『タイヤメンテナンス完全ガイド:安全とパフォーマンスのための足回りチェックリスト』

タイヤメンテナンスの基本

タイヤの健康を保つための日常的なチェックポイント

タイヤの健全性を維持するためには、定期的なチェックが不可欠です。以下のポイントをリストアップしました。

チェックポイント 目的 頻度
タイヤの空気圧 適正な空気圧により燃費とタイヤの耐久性が向上 月に1回
タイヤの摩耗状態 不均一な摩耗がないかチェックし、問題があれば原因を特定 3か月に1回
タイヤのひび割れ 老化によるひび割れからタイヤの安全性を保つ 6か月に1回

正しい空気圧の測定と調整方法

タイヤの空気圧は、車両の性能と直結する重要な要素です。正しい測定と調整方法を以下に示します。

空気圧の測定手順

  1. タイヤが冷えた状態で測定する(例えば、走行前や長時間駐車後)。
  2. 車のマニュアルに記載されている推奨空気圧を確認。
  3. 空気圧計をタイヤのバルブにしっかりと取り付け、圧力を読み取る。

空気圧の調整手順

  1. 測定した空気圧が低い場合は、空気を追加します。
  2. 空気圧が高すぎる場合は、バルブを軽く押して空気を少し抜きます
  3. 再度空気圧を測定して、推奨値に達していることを確認。

事例:空気圧が適切でない場合の影響

空気圧が低いとタイヤの摩耗が早まり、燃費が悪化します。また、空気圧が高すぎると、乗り心地が悪くなり、タイヤがパンクしやすくなる可能性があります。適切な空気圧の維持は、安全運転に直結します。

タイヤの選び方と購入ガイド

各シーズン別タイヤの特徴と選定基準

タイヤを選ぶ際には、使用する季節に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。以下に、主要なタイヤタイプとその特徴を示します。

タイヤタイプ 特徴 推奨する使用環境
夏タイヤ 硬めのゴムを使用し、高温下での性能が最適化されている 暖かい気候や乾燥した路面
冬タイヤ 柔らかいゴムを使用し、低温下でのグリップ力が高い 雪や氷の路面
オールシーズンタイヤ 一年中使用可能で、様々な気象条件に対応 温暖な冬がある地域の四季

車種と運転スタイルに最適なタイヤの選び方

車種と個人の運転スタイルに合ったタイヤを選ぶことで、車の性能を最大限に活かすことができます。以下の点を参考にしてください。

  • 車種:車のマニュアルに推奨されるタイヤサイズと種類を確認。SUVやトラック、小型車など車種に合ったタイヤが存在します。
  • 運転スタイル:スポーツ走行を好む場合はグリップ力が高いスポーツタイヤを、長距離運転が多い場合は耐久性と快適性を重視したツーリングタイヤを選びましょう。

事例:適切なタイヤの選定が安全運転につながる

例えば、雪国で冬タイヤを使用しないと、ブレーキ性能が著しく低下し、事故のリスクが高まります。逆に、夏タイヤを使用することで、暖かい季節においては最適な性能を発揮し、安全性が向上します。

タイヤローテーションとバランス調整

タイヤローテーションの重要性と適切なスケジュール

タイヤローテーションは、タイヤの均等な摩耗を促し、耐久性を向上させるために重要です。以下に、タイヤローテーションの目的と推奨スケジュールを示します。

タイヤローテーションの目的 推奨スケジュール
均等な摩耗を促し、タイヤの寿命を延ばす。 一般的には5,000〜8,000kmごと、またはオイル交換のたび。

バランス調整の必要性とプロセス

タイヤのバランス調整は、運転中の振動を最小限に抑え、快適な走行を保証するために不可欠です。不適切なバランスはタイヤの早期摩耗やステアリングに負担をかけることがあります。以下にバランス調整のプロセスを説明します。

  1. タイヤとホイールを専門の機械にセット:タイヤを取り外し、バランス機に取り付けます。
  2. 不均衡の検出:機械がタイヤの回転を模擬して、不均衡な部分を特定します。
  3. バランスウェイトの調整:不均衡な箇所にウェイトを追加して、タイヤのバランスを調整します。
  4. 再検査と調整:バランスが適切に調整されたことを確認するため、再度検査を行います。

事例:バランス調整が必要になる典型的な状況

新しいタイヤを装着した後や、タイヤを修理した場合、またはタイヤが不均等に摩耗している時などにバランス調整が推奨されます。定期的なバランスチェックは、車の振動を減らし、運転の快適性を保持するのに役立ちます。

