中古車を売る・買うタイミングを考えるうえで参考になるのが、株式会社オークネットが毎月公表している「中古車市場価格指数」です。年間50万台超のオークション流通データをもとに、東京大学発のコンサルティング会社UTEconと共同開発した客観的な指数で、単純な「平均取引価格」よりも中古車の質の変化を反映した相場の動きを把握できます。2026年に入ってからの動きを整理します。
📋 この記事でわかること
- 「中古車市場価格指数」とは何か
- 2026年の推移
- なぜ2026年は調整局面に入ったのか
- 売るなら1〜2月・9月、待ちすぎには注意
- 売る・買うタイミングを考えるヒントに
「中古車市場価格指数」とは何か
日本では中古車市場の値動きを示す指標として「平均取引価格」がよく引用されますが、これだけでは取引される中古車の質(年式・グレード・ボディタイプなど)の変化を反映できず、純粋な価格変動を正確に把握しにくいという課題があります。そこでオークネットは、2008年7月を基準値「1」として、さまざまな中古車の属性を統計モデルに組み込んだ「中古車市場価格指数」を開発し、2023年12月分から毎月(目安として20日ごろ)公表しています。
2026年の推移
オークネットの公表データによると、2026年の指数は次のように推移しています(2008年7月=1として算出)。
| 対象月 | 中古車市場価格指数 | 前月比 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 2.637 | +11.25% |
| 2026年2月 | 2.684 | +1.77% |
| 2026年3月 | 2.570 | -4.23% |
| 2026年6月 | 2.524 | +0.10% |
| 2026年7月 | 2.460 | -2.53% |
2025年1月(2.333)と比較すると、2026年1月の指数は2.637まで上昇しており、同様の車種・品質の中古車の相場は前年より13.04%上昇していた計算になります。ただし2026年3月以降は調整局面に入り、7月は前月から2.53%の減少となりました。オークネットの分析では、2026年7月はミニバンが3.39%減と最も下落幅が大きく、ラグジュアリー・ミッドサイズ・コンパクト・SUV・バン/トラックの全カテゴリで指数が減少したとされています。
一方、実際の「平均取引価格」(2026年7月:103万1,931円)は前月からほぼ横ばい(+0.19%)で推移しています。オークネットは、相場自体は下落する一方で平均取引価格が横ばいにとどまっているのは、価格水準が比較的高いボディタイプの流通比率が上昇し、平均価格を下支えしているためと分析しています。
なぜ2026年は調整局面に入ったのか
2026年に入って相場が調整局面を迎えた背景には、新車供給の回復があります。コロナ禍以降続いていた半導体不足の影響で、これまで新車の納期が長期化し、その反動で「新車が手に入らないなら中古車を」という需要が高まり、中古車相場を押し上げてきました。しかし2025年には多くのメーカーで生産が安定し始め、納期が3〜4か月程度まで短縮される車種も増えたことで、中古車への需要集中がやや緩和されてきています。ただし、車載用半導体の不足自体が完全に解消したわけではなく、円安の影響で海外からの中古車需要が根強く残っていることも踏まえると、相場が急激に下がるというよりは「横ばい、もしくは緩やかな下落」で推移するとの見方が業界内では多いようです。
売るなら1〜2月・9月、待ちすぎには注意
中古車の売却を検討している場合、一般的に相場が高くなりやすいとされる時期があります。1〜2月は年間を通じて中古車が最も高く売れやすい時期とされ、3月の決算・新生活シーズンに向けて販売店が在庫確保に動くことが背景にあります。9月も同様に、中間決算に向けた需要期として狙い目とされています。ただし、こうした季節要因を待つよりも重要なのが、車検の残り期間や走行距離、年式が変わるタイミングです。車は年式が変わる・走行距離が大台に乗る・車検が切れるといった節目を迎えると査定額が下がりやすいため、季節的な高値期をただ待つよりも、こうした「価値が落ちるライン」を迎える前に動くほうが、結果的に高く売れるケースが多いとされています。
売る・買うタイミングを考えるヒントに
「中古車市場価格指数」は、特定の車種の相場ではなく市場全体の価格変動を示す指標のため、個別の車を売却・購入する際の判断にそのまま使えるわけではありません。ただし、市場全体が上昇局面にあるか調整局面にあるかを把握しておくことは、売却・購入のタイミングを考えるうえで参考になります。ご自身の車種の具体的な相場については、査定サイトや実際の販売店での見積もりとあわせて確認することをおすすめします。
まとめ
2026年の中古車市場は、年初から春先にかけて相場が上昇したあと、3月以降は調整局面に入り、直近の7月データでは前月比2.53%の下落となりました。一方で平均取引価格自体は横ばいで推移しており、指数と平均価格の差から市場の質的な変化も読み取れます。オークネット循環型経済ラボのレポートは毎月20日ごろに公表されるため、売却・購入を検討している方は定期的にチェックするとよいでしょう。
出典・免責
本記事の内容は、以下の情報源(2026年9月2日確認時点)に基づいています。
指数・平均価格の数値は、外れ値処理等を行ったデータを用いて算出されたものであり、オークネットの対外公表と異なる場合があります。最新の指数は同社の公式サイトでご確認ください。
アイキャッチ画像: Parking lot, Japan by Ka23 13, CC BY 4.0
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