6)はS07B

✔ S07AとS07Bは内径×行程が違う別のエンジン(64.0×68.2mmと60.0×77.6mm)。それでも弁機構の記載はどちらも「DOHC チェーン駆動」

✔ ホンダはエンジン型式別のベルト/チェーン一覧を公開していません。車種ごとの諸元表の「弁機構」欄を見るのが確認方法です

✔ 軽自動車でも、定期点検の基準は普通の乗用車と同じ別表第六です

初代から現行まで、3世代すべての諸元表で確認しました

タイミングベルトかチェーンかはエンジンの設計ごとに決まるので、世代が変わってエンジンが新しくなると答えも変わりえます。N-BOXは初代から数えて3世代あり、途中で原動機型式も変わっています。そこでホンダのアーカイブに残っている諸元表を世代ごとに取得して、弁機構の欄を1つずつ読みました。

📊 N-BOXの諸元表に記載されている弁機構(ホンダ公式の主要諸元表より)

諸元表の版と車両型式 原動機型式 内径×行程 弁機構の欄の記載
3代目(現行)
5BA-JF5/5BA-JF6
S07B 60.0×77.6mm DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
2代目
6BA-JF3/6BA-JF4
(2020年版・2023年版の2つを確認)
S07B 60.0×77.6mm DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
初代
JF1/JF2
S07A 64.0×68.2mm DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2

※表は横にスクロールできます。総排気量はいずれも0.658L・水冷直列3気筒横置と記載されています。車両型式の接頭記号(5BA-/6BA-など)は排出ガス規制の区分を表すもので、年式によって変わります。

注目したいのは内径×行程の違いです。初代のS07Aは64.0×68.2mm、2代目以降のS07Bは60.0×77.6mmで、ボアを小さくしストロークを長くした別の設計のエンジンです。排気量が同じ0.658Lでも中身は変わっています。それでも弁機構の欄の記載は3世代とも同じでした。

ホンダには「エンジン型式別の一覧」がありません

ここがメーカーによって大きく違う点です。ホンダは、エンジン型式ごとにベルトかチェーンかを一覧にした資料を公開していません。そのため車種ごとの主要諸元表を開いて「弁機構」の欄を読むという方法になります。今回3世代分の諸元表を1つずつ取得したのは、そのためです。

これに対してトヨタは、エンジン型式で引ける一覧表をPDFで公開しています。同じことを調べるのに、メーカーによって手順がまったく違うわけです(トヨタ側の手順はシエンタの記事で、ホンダの別の車種はフリードの記事で確認しています)。

軽自動車でも、定期点検の基準は乗用車と同じです

軽自動車だから点検の基準が緩い、ということはありません。道路運送車両法 第四十八条第一項第三号は「前二号に掲げる自動車以外の自動車」を1年ごととしており、自家用の軽乗用車はここに当たります。適用される基準は自動車点検基準の別表第六です(同基準 第二条第五号)。普通車の自家用乗用車と同じ表です。

その別表第六を読むと、「タイミング」という語は1回も出てきません。「ベルト」と名のつく点検項目は、パワー・ステアリング装置の「ベルトの緩み及び損傷」と冷却装置の「ファン・ベルトの緩み及び損傷」で、どちらも1年ごとの列にあります。

これらはエンジンの外側で補機類を回しているベルトで、タイミングチェーンとは別の部品です。N-BOXのようにチェーンの車でも、この外側のベルトは点検対象として残ります。「チェーンだから何もしなくていい」ではありません。

自分のN-BOXの型式は、車検証で分かります

車検証(自動車検査証)の「原動機の型式」欄を見れば、S07AかS07Bかが分かります。記載があることは法令で決まっていて、道路運送車両法施行規則 第三十五条の三が自動車検査証の記載事項を定め、その第八号が「原動機の型式」です。

ただしN-BOXの場合、どちらの型式でも諸元表の記載は「チェーン駆動」でした。型式を調べなくても答えは変わりません。型式が役に立つのは、部品を注文するときや、別の車種について同じことを調べるときです。

よくある質問

Q. N-BOXのタイミングチェーンは交換が必要ですか。
A. ホンダの諸元表には、チェーンの交換時期についての記載がありません。この記事では交換時期や費用の目安を書きません。出どころのない数字を置くことになるためです。異音などの変化に気づいたときは、販売店で現物を見てもらってください。

Q. ターボ車とノンターボで違いますか。
A. 諸元表ではターボ車もノンターボも同じ原動機型式(S07BまたはS07A)として記載されており、弁機構の欄も同じです。駆動方式に差はありません。

Q. 10万km走りました。チェーンは大丈夫ですか。
A. 走行距離による交換時期は、ホンダの公式資料に記載がありません。この記事で距離の目安を示すことはできません。実際の状態は現物を見ないと分からないため、販売店にご相談ください。

📋 この記事について

この記事は2026年10月28日に、ホンダ公式の主要諸元表と法令だけを根拠として書き直しました。それまでの内容には、N-BOXに使われていない部品を前提にした記述が含まれていたため、次のものを削除しています。

  • 「タイミングベルト交換ガイド」「DIY交換手順」の作業手順 — N-BOXにタイミングベルトは使われておらず、手順にも出典がありませんでした
  • 「交換費用の詳紀」の節と、そこに並んでいた金額(¥10,000/¥20,000/¥30,000/¥40,000/¥50,000/¥70,000) — ホンダ公式の資料で確認できませんでした。なお見出しの「詳紀」は「詳細」の誤字でした
  • 「市販のタイミングベルト選び方」の節 — 使われていない部品の選び方を解説していました
  • 交換時期として挙げられていた走行距離・年数(10,000km/20,000km/100,000km/2年ごと) — 公式資料で確認できませんでした
  • トルクレンチなどの工具を挙げていた部分 — 法定点検の項目とも対応していませんでした

出典(いずれも2026年10月28日に確認)

  • 本田技研工業「N-BOX 主要諸元表」(現行型) — honda.co.jp(PDF)
  • 同「N-BOX 主要諸元表」(2023年版/2代目) — honda.co.jp(PDF)
  • 同「N-BOX 主要諸元表」(2020年版/2代目) — honda.co.jp(PDF)
  • 同「N-BOX 主要諸元表」(2017年版/初代 JF1・JF2) — honda.co.jp(PDF)
  • 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四十八条 — e-Gov法令検索
  • 自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号)第二条・別表第六 — e-Gov法令検索
  • 道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)第三十五条の三 — e-Gov法令検索

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