タイヤの交換時期と方法

摩耗のサインとタイヤ交換のタイミング

タイヤの交換時期を見極めるためには、以下の摩耗のサインに注意が必要です。

  • トレッド深さ:トレッドの溝が1.6mm未満になったら交換時。特別なコインや計測ツールを使って測定可能。
  • 側面のひび割れや損傷:タイヤの側面にひびが入っている場合や、ゴムが剥がれている場合は、強度が低下している可能性があります。
  • 異常な摩耗パターン:一部のみ異常に摩耗している場合は、車のアライメントやサスペンションに問題があるかもしれません。

自分でできるタイヤ交換のステップバイステップガイド

以下の手順に従って、自宅でタイヤ交換を行う方法を紹介します。

  1. 準備:ジャッキ、レンチ、スペアタイヤを用意します。
  2. 車を安全な場所に停車:平坦で固い地面を選び、ハンドブレーキをかけます。
  3. ルグナットの緩め:タイヤを地面から持ち上げる前に、ルグナットを軽く緩めておきます。
  4. ジャッキアップ:車の指定のジャッキポイントにジャッキを設置し、タイヤが地面から離れるまで持ち上げます。
  5. ルグナットの取り外しとタイヤの交換:すべてのルグナットを取り外し、タイヤを車から外します。新しいタイヤを取り付け、ルグナットを手で締めます。
  6. 車を降ろす:ジャッキをゆっくり下ろし、タイヤが完全に地面についたらルグナットをクロスパターンで均等に締め直します。
  7. 最終チェック:ルグナットの締め付けをトルクレンチで確認し、すべての工具を片付けます。

事例:タイヤの交換が必要な典型的な状況

長期間の使用後や、タイヤが鋭利な物体によって損傷を受けた場合などには、安全のために即座にタイヤを交換することが推奨されます。また、季節の変わり目に合わせて夏タイヤから冬タイヤへの交換を行うことも一般的です。

パンクとタイヤのトラブルシューティング

パンクの最も一般的な原因と予防策

タイヤのパンクは多くのドライバーが経験する問題ですが、いくつかの予防策によりリスクを軽減できます。

  • 路面の異物:ガラスの破片や釘などの鋭利な物体が原因でパンクすることが多いです。
  • タイヤの過負荷:過剰な荷重はタイヤの内部構造に過度のストレスを与え、パンクにつながります。
  • 空気圧の不足:不適切な空気圧はタイヤの側面に負担をかけ、パンクやその他の損傷を引き起こすことがあります。

予防策:定期的にタイヤの空気圧をチェックし、路面の状態に注意深くなることが重要です。また、過剰な荷重を避け、車を適切にメンテナンスすることが予防につながります。

緊急時のパンク修理と応急措置

もしもの時に備えて、以下の緊急対応手順を理解しておくと安心です。

  1. 車を安全な場所に停車:パンクに気づいたら、車を交通から離れた安全な場所に移動させます。
  2. ハザードライトの使用:車を停車させた後、ハザードライトを点灯させて他のドライバーに警告します。
  3. パンク修理キットの使用:パンク修理キットを使用して穴を塞ぎます。これは一時的な修理であり、早めに専門店での修理が必要です。
  4. スペアタイヤへの交換:修理キットがない場合は、スペアタイヤに交換します。タイヤ交換の手順は、前述のタイヤ交換ガイドを参照してください。
  5. 専門の修理:一時的な修理後は、最寄りのタイヤ修理店に車を持ち込み、専門家による詳細な診断と修理を受けます。

事例:緊急時に役立ったパンク修理キット

パンクした際に、ドライバーが自分でパンク修理キットを使って応急処置を行い、安全に最寄りの修理店まで運転できた例があります。これにより、迅速な対応が可能となり、より大きな損傷や事故を防ぐことができました。

冬期のタイヤ管理と特別な注意点

冬タイヤとスタッドレスタイヤの違いと利点

冬季に適したタイヤ選びは、安全な運転に不可欠です。冬タイヤとスタッドレスタイヤは、それぞれ独自の特徴と利点があります。

タイヤタイプ 特徴 利点
冬タイヤ 特別なゴム配合で低温下でも硬くなりにくい。 氷や雪上でのブレーキ性能とハンドリングが向上。
スタッドレスタイヤ スタッド(金属ピン)を使用せず、ゴムの柔軟性に依存。 路面を傷つけることなく、雪道でも高いグリップ力を提供。

寒冷地でのタイヤメンテナンスのポイント

寒冷地でのタイヤメンテナンスには、以下のような特別な注意が必要です。

  • 空気圧の定期的なチェック:寒冷地では気温の変動が激しいため、タイヤの空気圧が低下しやすい。定期的にチェックし、適切な空気圧を維持することが重要です。
  • タイヤの清掃:塩カルや泥などがタイヤに付着すると、タイヤの劣化を早める可能性があります。定期的にタイヤを洗浄し、不純物を取り除くことが推奨されます。
  • 摩耗の確認:冬タイヤは特に高いグリップ力を提供するため、摩耗が進みやすい。シーズン前とシーズン後には摩耗状態を確認し、必要に応じて交換を行うべきです。

事例:寒冷地でのタイヤトラブルと対策

寒冷地に住むドライバーが冬の始めにタイヤの空気圧を調整せず、低い空気圧のまま運転を続けた結果、タイヤの早期摩耗とパンクが発生しました。この事例から、寒冷地におけるタイヤの適切なメンテナンスの重要性が学ばれます。

タイヤの法規制と環境に配慮した選択

タイヤに関する法的要件と安全基準

タイヤは自動車の安全性に直接関連する重要な部品であり、各国の法律や規制で定められた安全基準を満たす必要があります。

  • トレッド深さの最低限度:ほとんどの国では、トレッドの最低限度が1.6mmと定められていますが、これは安全なブレーキングを保証するための基準です。
  • 製造基準:タイヤ製造者は、耐久性と安全性を確保するために、厳しい品質基準に従って製造する必要があります。
  • 定期的な検査:車検などの車両検査においては、タイヤの安全基準がチェックされ、基準に達していないタイヤは交換が必要です。

環境に優しいタイヤ選びとリサイクルの重要性

タイヤの選択と使用においては、環境への影響を最小限に抑えることも重要です。

  • エコタイヤの選択:燃費の改善に寄与し、CO2排出量を削減するエコタイヤを選ぶことが推奨されます。
  • タイヤのリサイクル:使用済みタイヤは、アスファルトの補修材料やプレイグラウンドの敷材など、さまざまなリサイクル方法で再利用されます。
  • リサイクルプログラムへの参加:多くの自治体や企業がタイヤリサイクルプログラムを提供しており、これに参加することで環境保護に貢献できます。

事例:環境に優しいタイヤ選びでCO2削減に成功した例

ある運送会社が全車両にエコタイヤを導入した結果、年間の燃料消費量が大幅に減少し、CO2排出量が前年比で10%削減されました。この取り組みは、経済的なメリットとともに環境への貢献を実現しました。

この目次は、タイヤに関連する全般的な知識から特定の技術的詳細まで幅広くカバーしており、初心者から経験豊富なドライバーまで、役立つ情報が満載です。各セクションは、読者が直面するかもしれない具体的な問題に焦点を当てて解説しています。

安全面、乗り心地、走行性などクルマにとって非常に大切な部分でこまめなメンテナンスが必要ですが、実際は軽く見られがちなパーツです。それに、空気圧が低いまま走行を続けると燃費も悪くなる。

メンテナンスといっても点検が基本で、やり方さえ覚えてしまえば非常に簡単で出かける前にササッと点検できます。

それではここから、点検に必要な工具とやり方を説明して行きます。

タイヤの点検に必要な工具類

・タイヤ残りゲージ
・タイヤ空気圧計

※作業内容によってはポンプやバルブドライバーが必要になります。

 

タイヤ残りゲージ+タイヤ空気圧計

そもそもタイヤとは?

数あるパーツの中で唯一路面に触れているパーツで、路面からのダイレクトな振動を吸収して車体を守ります。
クルマが走行するのも、止まるのもすべて路面との摩擦によって可能となります。ですが、タイヤはゴムでできているためこの摩擦力と引き換えに走れば走るほど摩耗してすり減っていきます。

そうやって路面と接する部分であるトレッドというタイヤの機能に重要な溝が浅くなってしまい、クルマをコントロールするために必要な摩擦力も減少していきます。

トレッドと呼ばれるタイヤの溝の主な役割は以下のとおり。

 

・走行安定効果
・排水効果
・横滑り防止効果
・駆動力や制動力効果

以上がトレッドの主な効果になります。
また、トレッドには多様なパターンがあり、得たい効果によってそのパターンが変えられています。

 

トレッドパターン

出典:https://kotobank.jp/

 

濡れた路面を走行する際にタイヤと路面との間に入った水を排出するための役割があるのですが、タイヤが摩耗してトレッドの溝が浅くなればその分排出できる水量が減るため、場合によっては排出しきれない水の上にタイヤが乗ってしまい操作が出来なくなることがあり大変危険です。

 

タイヤに関しての注意点

 

・タイヤのトレッドに溝があるから、雨の日の濡れた路面でも安全に走行することができる。
・タイヤの摩耗が進むと補強用のワイヤーが露出してしまいます。そのまま使用を続けるとやがてパンクまたはバーストします。

 

 

タイヤの溝と摩耗のチェック

タイヤトレッドの溝が無くなることによって、排水機能や走行安定性、制動力といった大切な機能が低下します。
そこで、走行すればタイヤは常に減り続けるのもなので、摩耗してもどこまで機能維持できるかを示す基準がタイヤにはあります。

タイプや使用用途によって違いはありますが乗用車用のタイヤでは残り溝の深さ1.6mmが使用限界と定められています。
また、タイヤにはウエアインジケーターというものが備えられていて、タイヤの側面のトレッド近くに△印や矢印が数か所ついています。

そのウエアインジケーターが付いているトレッドの溝は他の部分より1.6mm浅くなっており、タイヤの残り溝が1.6mmになるとそこの部分だけが先に溝が無くなり、タイヤを横断するように一本のラインとなる。

 

このラインの事をスリップサインといい、このラインが現れたらタイヤ交換の時期を知らせています。

ウエアインジケーター出典:http://www.autobacs.com/

 

ウエアインジケーターをチェックするポイント

 

・タイヤ側面を見てトレッドの溝が見やすい位置にあるウエアインジケーターを探す。
・△や矢印のマークが示す方向のトレッドを見て溝が無くなりスリップサインが現れていないかをチェックする。
タイヤのスリップサインを待たずしてタイヤの摩耗具合を確認するのなら、タイヤデプスゲージ(タイヤ残りゲージ)を使用すれば正しく確認可能です。
このゲージはほんの数百円で購入でき、トレッド面に垂直に置いて先端部分を溝の奥に入れるとそこで溝の深さが計測できる。
また、ゲージで定期的に測定した数値を記録しておけば、タイヤ消耗の進み具合を確認することが可能。

 

タイヤ残り溝ゲージ計測出典:http://minkara.carview.co.jp/

 

タイヤデプスゲージ(タイヤ残り溝ゲージ)で溝の深さを測定する

 

・タイヤ残り溝ゲージの台座の部分をトレッド面に密着させて、真ん中のバーでタイヤの中心をさすように立てる。
・差し込むバーの後端を押して先端を溝の中に入れ、メモリを確認して計測します。

 

注意が必要なのがタイヤの摩耗の仕方です。
運転が上手下手に限らず普通に運転していると編摩耗していきます。理想を言えばタイヤ4本ともに綺麗に同時に摩耗していけば交換す時も同時に交換できます。
ですが、クルマの重量バランスがほとんどの場合はエンジンがと常に運転手が乗る前方=前輪に多くかかっています。なので、後輪よりも前輪の方が早く摩耗します。

また、駆動方式によっても前輪駆動であれば前輪、後輪駆動であれば後輪が摩耗する傾向にあります。

運転の癖や足回りのバランスの不良、通勤などで走る毎日同じルートの走行などでもタイヤごとの摩耗状況が変ります。それに、タイヤの空気圧が少ないまま走行していても編摩耗になります。

 

編摩耗の画像出典:http://ac-cel.jugem.jp/

 

編摩耗の種類

 

・両肩摩耗
・中央摩耗
・方則摩耗
・フェザーエッジ摩耗

 

編摩耗のチェック画像

出典:http://www.shinohara-tire.co.jp/

 

編摩耗チェックする方法

 

・前輪のハンドルを左右どちらでもいいのでいっぱいまで切り、トレッドを見やすい位置にタイヤの向きを変える。
・タイヤをクルマから取り外せばトレッド全周の摩耗状態をしっかりチェックすることが可能。

 

ベストなタイヤのチェックはクルマから取り外して行うこと

タイヤの位置はホイールハウスというタイヤの部屋内に収まっていたり、地面に接触している部分があったりと全周囲を見渡すことがそのままではやりにくい。

前輪であればハンドルを操作することで多少は見やすくなるが、それでも地面に接している部分や奥側はクルマを移動させてタイヤの位置を変えなければ見えない。

普段の点検では見える範囲での点検で大丈夫ですが、年に一度ぐらいはクルマからタイヤを取り外してチェックしたいものですね。少し面倒だと感じる方のいると思いますが、タイヤを取り外せが全周囲を簡単にチェックできる。
また、この時にタイヤのローテーションやバランス調整もおこなえればベストです。

 

タイヤローテーションとは

 

タイヤローテーション画像

出典:http://www.goodyear.co.jp/faq/beginners07.html

 

タイヤローテーションとはタイヤの摩耗状況によってタイヤの位置を変える事。
クルマの重量バランスや、全後輪の役割の違いによってタイヤの摩耗の進み具合に差がうまれる。

 

走行を続ければ続けるほどタイヤの位置それぞれの摩耗が進み、編摩耗の状態を招くこととそれによってパンクなどタイヤの交換時期を早めます。

そこで、編摩耗の改善とタイヤをバランスよく消耗させるために4輪ある各タイヤの摩耗状況を見て適所に配置させることで調整可能。

 

FF車では5000km走行ごと、FR車では1万km走行ごとが理想でそれぞれローテーションは異なります。
駆動輪は左右同じ側で前後に移動させ、非駆動輪は左右を変えて前後に移動させるのが基本。

回転方向が指定されたユニディレクションタイヤの場合は、左右同じ側で前後を入れ替えることになる。

 

ローテーションを行うには大掛かりなジャッキなどは必要ではなく、車載ジャッキとスペアタイヤがあれば作業は可能。機械式のジャッキに比べ手動式は体力を使いますが、ちょっとした運動と考えると手軽にローテーションと運動が同時にできます。

 

タイヤの損傷とゴムの状態のチェック

タイヤ点検

出典:http://www.tire-training.jp/

 

普段から運転に気をつけていて縁石にぶつけたり溝に落としたりしていない方であっても、気付かないうちにタイヤがキズ付いている事があります。
もし、タイヤにキズなどの損傷があると高速走行するときになど熱や内部の圧力でバースト(破裂)する事がある。

 

路面に接するトレッドは比較的丈夫な部分なので、多少のキズがあっても大きな問題となることは少ない。しかし、タイヤ側面のサイドウォールはクッション性を高めるための役割が高いのであまり丈夫なゴム質ではない。

 

そのため、欠けてとがった縁石や段差にこすってサイドウォールにキズが付くと、浅いキズでもパンクやバーストの原因になるし修理方法も少なく、サイドウォールにキズが付くとタイヤ交換せざるおえない。

このサイドウォールのキズはタイヤの外側に付くので、空気圧のチェックと同時に確認しておきたい。

 

サイドウォールキズ

出典:http://www.tire-fitter.co.jp/6140/

 

走行中にサイドウォールをこすってしまった場合はすぐにチェックし、ついてしまったキズがそのまま使用を続けても大丈夫かどうか確認しましょう。もし自己判断が難しいようなら専門家に見てもらいましょう。
また、ゴム製品全般に言える事ですがタイヤも例外ではなく、使用されているゴムは古くなると劣化して硬化してくる。そうなると路面との摩擦力が低下して駆動力やブレーキ力が低下してしまう。

さらに、タイヤが硬化してくるとバーストを起こしやすくなる。硬化が始まるとタイヤ表面に細かなひび割れが出来るようになり、そのひび割れはトレッドとサイドウォールのつなぎ目であるショルダー部にできやすい。

 

ゴムの状態をチェックする際にはこういった部分を重点的に見るようにし、もしひび割れが出来ているようであれば交換を検討しましょう。

 

タイヤ寿命

 

 

さらに、トレッドの溝にはさまった異物なども取り除いておきたい。小石などでもはさまったまま使用を続けると溝を広げたりゴムを欠けさせたりするし、釘やガラス片などの鋭利な物が刺さっている場合は早急に除去しないとパンクの原因になる。
もし、釘のようなものが刺さっていて明らかにタイヤを貫通している場合は抜いたりせず、移動できる間にパンク修理のできるところに行って対処をお願いしましょう。

 

タイヤ損傷のチェックポイント

 

・損傷やゴムの状態チェックはなるべくタイヤを外して行い、内側のサイドウォールもしっかりチェック。
・トレッド面やサイドウォールなどホイールを含め全体的に損傷がないかチェックし、深いキズがあったら専門家に相談する。
・タイヤに異物が刺さっていたりトレッド溝に石がはさまっている場合、深く刺さった物はその場では抜かず修理のできる所で対処し、はさまった石などは手で取り除くことが難しければマイナスドライバーなどで外しましょう。

 

 

タイヤの寿命とは

 

ここであらためてタイヤの寿命について記載して行きます。
タイヤの寿命は見た目だけでは表面的な部分しか見ることが出来ず判断することが出来ません。

 

クルマをほとんど使わずに車庫に止めていることの多いクルマで、一見トレッドの溝がしっかりあってまだまだ大丈夫そうに見えることもあります。

ですが、タイヤのゴムはクルマを使用しなくても紫外線や温度差、湿度などによって劣化していきます。

 

劣化してゴムが硬くなるとタイヤ本来の機能を発揮できない。なので、急ブレーキが必要な時に本来以下の制動力では止まりきれないこともあるし、カーブを曲がりきれない危険性もある。

駐車場所の環境やクルマの使い方で劣化の進み具合は異なるが、5年程度経過するとタイヤの性能はかなり低下していると考えるといい。
このように時間の経過でも劣化が進むため、トレッドの溝が十分に残っていても交換したほうがよいです。

 

 

クギやとがったガラス片を見つけても抜いてはダメ!

 

タイヤクギささり

 

先ほども少し触れましたが、トレッド面の異常をチェックしていてクギやハリガネ、ガラスなどの鋭利な物が刺さっている場合すぐに抜いてはいけません。

一般的に使用されているチューブレスタイヤは釘などの細いものが刺さっても、インナーライナーというゴム層が刺さった物の周囲に密着するため一気には空気が抜けないこともある。
しかし、刺さった物を抜いてしまえばそこに空洞が出来て一気に空気が抜けてしまう。そうなってしまうとクルマの移動はもちろんのこと、空気が抜けきった状態で手動ジャッキでのタイヤ交換は通常の時より大変です。

 

物が刺さっている状態でも空気が抜けていないのであれば気を付けながら移動して、ガソリンスタンドや整備工場へ移動して処置をしてもらった方がスペアタイヤに交換する手間も省ける。

ただし、異物が刺さっている状態を見つけて、またいつか修理工場に持っていこうなどとは考えないでください。今までは空気の抜けもそれほど無いからといってそのままにしておくのはNGです。
今はまだ大丈夫だからと言ってそのままにしておくと路面の凹凸や何かの拍子に刺さった異物がずれてしまい、思いもよらない所でエアーが抜けて走行できなくなってしまうことがあります。

 

 

タイヤ空気圧の測定

タイヤの空気圧はタイヤや車種に応じた適正空気圧が設定されています。

 

・タイヤの空気圧が低い場合

空気圧が適正より低いと路面とのタイヤ接地面積がおおきくなることと、タイヤが回転する時に必要以上の変形が起こり、走行する際の抵抗が大きくなります。

そうなるとタイヤ本来の性能が発揮できないことに加え、燃費性能も悪くなる。

また、タイヤの空気圧が低い状態で高速道路などでの高速走行した場合、回転や振動での変形が大きくなることでタイヤが異常に発熱し、最悪の場合バーストすることがある。

点検の時にトレッドの両端が摩耗しているような編摩耗を見つけた時は空気圧が低くなっている事が考えられるので点検しましょう。

 

・タイヤの空気圧が高い場合

空気圧が高すぎる場合は路面との接触面積が減り、摩擦力が低下します。摩擦力が低下するとカーブでのグリップ力が弱くなったり、駆動力やブレーキ力も低下する。
タイヤの空気圧は、パンクなどの何か異常がないかぎり抜けないと思っている人も多いが、なにも異常ない時でもエアーは抜けます。
細かい事を言うと、空気中の酸素分子はタイヤに使われている分子よりも小さいため、ほんの少しずつタイヤを通り抜けていきタイヤの空気圧が減っていく。

 

 

そのため、月に1回くらいは空気圧を測定して、必要に応じて空気圧を調整する必要がある。その空気圧測定にはタイヤ空気圧計(タイヤエアプレッシャーゲージ)を使用します。

ガソリンスタンドにはほとんどどこでも常備しているので給油するときにお願いすると、無料で点検してくれます。最近ではセルフスタンドが増えていて利用している方も多いでしょうが、そのようなセルフスタンドでも常駐のスタッフが必ずいるのでその方にお願いしてもいいでしょう。

また、セルフスタンドの場合はタイヤ空気圧計も自由に使っていいという感じで、事務所または整備場付近の目につきやすい所に置いてあります。それを見つけたら自分で点検しましょう。

勝手に使っていいかわからないときは、スタッフに一声かけて借りましょう。
セルフスタンドで自分で空気圧点検する時の注意点は、給油する所に止めたまま点検を行わず、整備場付近までクルマを移動させて点検するようにしてください。

自分でタイヤ空気圧計を購入しようと思えば1000円程度から色々な種類のものが市販されていて基本的に使い方は簡単です。

タイヤ空気圧を見る簡単な方法のひとつで目視と凹み具合でおおまかな測定が可能。
前提として、適正な空気圧にセットされているタイヤの状態確認しておきます。その時に、タイヤのたわみ状態と足でタイヤを押してその感触を覚えておきます。
何回か気にしてやっていると、何となくベストな状態がわかってきますので、なんかタイヤのたわみがいつもより大きいな~とか思ったら空気圧計で測定し、数値がおかしいようであれば適正値に戻しましょう。
タイヤのたわみ画像

普段から気にして見ているとたやみ具合が良く分かる。乗車人数や積載荷重が多くなればたわみが大きくなるので、確認するときは空車時に確認しましょう。

適正タイヤ空気圧表画像

車種ごとの適正空気圧は通常であれば運転席ドアの周辺か、ドア枠にラベルが貼られている。以前はkg/c㎡が単位で使用されていましたが、現在はkpa(キロパスカル)が使われている。

 

 

低偏平率タイヤは空気圧に注意!

見た目の良さやグリップ性の良さなどから巷で流行っている低偏平率タイヤ。この低偏平率タイヤの場合、同じ車種のタイヤで幅が同じなら偏平率が低いほどタイヤの空気量が少ない。

そのため、同じだけの空気量が抜けた場合偏平率が低いほど空気圧低下が大きくなる。なので、40や50といった低偏平率タイヤの場合は、60や70などの偏平率タイヤによりまめに空気圧をチェックする必要がある。

 

タイヤ空気圧計(タイヤエアプレッシャーゲージ )の種類

ペンシルタイヤ空気圧系

ペンシルタイヤ空気圧系画像

出典:http://item.rakuten.co.jp/gma-art/amon_a58/

ペンシル型は見た目からもわかるように、小型で軽量なので車載しておいても邪魔にならない。

 

メーター式タイヤ空気圧系

メーター式タイヤ空気圧系画像

出典:http://store.shopping.yahoo.co.jp/

メータ式は数値が確認しやすく数値の制度が高いため、整備のプロはメーター式を使うことが多い。

 

デジタル式タイヤ空気圧系

デジタル式タイヤ空気圧系画像

出典:https://www.amazon.co.jp/

デジタル式は表示がデジタルなので見やすく軽量コンパクトな物も多いが、いざ使おうとした時の電池切れに注意。

 

 

タイヤの点検を行う時は走行前のタイヤが熱くない状態で測定する!

空気の性質上圧縮されれば熱を持ちます。タイヤの中に入っている空気も車体の重量を支えながら凹凸のある路面であったり、炎天下で太陽に熱せられた所を走行するとタイヤ内の空気が膨張して空気圧が上昇してしまいます。
また、走行直後もしばらくは熱が残っているので空気圧は高めである。

このように気温によっても動きがあるためタイヤ温度の状況把握は難しい所。そのため適正空気圧は走行前でタイヤが冷えた状態を前提とした数値です。外気温の影響も多少はあるが、このあたりは誤差の範囲とされる。

 

 

タイヤ空気圧の調整

タイヤの空気圧を測定して適正空気圧より高ければ空気を抜く必要があるし、低ければ空気を補充しないといけない。高すぎるということは空気の入れ過ぎがなければほとんどありませんが、低いという事はまれにある。

一番手軽な方法はガソリンスタンドを利用すること。
有料の所も稀にありますがほとんどのスタンドでは空気圧の調整が行えます。セルフスタンドでは基本的に自分で行わなければならないが、やり方さえ分かれば簡単にできる作業なのでやってみましょう。

置いてあるポンプによって使い方は異なりますが、通常はタイヤのバルブにポンプのホース先端の口金を当て、+(プラス)のボタンを押せば空気が補充されます。そのままメーターが希望の空気圧になるタイミングでポンプを停止させればKO。

 

使い方が分らない時はスタッフに尋ねると教えてくれます。

もし、自分でメンテナンスをやって行きたい方はポンプの一台くらいは所有していてもいいと思います。
足踏みポンプでは安価な物もあるが、自転車のタイヤと違いクルマのタイヤは結構大変。せめて、シガーライターソケット(アクセサリー電源ソケット)から電源を取る電動ポンプが手軽でおすすめ。
こういったタイプであれば2000円前後から購入できるポンプもいくつかあるが、安すぎるものであると空気を入れる能力が低いため、完全に空気が抜けた状態のタイヤを適正空気にまでするために数分かかったりする。でも、空気圧の調整で補充するくらいであれば十分に活躍するでしょう。

 

空気を抜きたい時はバルブ中央の細い棒を押す

何もしないのに空気圧が高くなる事はなく、空気圧の調整の基本は空気の補充です。
補充の際に空気を入れ過ぎてしまい適正空気圧より高くなってしまった場合は空気を抜く必要があります。こうした場合は、バルブの中央に細い棒があるのでそれを何かで押しこめばいい。
少し硬いがその棒を押しこむとシューっと音がして空気が抜ける。空気圧計のなかにはバルブに押しつけるい穴の背面に、空気を抜く際に使う突起が備えられたものもある。

 

タイヤバルブ画像

出典:http://minkara.carview.co.jp/

 

 

タイヤの空気漏れのチェック

 

適正空気圧にしたのに、1ヵ月くらいで10%以上も低下することがある場合は自然な空気圧低下とは考えにくく、どこかから漏れている可能性をうたがったほうがいいでしょう。

空気漏れの原因には様々あり、タイヤにクギが刺さっているのに一気に抜けず、少しずつ時間をかけて抜けていくスローパンクチャーもあれば、激しいコーナリングでタイヤに横方向の強い力がかかることでホールとの位置がずれ、それによりできたすきまから空気が漏れることもある。

 

また、空気の注入口であるエアバルブの異常で空気が漏れる。

バルブは内部にスプリングを備えたバルブコアというパーツがあり、内部の空気は逃がさずに外からの空気を注入できる仕組みになっている。

このバルブコアがゆるんでいたり壊れていると空気が漏れる。

バルブコア

出典:http://www.pacific-ind.co.jp/

 

 

タイヤの空気漏れのチェックは洗剤液をつかう方法が簡単です。

点検に使う洗剤液は、500ccの水に一般的な台所用中性洗剤を10cc程度混ぜたものをスプレー容器に入れて、タイヤ表面やホイールとのすきま、バルブ周辺に吹きかけます。

その時、空気が漏れている場合はその部分に気泡ができたり、泡がぼこぼこと出てくる。また、激しく漏れている時は泡がすぐに割れるので沸かしにくいこともあるので、空気の抜ける音を聞いてみたり手でエアーが出ていないか探ることも必要。

エアーが減っているのに抜けている箇所がいよいよわからなければ、タイヤを外して容器に溜めた水の中に沈めましょう。そうすればよくわかります。

横からの力でタイヤがずれた場合は、一度エアーを完全に抜いてから適正空気圧より少し高めに空気を注入すると元通りに直ることもあるが、改善されないようであればプロにお願いしましょう。釘などが刺さっている場合も同様に自信のある方以外は業者にまかせましょう。

バルブの場合はスプレーを吹きかけるだけではわかりにくいようであれば、台所用中性洗剤の原液をバルブの口をおおうように塗ってチェックするとよりわかりやすい。

 

タイヤの空気漏れのチェック

 

出典:http://www.goo-net.com/

 

タイヤの空気漏れのチェックポイント

1.タイヤに水と薄めた洗浄液をスプレーして液がタイヤ全体をおおうようにし、膜がおおっているうちにすばやく確認する。泡ができてもすぐに割れることもあるので注意。

2.タイヤとホイールの間も空気漏れを起こす可能性がある箇所なので、すき間に洗剤液が溜まるようにスプレーして空気漏れを確認する。

3.バルブの空気漏れをチェックする場合はキャップを外してスプレーして確認する。また、わかりにくければ原液の洗剤液をバルブの口をおおうようにして塗る。

 

スペアタイヤの空気圧も管理しましょう。

スペアタイヤの空気圧は意外と見落とされがちで、いざ使う時に空気が無い時のショックは結構大きいもの。
スペアタイヤは通常では使われていないが、通常使用しているタイヤと同様に自然と空気が抜けて空気圧が低下する。

一般的にスぺアタイヤとして使用されているタイヤはテンパータイヤと呼ばれ、極力スペースを取らないようにタイヤサイズ小さくするかわりに空気圧を高めることで、通常のタイヤと同様に使用可能になっている。

そのため、空気圧が低下していると本来の機能が発揮できないため、スペアタイヤの空気圧も定期的にチェックして、低下しているようであれば補充しましょう。テンパータイヤの適正空気圧は420kpaに設定されていることが多い。

 

スペアタイヤ画像
出典:http://minkara.carview.co.jp

 

タイヤエアバルブのメンテナンス

タイヤエアバルブは一部にゴムを使用しているため、タイヤ本体と同様に経年劣化で交換が必要になります。
このエアバルブから漏れている場合の原因は、バルブコアの緩みか損傷が多くを占めている。

 

タイヤエアバルブ
出典:http://shakoire.com/

 

空気漏れを発見したらまずはバルブコアを増し締めする。その後、再度洗剤液を付けて空気漏れをチェックして異常なければ大丈夫。もし止まらないようであればバルブの交換が必要になります。

交換のときに古いバルブコアを取り外すと、内部の空気が一気に抜けてしまうので、空気を入れるポンプが必要になる。
また、クルマに装着したまおこなうと、空気が抜けた時にタイヤに車重がかかってしまいゴムを傷つけることもある。クルマから取り外して行う必要は無いが、ジャッキアップした状態で行うのが望ましい。

そうすればポンプでエアーを入れる時も余計な負荷がかからない状態で注入できるのでスピードが若干違う。
バルブコアの増し締めや交換にはバルブドライバーという専用工具が必要になる。このバルブドライバーは数百円程度で購入可能。

 

バルブドライバー画像
出典:http://www.hozan.co.jp/

 

 

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